流行ってる感を出すための考察
今コロナが、世界的に流行っている。
ちょっと暇な今、"流行"に関する考察をしようと思う。
2016年ポケモンGOが流行っていたが、どうすれば流行りが起こるのか?
コロナと他のウィルスの違いは何なのか?
そんなところから、興味が出てくる。
①流行っているの定義の話(目標定義)
②流行らせるための手段の話(施策定義)
流行ってるとはどういう状況?
まずは、目標となるあるべき姿を正しく捉えないと、現状の課題も捉えられないので、理想の姿を明確化する。
そもそも流行っているとはどういう状態なのだろうか?
定義によると、流行とは
流行とは、ある「もの」やある「こと」が、世間(地域社会、特定の年齢層、国全体、世界など)にいきわたることです。
そこには、
①放送、宣伝、広告といったメディアの役割
②口コミによる情報共有、他人との物理的接触、周囲の様子の観察など、「生身の人間」どうしの直接の関係が介在しています。
ということらしい。
世間的に流行とは、(1)特定の集団における流行があり、(2)その集団の規模が大きいことが、先のコロナやポケモンGO等のような世間で流行している状態と呼ぶのだろう。
確かに、オタク層の中で、流行りのアニメがあったりするが、それが世間的に流行したかと言われると微妙なことも多くあるだろう。
10代女性の間で流行っているモノ
ファッション好きの間で流行っているモノ
アニメオタクの間で流行っているモノ
マイブームという言葉が存在するように、流行というのは、個人ベース、特定集団ベース、日本ベース、世界ベースなどで段階があるような感じだ。
一般的には、(1)マイブームを流行と意識し総称することはないが、(2)特定集団ベース(3)日本ベースくらいの流行を混同していることはあるだろう。(4)世界的なブームに対しては、iPhone,ポケモンGO,Nintendo Switchなどが当たるだろうか。
「流行起こしたい」と考えたときに、一体どれくらいの規模感を思っているのか?世界的ブーム?日本的ブーム?ゲーム業界・ゲーム好きの間でブーム?という規模感が曖昧なことが多い。
実際、特定集団で流行していると日本で流行している。
という定義の違いは非常に曖昧である。
何をすれば特定の集団で流行っている状態から、世間で流行っているという認識になるのだろうか?
【疑問①】それを嗜んでいる人の数がn万人を超えたら世間で流行っていると言えるようなKPI化できないだろうか?
数百万人が利用する家庭用ゲームはブームと呼べるが、
数千万人が利用しないとモバイルではブームとは呼べなさそうだ。
まずブームかどうかを呼ぶ数値は、業界で左右されるだろう。
問題A:利用者が多く売上が高くても流行っているとは言えない
A-(1)流行ってるかどうかの価値基準は相対的なモノである
実際問題、DAU100万人を超え、月の売り上げも30億超えるような超ヒットタイトルアプリが蠢いているが、世間で流行っているという認識は薄いというとんでもない状態にある。
これらのタイトルはいわゆる業界では”大ヒット“には定義できるだろう。
しかし”世間流行している“とは言えない。
FGOやプロスピAなどもおそらくDAUベースでいえば100万超えてるだろうが、
果たして、流行している感はあるだろうか?
おそらくこれらはFGOファンや野球属性の中では流行っていると言えるし大ヒットしているコンテンツといえるだろう。
その特定集団のマーケットがそもそも巨大な場合。
流行等は言い難い。
ある業界では、利用者数100万人という数値はすごいモノだが、
ある業界では、少ない数値にもなる。
A-(2) 定番化した商品は利用者数が多くとも流行とは呼べない
当たり前だが、「おにぎりが流行ってる」という人はいない。
つまり流行っている状態というのは、手前の段かいで利用者数が少ない状態を言う。
つまり流行とは、特定の固定数を示すのではなく、小→多の数値の変化率を示している。
上の図で言うと、黎明期というのは、マイブームであったり、原宿の一部で盛り上がり出したタピオカ状態のこと。
この黎明期と流行期の境目を特定できないだろうか。
おそらく、世の中の大半が、黎明期で終わっているものが大半だろう。
A-(3) 一度流行したモノは再度ブームを起こすことがある。
おにぎりとタピオカだとわかりにくいかもしれないので、キッズ向けのゲームで例えるとこんな感じだろうか。
衰退・定番したの違いはあれどもポケモンも、妖怪ウォッチは、流行したといえるだろう。
この衰退期というのはイノベーター理論でいうとこのキャズム状態といってもいいだろう。一部マニア・流行の先端者の間で終わっている状態である。
であるならば、流行とは、アーリーマジョリティに浸透することを流行と呼べるのではないか?
流行の定義:
特定の業界における商品がアーリーマジョリティに伝搬すること
と定義した場合、
アーリーマジョリティの比率とアーリーアダプターまでの比率は
16:34=1:2.42
レイトマジョリティを含める場合
16:68=1:4.85
およそある程度、業界内でヒットしている数値の
2.42倍〜4.85倍
売れればそれは、普段手を出さない人も触れる流行している状態と呼べるのではなかろうか。
普段は100万人規模のDAUアプリがトップでだとすれば、
250万〜500万人利用
100万本売れれば、
流行の伝搬手段は2パターン。
マスメディアきっかけと口コミきっかけの2種類がある。
マスメディアと口コミの両方で話題になると世間で流行
軸①マスメディアベースの流行。口コミベースの流行。
で表せそうだ。
①口コミきっかけの例
タピオカが原宿で流行る(若い人たちの間で流行る)→TVで取り上げられる。
→地元のイオンなどでタピオカ店を見かける。
おじさんタピオカが世間で流行っていると認知する。
②マスメディアきっかけの例
逃げるは恥だが役に立つ放送→踊りがSNSベースで流行る→
おじさん逃げはじ世間で流行っていると認知する。
ポケモンGOの例で言えば、SNS上で流行り、その物珍しい様子をマスメディアが取り上げる。
妖怪ウォッチで言えば、アニメでキッズ達に流行、踊りがマスメディアで取り上げられる。など
といえばわかるだろうか。
流行を感じるかどうかは、本人が利用しているかどうかは関係ない。
もっと細かい工程はあるが、ざっくりした流れはこうだろうか。
世間で流行っているという言葉にはどこか、ある程度の人ごと感があるわけだがその人ごと感はメディアが取り上げているかどうか。
熱狂している本人達以外の客観的なメディアが流行っていると言えば
あるいは熱狂しているメディア以外の客が話題にしている
状態になれば、それは流行っていると定義できるのではないだろうか。
ここに、大ヒットしているといわれ、売り上げの高いアプリと流行しているアプリの違いがあるのではないか?
「流行ってる感」とは?
人間の性質として、
2つ以上の事柄に対して、共通点を、見つけると発見して法則性を見いだす。
という性質がある。
例:大雑把なことが多いということを、別人のO型の誰か2人に感じたたら、「O型の人は大雑把に違いない」と感じてしまう。
色々な場所で、見かけると流行っいるように感じてしまう正体=流行ってる感はこの誤認によるではなかろうか。
流行らせるための手段の話
■いいものを作れば売れる≒流行るという誤解
やって面白いだけ見ててもダメ
「内容が面白いこと」はびっくりするほど「売る人」「買う人」にとってまったく評価軸にならない。
「面白そう」であることが重要で、それは「面白い」とは全く別次元。
やって面白いは当たり前。見て面白そう、聞いて面白そうの段階を意識した作りにすることが、流行らせるための第一歩。
◼️手間が掛かるものは流行りにくい
逆に言えば、手間がかからず、参加しやすいものは流行りやすいといえるだろう。
顧客満足度を上げても、口コミは起こらない。
ありがちなのが、いいものを作れば口コミは起きるというもの。
むしろ期待が低い時に、高い方が口コミは起きる。
ラーメンの一蘭が流行ったのは味だけではない。味だけではあんなにチェーン展開できなかった。
ディズニーのアトラクション単品ではそこまで驚きはない。お掃除の人が踊り出すところに感激がある。
客側は売るほど売るほど品質の理解はできない。客は自分が判断できるところで、他との違いを見出す。
【アクション】
お客様が期待していないところに、劇的な体験をさせる。
お客様が期待してないところはどこか?を探すべし。
■「実際に流行っていること」と「流行ってる感」は異なる
実際流行ってるかどうかなんていうのは、人の主観でしかない。
皆さんは一体どういう時にこれ流行ってるなと感じるだろうか?
「Twitterのフォロワーの皆が話題にしている」「ランチで一緒になった人がやってるといった」ということが何度か起こった時に「これ流行ってるな」と感じるのではないだろうか?
事例1 あなたの知り合いだけの間で流行ってると感じる誤解
ただ、これ、世間で流行ってるわけではなくあなたの行動範囲の中のみんなはやってるというだけの可能性がある。例えばあるアニメがゲーム制作をするあなたのTwitter周りや同僚が見たといったとする。だが、それは世の中のスポーツ大好きな営業マンや、スイーツ大好き女子大生の間では1mmも話題になっていない。
小学生がお母さんにいう「みんなやってるよ」と同じだ。
事例2 お客さんが多ければ流行ってると感じる誤解
あるいは、あるラーメン店の前でもの行列を見たときに「この店流行ってるな」とかだろうか?
だが、このラーメン屋さんの回転率が異常に遅いだけの場合がある。
例えば、
高級店で1杯1000円する牛丼屋さんがある。休日はいつも行列だ。
このお店はシェフ1名で切り盛りしており、すこぶる回転率が悪い。そして店内もそこまで大きくなく、1度に店内に入れる人の数も限られる。よって外で並ぶ人が多い。
一方で、吉野家はものすごいオペレーションでいつでも席は空いている。
1日における(1時間でも)、集客数は圧倒的に吉野家の方が上だ。
客の数だけでいえば圧倒的に吉野家の方が流行っていると言えるにもかかわらず私は吉野家が流行ってるとは思わず、その高級牛丼屋さんの方が「流行っている」と感じる。
流行ってると感じるかどうかは客の数には紐づかないのだ。
ちなみに、古くからある京都の呉服店ではあえて、ゆったりと、包装したりすることで店内の客数をコントロールしているらしい。
そうやって店が繁盛してるように見せるというのは、古くからあるテクニックらしい。
事例3 行列は、本当にその商品が好きな人が並んでいるという誤解
高級牛丼の例は、その「牛丼を並んでも食べてみたい」という人が並んだ結果なので、実際にその行列は本当にその商品のことが好きだから並んでいるのか?は別問題である。
例えば、
数年前から若者に人気ブランドは、新商品が発売される毎週のように行列ができる。だが、そのうちの8割は転売屋だ。一時は、ストリートウェアを羽織った若者に、浮浪者と中国人と高校生と主婦が行列を8割を占めるカオスな状態になっていた。
このように行列はその商品に熱狂して並んでいるのではなく、別の目的で並んでいる場合がある。
事例4 色んな場所で広告を見ると流行ってるいう誤解
複数の箇所で集中敵に露出する。
世の中の広告は、交通広告にしてもテレビCMにしても、もちろん広告主がお金を出すから多くの人の目に触れるわけだが、情報を受け取る側は色々な場所で見ると「流行ってるんだな」と感じるもの。お金を払った上での有料広告と知りつつ、流行ってるからお金を出して露出できるんだろうと大衆は感じてくれる。その場合は、裏側で儲かっていようが儲かってなかろうと関係がない。
プロレス復権のため、2012年にブシロードの木谷が投入した広告宣伝費は約3億円である。そのほとんどは夏のG1に使われていた
イノベーター理論と流行
世間的に流行ってる言えるのは、マジョリティに浸透した時。
アーリーアダプターより手前と、アーリーマジョリティ以降の間には大きな溝がある。
それは自己判断できるかと、自分ではなく他人の意見に左右されるということ。
イノベーター、アーリーアダプター・・・自分で
調査し、自己判断できるタイプ
アーリーマジョリティ・・・流行の先端、有名人がやってるとやる
レイトマジョリティ・・・みんなやってると感じるとやる
ラガード・・・・社会的に必須にならない限りやらない
即ち、アーリーアダプターと、アーリーマジョリティ層をつなげること。
流行にも段階があり、
アーリーアダプターの中で流行ってる場合と巷で流行ってる場合がある。
原宿でタピオカが「流行る」(アーリーアダプター)
↓
高校生、大学生の間で感度の高い人の中でタピオカが「流行る」
お洒落な街を中心に店ができてる状態
(アーリーマジョリティ)
↓
流行に鈍感な、高校生や大学生の中でタピオカが「流行る」「レイトマジョリティ」
イオンなど、ファミリー層が行きそうな場所にも店ができてる状態
流行を語る上で重要な2つの心理学
さきの、イノベーター理論と組み合わせると
イノベーターやアダプターは、周りでだれも持ってないから欲しくなり、みんなもつと欲しくなくなる「スノップ効果」が働いており、
マジョリティはみんながもつと欲しくなる「バンドワゴン効果」が働いている。
という感じだ。
200万人という臨界点
二〇〇万人という数字は、いまの日本社会で「一過性のヒット商品」か「新たなマーケットにつながる商品」かを分ける明確な基準であり、そこからさらに永続的な社会的ムーブメントにつながるための臨界点。
敢えて回転率を下げることで行列を作る**
需要と供給に対して、供給量を絞る。
多くの店は、需要以上に供給しようとする。
■口コミしやすいジャンルがある
誰とでも会話できる内容か?
複数で利用できるか?
①もっと楽しい話題にする。
美容外科→脱毛・エステ
葬式→終食としての葬式勉強会
②ターゲットを搾る。タイミングを絞る。
特定のゾーン
もっと気軽なものにする。
広まりやすいアイデアには下記の性質がある
①ひと言でいえる=シンプル
②伝えた相手が何らかの得をする(賞賛を得られる、尊敬される、モテるなど)
③つい伝えたくなる面白さ(JOY+WOW+LOVE+FUN)が含まれている
■全員に口コミさせようとしない**
お客全員に同じぐらいの労力をかけるのではなく、紹介しやすい傾向がある、影響力のある少人数に、社内リソースを注ぐ。
口コミが伝染していくためには、伝染力のある人が必要である。それは一人ひとりのお客が、少人数を紹介していくパターンではなく、一部の強力な紹介マンが、大量の人に向かって情報を発信するというパターン
中核となる紹介マンリストを作る。
紹介する人を増やすのではなく、紹介する性質の人が、紹介しやすい仕組みを作った方が効果高い。
男性と女性であれば、女性の方が口コミしやすい。
大学生と中年男性では、大学生の方が口コミしやすい。
外交的な人と内向的な人では、外交的な人の方が口コミしやすいなど、層によって、口コミ発生のしやすさに違いがある。
広まりやすさは、使うのに、ハードルが低いこと。
言葉の流行の強みは「お金がかからないこと」。いったん共感を呼んだ言葉は一瞬で世間に広まるからだ。
一方で、言葉の流行は長くは持続しない。
例1 物(商品)は金持ちから流行らせる(藤田田)
また、物(商品)の普及は、金持ちから順に流行ってゆくと言われています。
金持ちが持っているものは憧れの対象となり、所得順で言う下にいる一般の人へも順に広まっていくという理論です。
例2 ブームというのは、この「勝手に独自の意見を言い出す人」が増えたときに生まれるものなのです。(みらうじゅん)
そういう意味で、あらかじめ「ゆるキャラとはこういうものです」という理論づけはしないほうがいいのです。人に誤解されたり、我がもののように言いたくなるような「余白」を残しておかなくてはなりません。
ゆるキャラグランプリはみうらじゅん本人が開催したものではなく、知らないところで別の人が勝手に初めたもの。
こうなったとき、マイブームから本当のブームとなったと言える。
例3 人が少ないとき、流行るかもと感じるのは、採用者の信頼
すごい売れっ子のファッションデザイナー、例えばトム・フォードやマーク・ジェイコブスが、片方にスニーカー、片方に革靴を履いて歩いていても誰も「それ、おかしいですよ」と言わないですよね。「今度はこういうのが流行るのかな」と見た人は思いますよ。けれど、普通の人がそういう格好をしていたら「おかしいですよ」と言われる。それは思い込みの差なんです。
例4 ティーンの流行に重要な3つの要素
アダプターとマジョリティを繋ぐ=キャズムを超えることが流行を生み出すのに重要な要素であるが、それはどういう層の間で流行るモノ・コトかによってアプローチは変わる。
“カリスマ”が存在し、彼らをまねすることがティーンの楽しみだった時代から、カリスマが存在せず、一人一人が個性を発揮することが求められる時代になった
「リアリティ」
「アレンジの余白」
「皆で楽しめる」周りの人に“簡単に教える”ことができて“一緒に楽しめる”
https://dentsu-ho.com/articles/6113
流行には、マスメディア先行型と発見先行型がある。
トップダウン型とボトムアップ型とも言われる。
■口コミの伝染プロセスを構築するために重要なことは、口コミが起こる、その一瞬を、詳細に描写することである。
その結果、一体、「誰が」、「どの商品を」、「どこで」、「どんなきっかけで」、「どのように」、しゃべっているかをがわかる。
①伝染させる人 は誰か?
上記のティーンエンサーのように、口コミを起こすきっかけになる人がいる。
1.過去に紹介をしてくれた人
2.紹介されて、お客になった人
3.オピニオンリーダー
②話題になる商品は何か?
あなたの会社のどんな商品をまず買うか?
口コミをする人は優れたプレゼンターでもなければ、優れた営業マンでもない。ただの一般人である。説明が難しい商品は話題にしにくい。
だから商品セールスポイントは絞り込む。
③話される場所はどこか?
ユーザーはどんな場所で、あなたの商品を話題にするか?
④話題となるきっかけは何か?
話題になるとき、どんなきっかけで話題になるか?
それなんてゲーム?となるのはどんなとき?
⑤伝えられるメッセージは何か?
インフルエンサーはどうやって、自分の商品を紹介してくれるか?
10から20秒くらいで説明できると、人は忘れる。
⑥記憶に粘りつくツール
例えば、携帯可能なサンプル、財布にしまえるカードなど、
紹介してくれる人が紹介しやすいツールを渡す
何もなしでお客様に口コミしてもらおうというのは、自分の会社の営業の人に「なんでもいいから売ってこい」と言ってるようなものである。
普通は営業マンに商品カタログを持たせるなり、サンプルを持たせたりするだろう。それと同じ。しかも紹介する人は営業マンではなく素人だ。
小学生でも紹介できるくらいがベストだ。
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