ウマ娘の中国版「闪耀!优俊少女」の配信停止に関するまとめ(9/27追記)
こんにちは。Game-iです。
2023年8月30日に配信を開始した中国簡体字版ウマ娘『閃耀!優俊少女(簡体字表記:闪耀!优俊少女)』配信停止になっているという問題が少し前に話題になっていました。
2023年9月17日時点でも解消しておらず【4751】サイバーエージェント(CA)の株価へも影響を与えていますので、改めて情報を整理しておきたいと思います。
出来るかぎり事実に基づき記載していますが、中国特有の文化や背景に詳しい専門家ではなく、一部では個人の所感も入っている事をご了承ください。
配信停止の経緯
・2023年9月7日
AppStore iOS版のダウンロード停止
・2023年9月11日
Android版のダウンロード停止
※中国ではGooglePlayはサービスを行っておらず、独自Android版が配信されている。
2023/9/7 18:00にAppStoreのダウンロードページの公開が停止されました。公式微博(Weibo)でも告知されたようです。
配信停止の理由としては
「技術的なアップグレードのため」とされています。
また、当初はAndroid版アプリのダウンロードは出来たようですが9/11にリンクが無くなったようです。
翌日のCAの株価終値は854.8円 前日比-62.7 (-6.8%)
中国版ウマ娘配信停止の影響を受けたものと見られます。
事態の不透明さもあり投資家の反応はネガティブでした。
掲示板やSNSでは改めてチャイナリスクについての話題もあがっていました。
中国でのゲームサービスは申請から公開までの期間が長く審査も大変厳しいものとなっています。
サービス自体が停止しているのか
実はサービス自体は現在も継続して運営されています。
イベント開催なども何事もなかったかのように告知されています。
ダウンロード済みのユーザーは現在もプレイできていますので、サービスやコンテンツそのものに問題があるわけではありません。
また、公式サイトにPCでアクセスすると「MuMu模拟器」のリンクがあり、PCエミュレーター版のダウンロード及びBilibiliアカウントがあればプレイは出来るようです。
iOS版やAndroid版の「新規ダウンロードができない」という状況になっています。
ならば技術的な問題とは?
ここがポイントなんですが、現状では明確な情報がありません。
噂も含めてリストアップしてみます。
・年齢制限やアカウントに関する問題
中国では前述の審査において若年層に対するゲームのプレイ時間に関する規制があります。モバイル版アプリが正しく機能していない場合は問題になります。
直接的な要因ではないかもしれませんが、公式サイトを見るとプライバシーポリシーが2023/9/6に更新され9/13から有効化されています。変更点は分かりませんが何らかの修正する必要があったものと思われます。
・ゲーム内の表現に関する通報への対応
ゲーム中のビジュアルやテキスト表現が中国で許容されないものがあり裏で対応するために新規流入を抑制している可能性があります。(例えば軍事にちなんだ名称などはNGで別の文言に変更されている)
中国では言葉に関する監視が非常に厳しいことが知られています。
台湾・香港版のウマ娘は「賽馬娘」というタイトルでしたが繁体字での名称という事もあり、中国向けにはタイトルが改められて『閃耀!優俊少女(簡体字表記:闪耀!优俊少女)』とされています。
ウマ娘という直接のキャラクター表現ではなく「優駿」を使うようにしていますね。
・キャラクターに関する通報への対応
これはどこから出たネタか分かりませんが「人間のレースゲーム」として申請されていたが実際に公開されたものが「耳や尻尾が付いた亜人女性のレースゲーム」であり問題があるとして通報されたという噂があります。これは現在もサービス自体は継続していますので眉唾なように思います。
以前にFGO(同じくBilibili配信)でキャラの表現が問題になった際に即刻イラストが差し替えるという事案がありました。ゲーム内の素材を一切変更していない事からキャラやビジュアル的な表現に関する問題とは考えにくいように思います。
参考:中国版「FGO」で規制拡大 キャラのイラストが新たに3人削除、ターミナル画面からも一部グラフィックが消える
また、中国では女性の扱いについてもデリケートであり、2021年にBilibili動画の「無職転生」で配信停止の対応が行われた記録もあります。
これも「技術上の問題」とされています。
このようなケースにおけるBilibliの説明は曖昧な事が多いようです。
・そもそもオープンベータ
8/30からの中国でのウマ娘の配信ですがパブリックベータ版(オープンベータ版)としてサービスを開始しています。
参考:『ウマ娘』中国にてパブリックベータ版が8月30日にリリース決定
現在も正式サービスとして改善が必要な個所の対応に取り組んでいる可能性もあり、前述のプライバシーポリシーを含めて十分に開始準備が整っていなかった事も考えられます。
その他、日中問題の政治的圧力といった陰謀論も見かけましたがサービス自体が継続されている事から信憑性は薄いと思われます。
具体的な理由は公表されないかもしれませんが、再開については公式サイトやweiboで告知されると思いますので、新しい情報が出てきたら更新します。
・売上機会損失への懸念(2023/9/27追記)
ウマ娘の中国版スマホアプリは現在もまだダウンロードが出来ないようですが、ここで注目すべきは今後のガチャのラインナップです。
当時、破格の性能であったキタサンブラックのサポートカードを含むこのガチャの登場により国内版ウマ娘は、セルラン1位に張り付きリリース初期の最大売上を叩き出したものと見られます。
10/3の更新までに問題が解決しなければ機会損失としては非常に大きなものになる可能性があります。引き続き注視しましょう。
まとめ
・ウマ娘はモバイル版アプリの新規DLは停止しているがサービスは継続中
・「技術的な問題」としているがBilibiliから詳しい説明はない
・サービス自体はオープンベータ状態のため復旧を急いでいない可能性がある
サービス継続しているとはいえ、現在は制限が掛かっている状況ですので、CAにとって悪材料である事は間違いありません。前四半期のゲーム事業の赤字から悪い流れが続いていますが、株価も低迷し悪材料が出尽くしているタイミングであるとも言えます。
一方で、国内版のハーフアニバーサリーもまずまずの成果が出ているようですので株価としては中国版サービス再開は転換のポイントになるかもしれません。合わせて注視頂くのが良いかと思います。
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