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SNSで変わるテレビ視聴 浸透どこまで?「ながら視聴」の実態を読み解く 後編

こんにちは、笠原です。前回のnote記事では、【テレビ番組と関連したSNSの使い方】について調査結果を紹介しました。
今回はその続編として、後編では実際にどのくらいの人がテレビを見ながらSNSを使用しているのか?について深堀りしていきたいと思います。

この記事を読んで自分の行動を意識して振り返ってみたのですが、私はテレビを見るときには高確率でスマホをいじっていました・・・!
しかし、ドラマやアニメなど集中して見たいコンテンツはあまりいじらず(CM中はいじりますが)、ニュース番組やバライティ番組のときにスマホをいじる傾向にあります。

しかし、「自分がそうだから、周りもそうだろう」という思い込みは危険ですよね。皆さんはどうでしょうか?
そもそも、私と同じように、テレビを観ながらスマホでSNSを利用している人はどれくらいいるのでしょうか?感覚ではなく、インテージが保有している「メディア行動ログ」の実際のデータをもとに確認していきましょう!

====以下記事からの引用です====

テレビ視聴者の中でスマホのSNSアプリを同時利用(ながら視聴)している人の割合をi-SSPデータを使って見てみましょう。
※対象SNSアプリは、Facebook、Instagram、LINE、TikTok、Twitter

少し古い記事なので、データが昨年ですが、2022年1月、2月それぞれにおいて「テレビを視聴しながらSNSを利用した」ログがあった人の割合です。

2022年は約6割の人がテレビを観ながらSNSを利用する「ながら視聴」をしているという結果になりました。このデータでは、SNSのどのような内容をみているかまでは捕捉できないため、その視聴しているテレビの内容に絡めた使い方をしているのかは分からないものの、高めの値なのではないでしょうか。

そしてこの図表にはコロナウイルス流行前(2019年)の結果も記載しています。
すでに3年前から全体の約半数がSNSとの同時利用をしていたこととなりますが、それでもこの3年で5pt~10pt上昇していました。

おうち時間の増加と、それに伴うテレビ視聴時間の増加で、SNSアプリとテレビのながら視聴する人の増加を後押ししたと考えられます。

また前回の記事でも少し触れましたが、テレビ番組側からSNSの利用を促しているケースもここ最近増えてきました。ドラマに出演している俳優さんたちのオフショットをあげるInstagramアカウントを公式が開設したり、生放送中にSNSでつぶやくワードを告知したり。懸賞企画を行っている番組もあります。

こういった番組制作サイドから「ユーザーの拡散」を期待した発信が増えていることも、SNSアプリとのながら視聴が浸透している要因かもしれません。

前節で挙げた通り、SNSの普及自体も加速をしているため、複合的な理由となるものの、ログデータで見る実態として、ながら視聴が増えていることは明らかになりました。

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いかがでしたでしょうか。今回の記事では6割の人がSNSをいじりながらテレビを視聴しているということがわかりました。

NetflixのCEOは、「Netflix競合は?」というインタビューに、Amazon Prime Videoでもなく、Huluでもなく「ユーザーの睡眠」と答えたことは有名な話です。

今、様々なメディアやSNS、そしてそこに出稿している企業が奪い合っているのが、まさに「ユーザーの時間」なのではないでしょうか。

その中で、テレビを視聴しながら6割の人がSNSを使用しているというデータは、今後のマーケティングを考える上で貴重な情報なのではないでしょうか。
それぞれのメディアがユーザーを奪い合うのではなく、ともに協力しあうことで、「ながら」の時間も有効活用しながら、ユーザーの体験がより良いものになる可能性もあるのではないかと思いました。

知るギャラリーの記事本編では、SNSをいじりながら、実際にどのようなテレビ番組のジャンルが視聴されているのか?そしてバラエティ番組とSNSの同時利用の割合についても解説しています。ぜひ一度ご覧ください!
 
参考記事:SNSで変わるテレビ視聴 浸透どこまで?「ながら視聴」の実態を読み解く 後編