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洋画好きも楽しめるよ「スプリガン シーズン1」(Netflix配信作品)

自分が思っている以上に、楽しみにしていたみたいです、Netflixアニメのスプリガン。
1話45分×6話、土日で全部見てしまいました。
エピソードは原作の1話でもある炎蛇から、原作だと少し先のエピソードである忘却王国まで。
ジャンや染井芳乃といった任期レギュラーキャラを紹介しつつ、優が通う高校の同級生が巻き込まれるエピソードである仮面伝説の章は外している辺り、まずは世界各国で活躍するスプリガンの紹介エピソードで、派手な見せ場が多いものを中心に選んできた印象を受けました。

原作既読ですが、単行本は実家においてきたので、細かい部分は忘れていますが、それでもアニメを見始めると、そうそうこういう話だったと思い出せるエピソードの数々。今回のアニメ化では舞台を今に移している関係で、主人公達はスマホで連絡を取り合ったり、モニターもスマートになりましたが、本筋は原作準拠。上手いことアップデートしたなあ、と感じました。
また、水晶髑髏編では敵がネオナチだったのですが、その辺は匂わす程度にして、ハーケンクロイツも消されて、「総統」のクローンも出てこない辺り、海外向けの配慮もありそうでした。

ストーリーは、超古代文明の遺物を巡って、それを利用したいアメリカやロシアの兵士たちと、遺物を保護、封印したい主人公達が所属するアーカムとの戦いを描くアクションアドベンチャー。
古代遺跡での探索、冒険はインディ・ジョーンズを彷彿とさせますし、パワードスーツを着た主人公御神苗優を始め、獣人化するジャンや気功を操る朧など、超人的な能力を持つスプリガン(S級エージェント)達が協力してミッションに挑む様は、今だとアベンジャーズ的にも見えてきます。
元々原作陣がそういう映画が大好きだったことが伝わる作品ですので、アニメになってよりハリウッド大作好きの琴線に触れることかと思います。
個人的には6話に出てきたガーディアンが、レイ・ハリーハウゼンの特撮に出てきた陰母神カーリーそのままで笑ってしまいました。

脚本・シリーズ構成は瀬古浩司さん。この方進撃の巨人や呪術廻戦、今だとサマータイムレンダの脚本も手掛けており、大ヒットアニメに欠かせない人材になっている印象です。音楽は岩崎太整さん。血界戦線や最近だと竜とそばかすの姫の音楽にも携わっており、今回も良いサウンド作ってくれてます。最近通勤の音楽にヘビーローテションさせてもらってます。
そして監督は小林寛さん。次のTV版ガンダムである水星の魔女も監督されるようで。今回は原作の持ち味を活かしつつ、さり気なく現代にアップデートしていてとても完成度の高い作品に仕上げてくれたと思います。

個人的に思い入れが出てしまうのが2話「ノアの方舟」編。こちらは1998年に大友克洋氏総監修の元劇場版として公開もされましたが、単独作という事もあり、ジャンの獣人化や、御神苗のAMスーツの設定がオミットされ、原作ファンとしては残念な出来となりました。アクション作画等見所も多く、原作未読ならもっと楽しめたのでは……と思えただけに、今回のアニメ化で原作再現をしてくれて、本当に溜飲が下がる思いでした。

それ以外のエピソードも基本的に1話完結ですので、どこから見ても楽しめますが、「アーカムが善とは限らない」や、染井芳乃が登場するエピソードが2つあるので、順番に見ていくのがおすすめかと思います。

6話のポストクレジットでは、今後の展開に絡むキャラクターの顔見せもありかつ、前述の劇場版を見ていた人にはニヤリとさせられる配役でしたので、今回の配信がヒットしてくれて、完結までアニメ化してくれることを願っています。

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