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パンフ作ってもらうためにもみんなで見よう!「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(4/6追記)

ゲームは初期のD&Dを数回プレイした程度、アーケードゲームもちょっと触れただけでしたが、テーブルトークRPGへの憧れは子供の頃から強く、よく買ったルーフブックやリプレイ集を読みながら、まだ見ぬ冒険へ思いを馳せていたものです。

さて、本作はそんなD&Dの背景世界の一つ、フォーゴトン・レルムを舞台に、妻の死から盗賊に身を窶した主人公エドガンと相棒のホルガが、娘と妻を生き返させられる石板を奪い返すため、難攻不落の城と宝物庫攻略のために仲間を集めて旅する物語となっていました。

映画D&Dの良さは無数にあるのですが、筆頭はやはりクリス・パイン演じる主人公エドガンの造形が素晴らしいことです。クラス的にはヒューマンのシーフになるのかな?鍵開け等を行うシーンはなく、むしろリュートで歌ってるシーンが多いので、吟遊詩人?と思ったり(そんなクラスあるのか知りませんが)。自分の欲を優先したばかりに、家族も何もかも失い、牢獄に収監される身でありながら、普段はとても軽く、そして意外ときちんと作戦を考える参謀的ポジション。ほとんど戦わないので、話術の成功判定で道を切り開いているのかなあ、とか思ったり(昔プレイしていたD&Dではそういうステータスはなかった気がするのであくまで想像です)。
常に軽口叩いているけど、大事な時には真剣に相手のことを思って語ることもあり、クリス・パインの最高な表情もあり、作品の軽すぎず重すぎない雰囲気作りに貢献していたと思います。

そしてミシェル・ロドリゲス演じるホルガの頼もしいこと。女性戦士として説得力のある肉体美に、本編で一番激しく闘うアクションの見事さ。斧の手入れに気を遣う繊細さもあって、ファイターオの中のファイターでした。エドガンとの恋愛関係を感じさせないバディ感、ファミリー感もとても良かったです。

その他の仲間たちも、本当に適材適所かつ、それぞれ悩みを抱えていて、実にロールプレイング的でありながら、パーティがファミリーになっていく物語に欠かせないキャラクターたちでした。

登場する多彩なモンスターや、飛び交う魔法の表現も的確で。そしてタイトル通りダンジョン攻略あり、ドラゴンたちとの戦いありの展開は、ファンタジー系作品好きならば満足すること間違いなしです。特にダンジョン内でのデブドラゴンとの死闘は、その解決方法も含め、実にTRPG的でニヤニヤしてしまいました。

ストーリー自体はかなり予想通り、期待通りではあるのですが、演出が丁寧なこともあり、きちんとグッときて、きちんと泣ける作りになっていました。悪いやつ、いいやつがコロコロ変わることもないので、かなりファミリー向けの作品だとも言えます。
特にクライマックスでエドガンが「しょうがねえなあ!」と船を引き返しつつ立ち向かうシーンは、よ、待ってました!と拍手を送りたくなる熱い展開でした。

欠点は、吹替版推しなのか、地方だと字幕版を見るという選択肢が無かったことくらいです。武内駿輔はじめこちらもしっかりハマった配役でしたので、不満はないのですが、基本字幕派なので、選ばせてくれると嬉しかったですね。
あとはタイトルにも書きました通り、パンフレットがないことです。
元がベストセラーゲームなので、ゲームの概要や、今回の舞台であった背景世界、各種族、クラスの解説など、知りたい情報はいくらでもあるのですが、それを解説してくれる資料が映画館で買えない悲しさよ。それ以外でもグッズがモンスターのフィギュアくらいしか置いてなく、公開初週としては寂しい限りでした。
ですので、本作は大ヒット、とまでは言いませんが、中ヒットくらいはしてもらって、パンフレットくらいは緊急作成が決定してほしいものだと願っています。

【追記】
公式Twitterでプロダクションノートが掲載されています。

こりゃパンフ販売は厳しそうですが、その分無料でパンフに必ず載るプロダクションノートが読めます。また、note内の有識者が豊富な知識でD&Dについて解説してくれてますので、それで結構満足できるかも。

さらにキャスト・スタッフ紹介も追加されました。公式の対応に感謝。今からパンフ製作してくれても買いますよ~。


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