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【忖度なき採点&寸評】我慢を忘れた徳島戦。垣間見えた上から目線が敗北の原因に

【前書き】

戦略的に敗れ、我慢もできず。

そういった試合に見えました。

超過密日程のため、メンバーを固定できず、試合ごとに出られるメンバーから戦い方を選んでいるような印象もある今のチームですが、きょうは後半ロスタイムまで相手の策略にはまってしまった気がします。

ではどう戦うべきなのか。

試合を振り返ってみます。。。

【総評】

毎試合ターンオーバーを行う中で、3バックに中盤はアンカーを置いた逆三角形、2トップという布陣に。


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ペレイラ、一美の2トップに加え、倉田、矢島の2シャドーで、ボールを持ちたい徳島に対して、相手の2センターバック、2ボランチに対して前からプレスをかけて主導権を握ろう、という戦いでした。

サイドにボールが出たタイミングで、小野瀬、奥野のWBが一気に前にプレスをかける。

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前半、徳島SBの岸本に小野瀬がプレスをかけ、相手のファウルで止められたシーンなどに狙いが出ていたと思います。

倉田の左足ミドル、そして得たCKから、昌子のヘッドをヨングォンが合わせた前半17分ごろまでは、一進一退の内容だったかと思います。

しかし、相手と中盤の立ち位置を合わせたことで、こちらも徳島のプレスにはまりやすくなってしまいました。

相手は、ガンバに前からプレスをしてきてほしかった。それを外してチャンスをつくる、というイメージがはっきりできていたと思います。

中盤の3人がスムーズに前を向けず、サイドにボールが出てもプレッシャーを真正面から受けて、バックパスを繰り前すように。

こういう展開では、裏にスペースがあるはずですから、2トップを生かして裏を取りたかったところですが・・・

ここはペレイラ、一美がうまく対応され、ボールもうまく出すことができませんでした。

もっと雑なボールでもポイントを作るのが得意なパトリックなら・・・と少し思ってしまいましたが。。

逆に徳島は、ボランチの鈴木、岩尾がうまく立ち位置を変えながら、ガンバの中盤をすり抜けるような組み立てを行い、サイドの西谷らにいい形でパスを供給。

特に左サイドのドリブルから、いい形からチャンスを作りだしていました。

主導権争いで、相手に分があったことは、このあたりでチームは感じなければいけませんでした。

しかしここで我慢できず。

先制点は鈴木が倉田のプレッシャーをかわし、うまく抜け出してサイドに流れたトップ下の渡井に。

これを三浦はファウルで止めるしかなく、セットプレーを与えて失点しました。

ガンバももし高尾などがいれば、サイドでプレッシャーをかかった位置で外す、という形が取れたのかもしれません。

ただ今日のメンバーでは、相手のプレスをいなすようなプレーはほとんど見られず、プレッシャーをかけられて、不利な状況から蹴る、というシーンばかりに。

その中で、矢島は厳しいプレッシャーを受けながらも、自分のマークと入れ替わろう、というプレーにはトライしているように見えました。

しかしマークを外し切れず。

2失点目は、ゴール前でクリアのチャンスが奥野、昌子にあった中で決められてしまいました。

確かに2人のミスなのですが、中央で岩尾に運ばれ、DFが真ん中に固められたところで右サイドの裏を付かれ、相手のSBに深い位置からクロスを入れられています。

1本目のクロスで決められていても不思議はなかったですし、相手の攻撃の巧みさに上回られたな、という印象も強かったです。

後半開始に藤春と山本、途中から宇佐美を投入して4バックにしましたが、右SBに出た三浦のところでどうしてもノッキングが見られるなど、スムーズさと連続性はなかなか出せず。

終了間際、小野の超絶スルーパスから、チアゴが一発決めるという形で1点を返しましたが、試合を通じて徳島にやりたい放題やられたな、という印象でした。

【採点&寸評】

【GK 1 東口 順昭】5・5

止められるボールはきっちり止めてくれました。

ただ出来ることは限られていたかと・・・

ただ局面で見せる落ち着きっぷりには目を見張ります。

【DF 8 小野瀬 康介】5・0

DF登録にしているのは、相手に少しでも4バックか? と思わせたいのでしょうか。

よくわかりませんが、せこいのでやめてください。

2失点目、相手の右サイドバックに裏を取られたポジショニングは少し甘かったように感じました。

2列目でプレーするようになってからは、中で持ち味も。

やはり中でプレーしたいんでしょうね。


【DF 5 三浦 弦太】4・5

3バックでも4バックでも、どうしてもボールを持つと、チームの足を引っ張ってしまう印象が強いです。

3バックなら昌子を右、三浦を真ん中の方がいいのでは、と思ってしまいます。

そして右サイドバックでの起用は相当厳しいと思います。

【DF 3 昌子 源】4・0

ゴール前、失点に直結した判断ミスでした。

あそこで足が出ない、ボールを触れなかったことには、疲労などいくつも理由はあるとは思いますが・・・

守備の要にああいったミスが出ると、勝てるはずありません。


【DF 19 キム ヨングォン】5・0

ボール運びは警戒され、守備でも出足が少し遅かった印象。

パスコースを作ってあげないと、持ち味のビルドアップも生きないですねえ・・・


【MF 6 チュ セジョン】4・5

46分交代。ほぼなにもさせてもらえませんでした。

ひとりでプレスを外せ、というのはポジション柄は無茶ですが、相手のプレスを受ける中でミスもあったのは残念。


【MF 10 倉田 秋】4・5

う~ん。気持ちが空回りしていたように思います。

何度か相手の左サイドバックまで積極的にプレスに出るシーンがありましたが、逆に中を使われてピンチに。

そのあたりの戦術理解度は、中盤中央の選手としてまだ高めていく必要があるかと。

【MF 17 奥野 耕平】4・0

毎回、アナウンサーの方はユーティリティーを評価していますが・・・

正直、右サイドでのプレーはJ1の水準に達していないと思います。

失点に直結したクリアミス、攻撃面でも一度もチャンスを作れず。

本職での起用に固定したいところですが、チーム事情がそれを許さないのが苦しいところです。

【MF 21 矢島 慎也】5・5

何とかしようという工夫は、チームで一番みられたのではないでしょうか。

ただ、個人でなんとかできるタイプではなく、周囲と意図がしっかりとかみ合わないと厳しいタイプなので、できることは限られました。


【FW 9 レアンドロ ペレイラ】5・5

前からのプレス、球際の頑張り、シュートへの意識。

どれも悪くなかったと思います。

ただシュートが。。。

運にも恵まれませんでしたが、1本決めていれば、流れは変わっていたように思います。


【FW 20 一美 和成】5・0

得意なはずの2トップで結果を出せず。

サイドでポイントを作る、ゴール前に入っていく、という意識はどちらも見られましたが、そもそもボールが入る回数が少なすぎました。

ただ周囲だけの問題ではなく、動き出しのタイミングなどには課題も多いかと。



【控えメンバー】



【DF 4 藤春 廣輝】5・5

46分イン。回数は限られましたが、やっぱり安定して持ち味はみせてくれました。

【MF 29 山本 悠樹】5・5

46分イン。テンポと流動性を作ろうという意図はみえました。

リードを奪われていることもあり、ポジションを崩してチャンスに絡むシーンはよかったのでは。

【FW 39 宇佐美 貴史】5・0

57分イン。

自由を与えられている分、もっとやってほしい気持ちの方が強いです。


 【MF 11 小野 裕二】6・0

71分イン。超絶スルーパスには度肝抜かれました。

ここからどんどん調子を上げてほしいです。

 【FW 32 チアゴ アウベス】6・0

84分イン。まさにびっくり箱のような得点でした。

【松波 正信監督】4・0

選手をローテーションさせる具合は外からは判断できませんが・・・

この試合に関しては、自チームの狙いははまらず、徳島の狙いを真っ向から食らってしまいました。

そもそも連戦中で足が重い中で、戦略の選択にミスがあったように感じます。

監督対決はポヤトス監督に軍配でした。

【あとがき】

試合後、矢島はこんなコメントを残していました。

--いつもと布陣が違う中で今日は徳島のやりたい展開にハマった感もあるが。
言われたように、徳島のコンパクトな守備がすごくイヤで、自分たちがうまくボールを動かせずに、相手の流れにハマってしまったのでそういう個人的には自分たちの流れが悪いときでも自分がいつもと変わらないプレーをしたいのが、それもできずに、本当に自分が下手だった。

--たくさんボールを触ってなんとか流れを変えようという意図もあったが、相手に背後につかれる状態も多かった。松波 正信監督は「裏へのボールを出せなかった」と話していた。その理由は?
相手はコンパクトでラインもまあまあ高かった中で、シンプルに背後を突く動きが少なかったし、相手のハメ方に応じてどういう立ち位置を取ったほうが良いのかが整理ができていなかった。自分たちの課題はずっとそうだけど、流れが悪くなったときにそこから修正できないところ。

プレッシングに対して、徳島は2ボランチ、トップ下がうまく連動し、隙間隙間をうまく付いてきました。

一方でガンバは、すべて個人個人で何とかしよう、としているように見えました。

周囲とつながっていない、というか・・・

メンバーもフォーメーションもコロコロと変えざるを得ない中で、仕方ない部分も多いとは思いますが、なかなかユニットごとにも連携が熟成されない現実は不安です。

とはいえ、勘違いしてはいけません。

どんな試合内容でも、悪い時間帯はぐっと我慢すれば、粘り強く勝ち点を拾うことはできます。

きょうは我慢できませんでした。

マリノス戦でみせた攻撃的な一面は、チームに悪い意味での自信を与え、守備への比重を下げてしまったようにも見えます。

加えて、1度も負けたことがない徳島に対して、どこか上から目線のプレーがあったような気はします。

もう一度、ここで確認します。

目標は残留。

さあ、清水戦に向けて切り替えましょう。


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