見出し画像

子だくさん夫婦を応援する

少子化対策として、”AI 婚活” というものがあると聞いた。内容はよく知らないが、多分字づらどおりの意味で、AI を活用したマッチングによって、結婚を促進するものなんだろう。

少子化による人口減少は、国や地方の税収、年金制度、経済力などに多大な影響を及ぼす。人口は国力そのものだ。人口減少による国力低下を抑える対策の展開は喫緊の重要課題だ。

実は私、これまでこの問題を深く考えたことはなかった。ここ最近、立て続けに孫を得て、彼らの将来に思いを馳せた時、本件は急に我が事となった。今の出生率が続くと2050年には日本の人口は 1億人まで落ちるとか‥  生産年齢人口は減り老年比率は大きく増えるとか‥ 働き盛りになっている未来の我が孫たちにとって、未来の日本は楽しい国なのか。

この重要課題に対して ”AI婚活” とは、いかにも悠長で ”隔靴搔痒” の感が否めない。もちろん成婚率も上げたらいいが、それよりもっと直接的に、”多子化” 促進を図るべきじゃないか。少子化とは言うが、”多子化” という言葉はほとんど流通していない。

少子化対策という言い方は止めて、これからは ”多子化促進策” または ”人口減少対策” のようなダイレクトな名称で問題提起してみてはどうか。

子供が生まれ成人になるまでには、多大な労力とお金が必要だ。その出費は、夫婦にとっての老後に大きく影響を及ぼすことになる。私たち夫婦は4人の子供を育てた。もちろん日本の人口減少を憂いたこともなく、成り行きでそうなっただけ。当り前だが人数分だけは食費も学費も掛かるし、それなりの家も車も必要になる。うちの子供が全員成人したのは、私の定年まであと数年といった頃だった。その時我が家の米びつに、コメはほとんど残っていなかったが、どうにかやってこれたし、これからは年金もいただける。子供も孫も可愛いので後悔は無い。

しかし今、若い夫婦が真面目に人生を考え、慎重にそろばん勘定したら、普通のサラリーマンがたくさんの子供を持つのはリスクが高いという結論になってしまうだろう。彼らが「もう一人」「あと一人」 と思えるような社会制度が必要ではないか。

現在国や自治体などで、様々な子育て支援策は施行されている。しかし夫婦の心配は子育て中のやり繰りだけではなく、むしろ子育て後の自らの生活なのだ。人口減少を憂い、たくさんの子供を育てた挑戦的な夫婦には、何らかのご褒美をあげてもいい。

成人した子供は生涯にわたり、税金を納め、年金を払い、消費活動を行い、会社員や公務員として国を支えていく。そんな ”国の宝” を世に送り出した親の貢献を称える社会と、褒賞制度が作れないものか。例えばだが、インセンティブ型年金のような制度ができれば、必ずや多子化へのモチベーションになると思うのだが‥

いろいろ判ったようなことを書いてきましたが、冒頭に触れたように私も孫を持ってからこの問題を考えたり、調べ始めた ”にわか憂い人” です。私が唱えているようなことは専門家が既に検討済みのことなのかもしれません。とにかくこの ”人口減少問題” に対し、一刻も早く好手を放っていただくことに期待をしています。

私のような市井の老人は何ができる訳でもないので、頑張っている若いお父さん、お母さんに、ただただエールを送り続けます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?