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先日"老人"になりました

65才になった。note のプロフィールは最初から「65才」としていたが、先月誕生日を迎えて、満65才になった。

一般的には65才からは "前期高齢者" だ。年金は満額支給されるようになり (支給開始時期は選択制) 、介護保険の被保険者にもなる。私の住む名古屋市では "敬老手帳" が配布され、市バス、地下鉄の "敬老パス" の申し込みもできる (任意)。

どうやら公式に老人認定されたようだ。ちょっと寂しい気はするが、腹を括って老人社会に飛び込もう。

まず "敬老パス" を申し込んだ。一定額を支払えば1年間市バスと地下鉄が乗り放題。来年からは市内の名鉄と近鉄、JRにまでサービスが拡大される。コロナの勢いが衰えたら、このパスを利用して note のネタ探しに動きたい。

"敬老手帳" は市営施設の利用に便宜が与えられる。孫たちがもうちょっと大きくなって、動物園や水族館、名古屋城に連れていく日が楽しみだ。この手帳には、自分で写真を貼らなければならない。

画像フォルダーを探したが、どれも "私が思う私" よりも老けていて、貼りたい画像が見つからない。低レベルの候補の中からどうにか一つを選び、糊付けした。紛 (まご) うこと無き立派な "敬老手帳" が完成した。

1才10ヶ月になる孫 (♂) が、テレビに映った渋沢栄一を見て「じーちゃん」と言ったという。"じいちゃん=年老いた男性の総称" ということをまだ知らない彼が言う「じーちゃん」は私を指すに違いない。似てないと思う。異議を唱えたかった。

我が家に彼が来た時、さっそく確認してみた。渋沢栄一の画像をスマホで見せると、コンマ何秒のタイミングで「じーちゃん」と言う。以前から似ていると言われる井筒監督の画像で6割の「じーちゃん」が、渋沢翁では10割の反応だ。「孫よ、おまえにはじーちゃんがそう見えているのかい(涙)」

ちなみに‥ 松たか子の画像では「ちゃーちゃん(お母さんのこと)」と言い、米倉涼子を見せると「ばーちゃん」と瞬時に返す。細君は「賢いねー!」と大喜びだ。この齢にして女性への気配りは一級品。現役時代クラブ活動に励んでいた頃のじいちゃんを彷彿とさせる。

細君との朝の散歩は、もうすっかり習慣になっている。池のある公園への往復が定番のコースだ。私は池を囲むコンクリートの階段で、ラジオ体操風のストレッチをする。それをやっていると、私の前に鯉が集まってくる。50㎝以上の大きな鯉が、十数匹寄って来て水面を揺らす。細君の方にはあまり行かない。最近はカモの親子連れも近づいて来る。

数日前の早く起きた朝、暑さを避ける意味もあり、いつもより1時間程早く一人で池のある公園に出かけた。すると私が普段ストレッチをする辺りで、池に向かって何かを撒いている初老の男性がいる。そこにはたくさんの鯉が群がっているではないか。カモも二羽いる。

あの人が餌付けをしていたんだ。だから人間を怖がらないし、餌に期待して集まるんだな‥‥  うん? あの人‥  長めの半ズボンにゆったりめのTシャツ。「オレと同じじゃないか‥」 「背格好も近いし、頭髪の残り具合 (我々は髪型という言い方はしない) も似ているぞ。」

そうか、そうだったのか。鯉やカモたちは、私をあの餌付け老人と間違って近づいて来たのだ。そうであれば細君の方に行かないことにも合点がいく。でも鯉に人間を識別する能力ってあるのだろうか。

家に帰って思った。「あの人‥   渋沢栄一に似ていたような‥」

< 了 >


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