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ゼルダでも、リンクでもない『ゼルダの伝説』

文・canavis

気が付くとそこにいた

ここがどこなのかもわからない

普段の生活ではみなれない風景

買った覚えのない緑色の民族衣装
三角帽子

わざとらしいくらいに目立つ洞窟の入り口が怪しく手招いている、普段ならそんな場所に行くのは まっぴらごめんだが

自然と吸い寄せられてしまう

暗い暗い洞窟の中を進むと
2つの焚き火の間に、謎の老人と茶色い剣が

しかしこのジジイ、何故2つと焚き火の中心にいるのかしら?

煙たくならない?

「ヒトリデハ キケンジャ コレ ヲ サズケヨウ」

と御老体は唐突に語り始める

ボケているのだ

怪しげな洞窟にいる老人のことなど聴く耳をもたずに、今いる世界、おそらく島を調べることにした

地上を走り回る、おおきなタコのような生き物をを発見、近づくとこのタコ大体身体と同じくらいの岩を吐いてくる

あきらかな殺意を持ったタコ、わたしは追いかけまわされる

ジャイアンや野良犬に見つかった時のように全力疾走

結論から言うと、岩に当たり私は殺された

悲しい、瞼の裏には、今までの思い出が・・・・



気がつくとそこにいた

ここがどこなのかもわからない

普段の生活ではみなれない風景

買った覚えのない緑色の民族衣装
三角帽子

わざとらしいくらいに目立つ洞窟の入り口が怪しく手招いている

さっきまで見ていた風景とまるで同じ

洞窟の中に入らなければ

怪しげな老人の言うことを聞かなければ

何も始まらない、理由はわからないが、そんな気がしてくる



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これが1986年2月21日にディスクシステム版の第1弾ソフトとして発売された初代『ゼルダの伝説』の冒頭部分だ。


初代『ゼルダの伝説』は、2021年現在から見ると30年以上前になる、かなり昔の作品で、今のゲームなら語ってくれる背景を語ってくれないゲームだ。

パッケージやデモ画面で物語の背景は語られるが、ゲームプレイ中でストーリー、主人公の名前などは、ほぼほぼ語られない。

私が遊んだのはファミコン実機ではなくNintendo Switchでプレイできるバージョンのもので、パッケージや説明書を確認せずに遊んでいる。

『ゼルダの伝説』シリーズのうち自分がやってない作品もあるが、自分が今まで遊んだ作品のなかでも初代はプレイヤーが主人公リンクと同化する儀式が存在しない作品だと思う。

儀式というのは、例えば1991年11月21日にスーパーファミコンで発売されたシリーズ3作目『ゼルダの伝説 神々トライフォース』なら、夜更けにでかける父親の後を追いかけゼルダ姫を地下牢から助けるシーンがある。

これはプレイヤーが感情移入ができるまでの時間だと言い換えることができる。

説明書などを読まないかぎり、主人公は何故冒険しているかわからないまま、この世界がなんなのかよくわからないまま旅をする。

背景を描くところが排除され、ストイックである。

こいつらが一体なにをしてるのか?
よくわからない旅を長い時間しているおもしろさがある。

game gameのゼルダの伝説に関する放送ではそのおもしろさを掘り下げた放送を行ったのでぜひ視聴してくれたら幸いだ。

初代ゼルダの伝説はニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ

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