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初めて食す

思えばこれまで、いろいろなものを食べてきました。早く病禍が明けて食べ歩きができるようになるといいですね。体重は気になりますが、食欲が落ちないのは有難いことです。

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1956年生まれの私の、中学生ぐらいまでの食生活は、日々あまり変わり映えしないものだった。もちろん母は、栄養を考え変化にも知恵を絞っていただろうが、当時庶民の食事は質素だったように思う。おかずは野菜の煮物や魚が多く、一汁一菜が基本。肉はごくたまにトンカツが出たが、から揚げを家で食べた記憶は無い。肉類は鯨が一番食卓に上がったと記憶する。あとカレーライスは当時の大好物で、いつも食べ過ぎて叱られていた。

私の高校時代、1970年代に入ると、好景気を背景に、食は急速に豊富になり、各種の飲食店も増えた。高校から大学時代に私が、初めて食べた物/年齢/場所・経緯・感想 を思い出すままに挙げてみる。

・ミートソーススパゲティ/16才/高校近くの喫茶店、店名失念。

・札幌味噌ラーメン/17才/今池あたりの店 野菜たっぷりで美味。

・ハンバーガー/18才/マグドナルド星ヶ丘店 美味 圧倒的アメリカ感。

・牛丼/19才/有楽町の吉野家 味にはまりしばらくは週2~3回食べていた。

・韓国焼肉/19才/川崎の焼肉屋 クラブOBの池中さんがご馳走してくれた。美味しさに驚愕。キムチも初めて食す。自分が辛い物好きと初めて知った。

・キャビア/20才/バンドの演奏で行った結婚式の二次会のオードブルにあった。美味しさ判らず。場所はホテルオークラ。

・ピザ/20才/麻布のニコラス バイト先のオーナー K 夫人がご馳走してくれた。行く前に「ピザ好き?」と聞かれ、食べたことがなかった私は「チーズは苦手だけど‥」と曖昧に返答。食べてみたら美味しさに驚愕したが、あくまで ”チーズ苦手な人” を演じつつ食した。今思うとバレてたな。

・辛子明太子/20才/友人 谷君の家に泊まって朝食で。谷君の両親は九州出身でお取り寄せしてたとか。美味。タラコを生で食べることを知る。

・本格カレー/21才/池袋のボルツ インド風だったかな。辛さ選択方式。同じ頃銀座のナイルレストランも行った。いつも同居人鈴木といっしょに。

・ローストビーフ/22才/Arby’sのローストビーフサンド アメリカ一人旅中で唯一美味しかった食べ物。白いソースが好み。後に日本に進出〜撤退。

こんなふうに、食がみるみる豊かになる様子を目の当たりにし、初めての美味しさに何度も感動した。今の人は既に何でもあるからこんな感動は経験できないだろうな。

社会に出てからも営業職ということもあり、河豚、ハモ、すっぽん等の和食や様々な地方の料理、フカヒレや上海ガニや北京ダックも食べたし、本場のタイ料理も経験した。ここまで幸せな食人生だった。ごちそうさまでした。 

‥合掌‥

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