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「感動する音楽会」にデジタルネイチャーの幕開けを感じながら、「文化と情熱とテクノロジーに感謝する音楽会」という閉幕の余韻を楽しむ。

 「__する音楽会」をオンラインで視聴...というか視、体、聴という感じで体験。本当は生で観たかったけれど、この頃体調が悪く出歩けない事とオンラインの可能性に託しての参加。

 「耳で聴かない音楽会」以来の1年以上ぶりの体験。昨年の音楽会は「多様性」と「選択性」が増えていく実感と、全体が均質化されていく様子を強く意識して、色々なオルタナティブが価値観の数と共に増えていくワクワク感があった。

 今回の音楽会は、祝祭?回帰?共生?とか色々考えながらオンラインで体験しつつ、シンプルに「感動する音楽会」というのが率直な感想。
世界中からリモートで演奏するシーンの努力と祝祭性が新鮮で、自然と涙するシーンも。世界中から「お客さんとして参加するコンテンツ」はあったけれど、世界中から「リアルタイムに作り上げるコンテンツ」を見たのは初めてで、5Gはじめとするテクノロジーと、それを作った人々と、新たなチャレンジをする方々に心からの感謝を。

 昨年の記憶や生のオーケストラと比較して、オンラインなのに身体性も強く感じられるという不思議な感覚を覚える。演者の筋肉や表情の動き、弦の揺れや呼吸など...「耳で聴かない音楽会」での4分33秒の時の感動が蘇ったような感覚。「オーケストラ団体」ではなく自然と「個人の演者」を意識させられて、つくづく多様だなぁと思ったり。
 総じて「オンライン」というよりも「実質音楽会」というか「拡張音楽会」というか、今までの概念が体験として覆る時間を過ごせた。
デジタルネイチャーの幕開けだなぁ...というのが率直な感想。

 現実的な虚構と、虚構的な現実、その間を行ったり来たりしながら、何百年も継がれる音楽という文化を全体が共有する時間の均質性。それでいて多様で。こうしたイノベーションを生み出せるのは、社会課題の解決の必要性を市場に問いつつ、資金やテクノロジーを調達できるアプローチがとても大事だなとしみじみ考える。クラウドファンディングの必要性を今まで一番感じられた2時間。

 「双生する音楽会」とは成る程、流石、と思いつつこの双子性は恐らく生の体験、オンラインの体験、双方を体験してこそかもしれない。USB付の支援をすれば良かったなぁという事と、どうしても会場に行けない身体性を伴う時期は、どうすれば生の波動を感じられるかなと考える。健康が何より。

 ハイドンやストラヴィンスキー、5Gや8Kを作った方々、演者の皆様、スタッフさん、落合さん...色々な人と現象とテクノロジーに感謝する音楽会でした。
 

 大成功、おめでとうございます。
 そして、本当にお疲れさまでした。

 心より感謝を申し上げます。

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