雀荘経営時代の話part3

見えないストレスや、いつしか下がってくるモチベーション。

自分一人で店をする売上の限界。

家に帰らずに働き続ける日常。

段々雲行きは怪しくなっていき、そして体に異変が訪れる。



毎日不摂生と、昼夜逆転した生活。

営業中もお客さんとお酒を飲みながらやってたし、
食事は主にコンビニか出前。

自分が寝てるのか起きてるのか分からなく
なっていった。

そんなある日トイレに行き、流そうとしたら
真っ赤に染まった便器がそこにあった。

一瞬意味が分からなかった。

これは自分のおしっこなのか、それとも
前の使用者が流し忘れたのか・・・



『いや、俺のやん・・・』


最近ずっとお腹が痛いとは思っていた。
思っていたが、とうとう体が壊れた。


だが、なぜか血尿が出るまで頑張っている自分を
褒めてしまった。


元々、かなりの偏頭痛を持っているので
頭痛以外の痛みにはかなり鈍感になっていたし、

今まで血尿なんて出た事がなかったので
これで『一人前』になったくらいに思ってしまっていた。


しかしここからは早かった。

今度は血便まで出てきて、お腹が痛いのが
デフォルトになってしまっていた。

それでも休むと売り上げが無くなるし、
生活が出来なくなってしまうので休めない。

もちろん仕事のプレッシャーも常にあるので
酒とタバコも増えていく一方だった。

お腹の痛みは日に日に増していったが、
気合と根性があれば倒れる事は無いと思っていた。


そして

何を思ったのか、CoCo壱の激辛カレー400gを
食べた日の夜だった・・・

その日はお客さんが来なかったので、0時に店を閉めて
久しぶりに家に帰った。



夜中の2時ごろに目が覚めた。
凄まじい吐き気と腹痛と眩暈・・・

大量の汗と震える足でトイレに向かうが
もうそこから動けないし声も出せない。

マンガのように目の前が近くなったり
遠くなったりして、床に倒れてしまった。

その音で妻が目を覚まし、トイレまで来てくれた。



    『救急車呼んでくれ・・・』


今までの人生で救急車を呼んだことは一回もなかったが、
この時は一瞬の迷いも無く、妻に頼んだ。

本当にこのまま死ぬと思った。


救急車が来てから、担架で運ばれて病院に搬送された。

病院について、とりあえず入院する事が決まり
次の日に検査する事になった。

病院に着いた安心感からか、この日はすぐに寝れて
次の日は色々と検査した。

中でも胃カメラを初めて飲んだのだが
本当にキツかった。

バリウムを飲むときも、

喉が『これは飲み物じゃない!!』と言っているのが
よく分かるくらいやばかった。


そして結果が出たので先生の所に・・・


『胃潰瘍と十二指腸潰瘍とあと色々炎症起こしてるね。
 見て、これ全部血が固まってるやつ。
 ここまで放置する人初めて見たよ。
 これは痛かっただろう、2週間は入院ね。』


やっぱそうなるよなー・・・
店どうしようかなー・・・
無理矢理退院しようかなー・・・




色々考えたが、今回のことで分かった事がある。


    『人は無理すると倒れる』


簡単な話だ。
でもこれを知らない自営業の人は結構いるんじゃ無いかな。

休まずに働くのは当たり前だから、倒れるまで
気づかない。

と言うより気付けない。

倒れるまでの1年間ほぼ休み無しで働いていたから
本当に大丈夫だと思っていた。

でも倒れた。
だから諦めて2週間入院する事にした。



でも入院して3日目にケータイが鳴った。

家賃と消費者金融の4社から督促の電話だった。

ああ、月末らへんに倒れて返済日を跨いでしまったからか・・・


僕が倒れても返済日は変わらずにやって来る。
入院してるから払えないとか言い訳は通用しない。



そして諦めて決断する。

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