ポストケインズ経済学 初歩

◎ポストケインズ経済学を学ぶ目的
①主流派経済学に基づく経済政策が上手くいっていないのでそれに対抗できる経済理論
・実質賃金が下がっている。
・不安定雇用・非正規雇用の増大
・増える国民負担(増税・社会保険料増加)
・公的サービスの低下/国民のニーズに合わない。

②1970年代のスタグフレーションについて説明できなかった
ケインズ経済学←新古典派経済学からの批判。
(生産性危機+急速な賃金上昇+オイルショック・・・)
⇒単純な総需要管理政策では対応できなかった。

③金融政策偏重の経済政策の限界←金融政策でコントロールできるの?
マネタリスト
リフレ派

「経済学を学ぶ目的の一つはジャーナリストや評論家や政治家にだまされないようにするためである。」ジョーン・ロビンソン

◎ 経済学の分類

〇主流派経済学 
オーストラリア学派(自由主義)
シカゴ学派(マネタリスト)→リアルビジネスサイクル理論
ニューケインジアン(主流ケインジアン)
など
〇異端派経済学
ポストケインジアン
MMT
レギュラシオン学派
制度学派
マルクス経済学

本来のケインズの主張を発展させる
→ポストケインズ経済学

ポストケインズ経済学の特徴
①有効需要の原理
有効需要(貨幣での購買力の裏付けがある需要)の大きさが経済活動の水準(総産出量や総雇用量)を決定する。
 需要は供給によって制約されるのではない。投資は貯蓄から独立しており
投資と資本蓄積は家計の異時点間の消費決定に連動しているわけではない。

②歴史的時間と動学的時間
常に一つの均衡から別の均衡への移行過程を考慮しなければならない。
この移行過程は均衡の最終的な位置に影響を与える。

※(経路依存性、履歴効果)ともいわれる。
ある期の状態が、現在加えられている力だけでなく、過去に加わった力に依存して変化すること。

経済は歴史的時間の中で進行する過程である。

  • 不確実性に満ちた現実世界においては、経済活動に対する期待が重大な影響を及ぼす。

  • 社会的諸制度が経済現象の成り行きを決める上で重要な役割を演じる。

5つの補助的特徴
①価格の伸縮性は産出水準の均衡(もしくは最適値)に経済を導かない。

②貨幣的生産経済 
契約は貨幣で取り結ばれる。そのため企業は負債を抱え、家計は資産を持っている。
③根源的な不確実性
(負債を拡大することはリスクも増える。)
(金融不安定化仮説)
④現実主義
「仮説」の現実性を重視。現実の世界を定型化された事実から説明する。
ある程度抽象化された不完全なものであっても記述的であること。
※ 内生的貨幣供給理論(現代の管理通貨システムを説明している)

⑤政府の役割が重要

市場放任ではなく、市場に居場所を見つける。


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