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宮本恒靖監督、解任論はまだ早いと思う3つの理由

大阪ダービーに引き分け、我らがガンバ大阪は18位に後退しました。

試合数が最多で5試合少ないとはいえ、降格圏に沈み、魅力的なサッカーが展開されていない中で、非常にストレスはたまります。

ただ、僕の意見としてこのタイミングでの宮本監督解任は、得策ではないと考えます。

その理由を、ここでは整理してみます。

こちらはスポーツ報知の記事ですが、いまの問題点がわかりやすくまとめられていました。

「今年はボールを保持し、チームとして組織的にボールを運ぶ攻撃をキャンプから目指してきた。しかし新型コロナの集団感染による中断後は、連戦とコンディション不良の中で、現実的な策として、重心を下げた堅守とロングボールに頼る昨季までの攻撃が増加。選手間の意図もかみ合わず、得点力不足に陥った。この試合に向けた9日間の準備期間では、キャンプから取り組んできた攻撃時のポジショニングなどを再確認して臨んだが、狙いが発揮できたシーンは少なかった」

今季、チームは昨季の守備重視サッカーから、攻撃的なスタイルへの転換を図っています。

しかしコロナの影響で、再開後の数試合は、まるで去年のよくない時期のようなサッカーになりました。東口と昌子のスーパープレーでなんとか失点は減らしてきましたが、ハイプレスも少なく、やはりチームとしての形はみえてきませんでした。

しかしダービーでは、今年キャンプから目指した形を出そうという確かな意思がみえました。


アンカーの山本は、相手2トップの奥で受ける

相手のボランチが山本に食いつけば、インサイドハーフ。または両ウイングが敵ボランチの斜め後ろ、敵CBとサイドバックの中間点、ハーフスペースで受ける。

そこからは相手の出方次第。サイドバックがしぼってくれば、サイドをつく。CBが出れば、誰ががそのスペースを狙う。

こういった繰り返しで、前進していく。

前半はいくつか、この手のプレーが出ていたと思います。

でも矢島選手がいうように、いきなりはできないんです。

開幕からすでに3ヶ月以上が経過しましたけど、まだこのチームは実質、開幕の神戸戦とダービー、2試合しか目指すスタイルで戦えていないのです。

これが理由の一つ目です。

2つ目は、少しネガティブにはなりますが、過去の経験則を活かさなければならない、という点です。

J2に降格した2012年、セホーンを切って松波正信が監督を務めましたが、結果は出ませんでした。

他クラブをみていても、シーズン途中の監督解任には準備と覚悟が必要です。

ガンバは山口智コーチの退団により、現コーチ陣に監督を務められそうな人材はいません。

宮原コーチなど、宮本監督が招聘した人材しかいないからです。

ユースの森下監督は候補でしょうが、ジュビロやザスパでの結果をみると、やはりトップチームの指揮は難しく、育成手腕に長けた人材だという評価が妥当だと思います。

ではまた松波強化部長や、神戸などで監督経験のある和田昌浩取締役を担ぎ出しますか?

それには意味はないし、リスクの方が大きいと思います。

外部招聘のリスクと、内部昇格人材の不足。これが二つ目の理由です。


3つ目の理由は、監督を変えてチームをどうしたいか、という点です。

多くのサポーターは、ガンバに攻撃的なサッカーを取り戻してもらいたいと願っています。

この考えは、クラブも同じでしょう。

そうなると「他チームで攻撃的なスタイルのチームをつくった監督」というのが、次期候補になるはずです。

近年日本での実績をみれば

風間八宏、ミシャ、リカルドロドリゲス、片野坂、現新潟のアルベルト、あたりでしょうか。

この中でフリーは風間氏ですが、現在セレッソで育成の仕事に従事しており、さらに技術に特化する彼のスタイルを、シーズン途中に植え付けるというのは現実的ではありません。

となると、やはりシーズン終了に向けて、彼らの動向を探った上で、シーズンオフに監督交代というのが理想ではないでしょうか。

とはいえ、いよいよ残留がヤバイ、となれば解任ブーストを使う必要もあると思います。その時は、男・森下仁志の出番でしょう。チームを鼓舞し、ケツを叩いて、なりふり構わず残留させる役目は、彼に託すしかないかと思います。

宮本解任が早いと思う理由を整理します

1.コロナで今季目指すサッカーに取り組む時間が削がれたことを考慮し、昨季2位と結果を出した指揮官にはまだチャレンジの時間を与えるべき

2.後任の不在。外部招聘のリスクは高く、内部にはかつての宮本監督のように長期をみて託せる人材がいない

3.次期監督の方向性。攻撃的な、という点を考えると、やはりかなりの調査とタイミングが必要。個人的には、大分の片野坂氏が今季で退任すれば、ぜひ招聘してほしいと思います。

宮本監督の本質を知る上で、少しヒントになる2020年の振り返りです。ここでおすすめしておきます。


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