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宮本恒靖電撃解任!あなたと過ごした3年半は、苦しく、楽しかった。
【前書き】
5月14日、衝撃のニュースが飛び込んできました。
宮本恒靖監督、解任。
スマホの画面に恒さんの端正な顔と、「解任」の文字がセットで浮かび、思わず固まってしまいました。
いつかくるのではないか、と感じつつ、その一報を見たくなかったような、しかしどこかで待っていたような・・・
複雑な心境です。
前回のnoteで書きましたが、敗れた広島戦後のインタビューの様子には、まさに追い詰められた人間の苦悩がにじんでいました。
崖っぷちからの生還を期待しましたが、クラブは意外にも早く決断しました。
今は、宮本監督には心から、お疲れ様でした、ありがとうございます、と言いたいです。
【残した功績】
長谷川監督からクルピ監督にバトンがわたり、チームが壊れた2018年。宮本監督はU―23監督から昇格し、トップチームの監督に。
あのツネさんが、5番を背負い、2005年の優勝に貢献したクレバーなDFが、どんなチームをつくってチームを立て直してくれるのか。楽しみな反面、2012年のような降格にもおびえました。
しかし宮本監督は、残留という最大のミッションを成し遂げ、去年は2位に導いています。
2018年は9位
2019年は7位
2020年は2位。
少し内容を振り返ってみますね。
【2018年】
2018年の基本布陣がこちら。クルピが開幕戦でいきなり福田をボランチに抜擢するなど、長谷川体制からの変化がもたらされていたチームを、宮本監督は現実的なサッカーで立て直しました。
6試合連続ゴールも決めたウィジョと、アデの爆速2トップを生かした速攻と、夏に獲得した小野瀬のフィットで攻撃陣は縦へのスピードがアップ。さらにシーズン途中にけがから復帰した今野が調子を上げてきたことで、遠藤との鉄板コンビによるゲームコントロールも取り戻したチームは、終盤に怒涛の9連勝も達成。残留は達成し、9位まで浮上してシーズンを終えました。
【2019年】
18年の勢いを継続するかと思いきや、序盤は低迷。
序盤はMF高を重用するなど、若手への切り替えを進めようとしたが、思うように勝ち点を伸ばせませんでした。
7戦勝ちなしが続く中、5月には3バックへと舵を切り、後ろの硬い守備は復活。
夏にはエースのウィジョ、若手有望株の食野、中村敬斗が海外へ移籍。出場機会が減っていた今野、オジェソク、米倉の3冠戦士も移籍するなど大激動も迎えました。このころは悲しくて仕方ありませんでしたが、今思えば、必要な痛みだったのかな、とも思います。
チームは夏に復帰した宇佐美、井手口らが中心を担い、運動量が求められる3枚の中盤で、出場機会を減らしていた遠藤が、終盤は再びポジションを奪い返して7位でフィニッシュ。
世代交代が進み、7位と翌年への期待を膨らませてフィニッシュしました。
【2020年】
ハイプレスを掲げてシーズン初戦で昨季王者の横浜マリノスを撃破し、コロナによる中盤明けも手堅く勝利を重ねた2020年。
昌子源の電撃獲得もあり、シーズン序盤は明るい話題が多かったように思います。
3バックのスタイルを継続して入ったが、夏に勢いは低下。さらに出場機会を減らしていたレジェンド・遠藤が、ジュビロへ期限付き移籍。
大きな変革期を迎えたチームは、夏以降に4バックに戻して、硬い守備とパトリックの強さを生かしたシンプルなサッカーで、手堅く勝ち点を積み上げました。
4バック変更以降は13試合負けなしも達成し、終わってみれば2位フィニッシュ。
宮本サッカーのベースとなる堅守が完成に近づいた2020年でした。
【宮本監督が犯した過ちは】
結果だけ見れば、シーズンを追うごとに順位を上げた宮本監督の仕事ぶりは、評価される点もあったと思います。
ただ、ガンバ大阪には
『攻撃的』
というクラブカラーなるものがある中で、宮本監督の守備からチームを作り上げるスタイルは、どこかサポーターの中でも受け入れられない点があったように思います。
今年はその攻撃面での積み上げを行おうとしましたが、まったく形はみえてきませんでしたし・・・
さらに3冠を達成したメンバーらからの世代交代のはざまで、数々の若手を抜てきし、起用してきました。
DF高尾、MF福田、MF山本は、レギュラー格に成長しました。
これを多いとみるか、少ないとみるか。
MF高(現新潟)、MF高江(現町田)らのように、育てきれずに去っていった生え抜きの選手たちも、数多く存在しました。
食野や中村の海外移籍は不運ですが、若手の育成という面でも、やや物足りなかったと感じます。
【後任予想】
クラブは松波正信強化部長の暫定監督を発表しましたが、あくまで暫定というスタンスのようです。
そりゃそうですよね、2012年にチームを残留に導けなかった過去を思い返すと、松波氏に残りシーズンを託すことには賛成できません。
ここで松波氏が暫定を務めるということは、森下ユース監督や、和田取締役など、内部からの昇格の可能性は低いのではと思われます。
となると、外部招へいですが・・・
OBでいうなら、前仙台監督の木山氏。しかし昨季仙台で17位と、降格ゾーンで解任された監督を呼ぶのは、リスクが高そうです。
フリーの監督でいえば、夢の中まで左足・名波浩氏や、アジアの大砲・高木琢也氏、などの名前が思いつきます。
もうこうなれば、タイ代表監督・西野朗氏を呼び戻すか、というアイデアまで浮かんでしまう始末です。
シーズン途中の外国人監督はリスクが高いでしょうし・・・
私が強化部ならば、川崎の基礎をつくった風間八宏氏の招へいに動きたいと思います。
現在、セレッソの育成で仕事をしているようですが、もう一度、攻撃的なチームを作ってみませんか、とお誘いします。
その場合は今季、もし降格するようなことがあっても、来季も任せるという条件しかないでしょうが。
【あとがき】
宮本監督の3年半は、たしかにスペクタクルは欠けた時代だったかと思います。
ただ・・・
厳しいことをいうようですが、現在のガンバ大阪のメンバーは、かつてのように自分たちで試合の主導権を握り、個々の技術でゴールを積み重ねていく、というレベルではないことも事実かと思います。
特に攻撃陣は、宇佐美や倉田を筆頭に、現在は日本代表の候補にも挙がることはなくなった選手たちがレギュラーを務めています。
その選手たちを中心にして、攻撃的なサッカーに取り組もう、という考えは、虫が良すぎたのかもしれません。
だた、ワンクラブを応援するものとして、クラブのユース育ちで、リーグ初優勝にも貢献したレジェンドが、帰ってきてパナソニックスタジアムのピッチサイドでチームを指揮するという物語は、待ち望んでいたものでした。
十分にサポーターとして感動させてもらいました。
宮本監督には、もう一度、最大限の感謝を伝えたいと思います。
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