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日本の「幸福度」は本当に低いのか?~国際比較調査でみる10点法での評価スコアの国別傾向

こんにちは、川口です。
今回はフィールドサイエンスについて触れたいと思います。

いまやスマホでのインターネットリサーチがすっかり定着していますが、この20年で調査を取り巻く環境は大きく変化しました。
20年前は定量調査と言えば郵送調査が当たり前の時代。インテージがインターネットリサーチ事業を本格的に推進すべく、株式会社インテージ・インタラクティブを設立したのも、ちょうど20年前の2002年10月でした。

郵送調査がパソコンでのインターネットリサーチへ、そしてスマホでのインターネットリサーチへと、調査手法が変わっていく中で、生活者の意識・実態を正しく捉え続けるために重要なのが「フィールドサイエンス」です。
様々な検証を通してフィールド(調査基盤)を科学し、得られた知見を調査結果の読み取りや手法開発につなげ、調査の品質を保つ取り組みです。

手法が変わることによって回答傾向に変化が起きないか、調査モニターが調査慣れして「プロ化」することで調査結果に影響が起きないか、など検証すべき品質課題は多岐に渡ります。そして、調査を取り巻く環境が変化を続ける限り、品質課題は尽きません。

今回ご紹介する記事では、NPSなどで国際的な物差しになることも多い10点法の結果を、単純に国際比較しても問題がないかについて、11か国の検証調査を通して考察しています。

あなたは「10点満点で『普通』は何点ですか」と聞かれたら何点と答えますか?

10点法のスケール(11段階)

この結果を国別に比較すると、インドではなんと、最も多いのが10点。一方、日本は半数近くが5点でした。回答分布に結構な違いが見られています。

「普通」が違う中で、幸福度を調査するとどのような違いが表れるのでしょうか。
その結果と得られた示唆については、知るギャラリーの記事をご覧ください。

今回ご紹介した記事は、インテージの現CDOである長崎の執筆によるものです。奇しくもちょうど20年前に設立した株式会社インテージ・インタラクティブの社長となります。
インターネットリサーチ黎明期からフィールドサイエンスに力を入れ、推進してきたメンバーでもあります。内輪ネタで恐縮ですが、この20年というタイミングで掲載したことに縁を感じます。

フィールドサイエンスに関しては、他にも以下のような記事を掲載していますので、合わせてご一読いただけると幸いです。

インターネット調査における「品質」を考える

リサーチフィールドサイエンス~「調査慣れしているアンケートモニター」はインターネット調査の結果に影響する?

リサーチフィールドサイエンス~スマホ回答の研究:スマホの持ち方と操作性の違いが与える影響

リサーチフィールドサイエンス~マルチデバイスでのアンケート回答研究