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擁護はするが、チクリとも言いたい…宮本監督の問題点をあぶりだしてみた


【お礼と前書き】

おはようございます。

前回の記事

は非常に多くの方々に読んでいただきました。ありがとうございます。

ツイッターでも1万以上のインプレッションをいただき、皆様のいろいろな意見に触れることができました。

とてもとても、うれしかったです。

監督解任について、時期尚早と書いたことで、多くの人に共感のコメントもいただきました。

その一方で、反論のコメントもいただき、やはりそれが僕にとっても納得する部分はありました。

ではなぜ多くの人が、レジェンド・宮本恒靖監督について、なかなか言葉にできない不満を抱えているのかを整理してみました。

【就任からの昨季まで】

18年途中、クルピ監督の解任によりシーズン途中にU23監督から昇格した宮本監督。

トップチームの指揮は、これが初めて。経験不足が不安視される中、残留の危機にあった18年終盤に守備からチームを立て直しました。

19年も同じコンセプトで挑みましたが、この年は夏にエースのウィジョなど数多くの移籍があったこともあり、上位に絡むことができませんでした。

そして昨年。遠藤保仁という看板の移籍もあった中で、守備というはっきりとしたコンセプトのもとで、2位と初めて結果を出しました。

過去の3年間を、簡単にまとめてみますと

18年 シーズン途中からの指揮で、守備からチームを立て直し9位。

19年 エース含め数多くの移籍も乗り越え7位。

20年 脱遠藤を敢行。守備型チームで2位と結果

という感じだと思います。

そして今年は攻撃的なコンセプトを掲げて、いよいよガンバらしいサッカーを取り戻そうとしている状態ですね。

そして開幕から8試合でわずか2得点、5失点で18位です。


【過去のコメントをひもとく】

過去の3年も、シーズンを追うごとにチームを立て直したことも考えると、宮本監督にまだ時間が与えられるべき、という考えは変わりません。

でもなぜ、みんなモヤモヤするのか。

それは宮本監督がどういうサッカーを目指し、いまどういう段階なのか、というのが見えてこないからではないか、と思っています。

それを過去のコメントから整理してみます。


2月20日・ゼロックス杯川崎戦後 川崎に2-3と敗れた2月20日のゼロックス杯後

「前半に関してもボールを動かすとか、相手のプレスをいなすというところはあった時間帯もありましたけど、もう少し相手のペナルティーエリア内への進入を増やしたかった、というのが前半の感想です。後半に関しては、そういったものが出た結果、得点につながったと思います」

今年から取り組んでいるポジショナルプレーに対して、課題と手応えを語っています。

では2月27日・Jリーグ開幕、0-1と敗れた神戸戦後は?

(質問)「--FUJI XEROX SUPER CUPでうまくいっていた部分がなかなか今日出せなかったのはどういう理由があるとお考えですか?」
(宮本監督)「うまくいっていたというところはどういうところでしょうか。」

(質問)--後半はボールがスムーズに回った時間もあったと思いますが、今日はなかなか右サイドの連係もギクシャクしているように見えたのですが。
(宮本監督)「それは、キャスティングもありますし、もちろんその、コンディションの問題も、誰がどういうコンディションにあるのかという、コンディションのバラつきというのもまだあるので、そういうところも少し出たかなと思います」

質問に聞き返すあたり、少しイラついていたのかなとも思います。うまくいかなかった理由は、自らが選んだ選手の構成とコンディション、ということですが。はい、それは100パーセント選んだ監督の責任ですよね(笑)。そこをつかれて、イライラしたのかもしれません。

ここからコロナ禍に見舞われ、再開後は試合後コメントにも変化が生まれます。どちらかといえば、コロナのことや、コンディションのことなどへの言及が増え、サッカーの質に関する質問は減っています。

4月3日・広島戦、7日・福岡戦はともにスコアレスドロー。

戦術面に関する話が多く出たのは0-1で負けた11日の柏戦後でした。

(質問)「--得点は取れませんでしたが、前の2試合よりは決定的な場面もあったかと思います。そのあたり、攻撃面に関して前節・福岡戦よりも上積みされたと感じるところはありますか」


(宮本監督)「選手たちには、よりゴールに向かう攻撃を増やす、また相手DFへの圧力を掛けるというところを求めてスタートしましたし、そういったところは見られたと思いますけど、やはり相手のゴールネットを揺らしていないというところは現実にあるので、もっともっとやはり改善すべき点はあると思います。」

(質問)「--レアンドロ ペレイラ選手とパトリック選手の2トップでスタートされたと思いますが、その狙いとレアンドロ ペレイラ選手をハーフタイムに交代させた理由を教えてください」

(宮本監督)「先ほどお話ししたようにゴールをよりダイレクトに、直接的にゴールを目指すというところでのレアンドロの起用もありましたし、今後の試合のいろいろなプランを考える中でのレアンドロの起用ということもありましたし、(宇佐美)貴史の起用というところもありました。そういったいろんなところを加味しての出場時間とはなりました」

再開後の2試合で点がとれなかったことで、柏戦はレアンドロとパトリックの2トップで

「ダイレクトに」 

点を取りに行ったわけですね。つまりロングボールや、クロスですね。ここで開幕からのコンセプトからは大きくずれましたね。


4月14日の鳥栖で初勝利初ゴールを挙げた際のコメントは

「通常のシーズンがスタートした中で、思わぬというか簡単ではない事態がチームに起こって、それを皆でなんとかやってきたものが、少し時間はかかりましたけど、しっかりと勝点3というところにつながったという意味では、皆の頑張りが今日に関しては本当に報われて良かったと思います」

といったような感じで、戦術にはあまり言及していませんでした。でも内容的には、しっかりとつなぐような意思はあまりみらせませんでしたよね。

そこから清水戦で引き分け、名古屋戦で0-2と負けるわけです。

清水戦後のコメントを見てみます

(質問)「--先ほどDAZNの会見でも「点を取るために攻撃の回数を増やしていくところが必要になる」と話されていましたが、縦パスなのかクロスなのか、どういうプレーが具体的に足りないと感じていますか」

(宮本)「ペナルティーエリアのラインの高さより奥の部分でのプレーというものをもう少し増やさなければ、そのクロスにしてもより危険な状況のクロスにはつながらないですし、最後(山本)悠樹がシュートしましたけど、一美(和成)がああいうゾーンからボールを入れるとかというところを、相手がもう少し、いない状況、人数が少ない状況で増やしていくべきだと思いますし、やはりあと10メートル進む、ボールを運ぶという作業、その回数を増やすということかなと思います」


この言葉では、どういう攻撃をチームが目指すのか、という意図は伝わりにくいと感じます。ロングボールで進むのか、それともしっかりとつないで、相手の背後をとりたいのか。意図をはかりかねる言葉ではあります。


またまたレアパトの2トップで再び挑んだ名古屋戦後には

(質問)--今日はパトリック選手とレアンドロ ペレイラ選手を2トップに起用し、両SBも攻撃的なスタメンで、よりクロスを入れていくというような戦い方だったのでしょうか。
(宮本監督)「クロスに限らず、相手のゴール前にしっかりと人であったりボールを、というところの考えはありました」

(質問)--前半の最初と後半の最後は、相手ゴール前に迫力がある攻撃を出せたと思いますが、途中停滞したように見えました。宮本監督はその理由をどうお考えですか。
(宮本監督)「前半のその停滞というか、少しボールが後ろで動くシーンに関しては、あと5メートルか7メートル、進めるシーンで進もうとしなかったというか、もちろんその立ち位置だったり、ボールの動かし方だと思うんですけど、そういう部分と最後の仕掛けの部分が前半に関しては足りなかったなと思います。もちろん、先制された中で、相手が少し守備に重みを置く中での攻めあぐねはどの試合でもあると思います。ただもう少しダイナミックにゴールを目指すという部分が前半の立ち上がりだったり、後半の最後の時間帯というのは純粋にあったのではないかなと思います」


みなさま、そろそろお気づきになったのではないでしょうか。

宮本監督のコメント、なにを言っているのかわかりにくくありませんか?

特にコメントが長くなればなるほど、数多くの要素が詰め込まれすぎて、なにが言いたいのかわかりにくくなっているんです。


これに僕が強く違和感を感じたのは、大阪ダービー後のコメントです。



(質問)--アウェイの“大阪ダービー”で勝点1ですが、この結果を宮本監督はどのように受け止めていますか。

(宮本監督)「勝点3をやはり取りたい、いまのチームの状況、またはダービーというところで勝点3をというところはありましたから、そういう意味ではやはり悔しさはあります。ただ1点リードされて、アウェイというところで難しい部分、そこで選手たちがしっかりと取り返してくれたというところは評価できると思います」

(質問)--10日ほどの準備期間で、得点を挙げるためにいかに攻撃面を構築するかについて取り組んだと話をされていましたが、今日の試合でできた部分とできなかった部分をもう少し具体的に教えてください。


(宮本監督)「相手がプレッシャーを前のほうでしっかりと掛けてくる中で、スムーズにボールを運ぶという点でうまくいった部分もありましたし、少し停滞したところもあります。でも、サイドにボールが出て、今までであれば少し大事にボールを戻すようなシーンであっても、今日に関してはしっかりとボールを前に進めようというところはありましたし、ペナルティーエリアの中にしっかりと人であったり、ボールを入れるというところの作業をしようという話はしました。そういったところは出たと思いますし、点を取られてから、その前の時間帯もそうですけど、自分たちで意図するボールの動かし方でゴール前に迫れた部分はあったと思います。もう少しやりたいのは、相手を揺さぶるようなボールの動かし方。しかもそこにテンポも必要だと思いますし、深い位置での1対1の仕掛けという部分も必要だと思いますし、そういうものをもっと増やしていくという作業が必要だと思っています。」

こうやって文字にしてみればわかる部分もあります。

しかし心に突き刺さるようなコメントが、ほとんどないのです。

よかったのか、悪かったのか。

スパン、と分かりやすく聞き手に入ってくるような言葉が。

これは宮本監督が持つ、大きな問題点ではないかと思います。


【あとがき】

実は僕は、言葉や話し方について、少し勉強したことがあります。

人に伝える上でのポイントは

「短く端的に」

「ひとつの文章に、できるだけ複数の要素は入れない」

というのは大原則だそうです。

宮本監督は、対戦相手によって戦略や戦術を変えることが、非常にお好きなように思います。

それを実行するためには、選手たちにはより深い理解をさせる必要があるのでは、と思います。

ポジショナルプレーで進んでいくだけでなく、カウンターも、ロングボールも、リトリートした守備も、ハイプレスもやりたいのでしょう。

それはもちろんすべてのチームが目指す理想ではありますが、その中でどの部分の強みとがらせていくのか。

そういった点を、シンプルに選手たちに伝えてほしいと思います。

といいながら、こんなにも長い文章を書いてしまっているのは、僕もその現続から大きく離れています(笑い)

難しいことは重々承知。

我慢しますので、できるだけ早く今年の戦いを浸透させてほしいと願います。

読んでいただき、ありがとうございました。

最後に、宮本監督のことが少し伝わる2020年シーズンのDVDを紹介しておきます。





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