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星座線って決まってないの?

みなさんこんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。
 
星座を調べていると、図鑑や星座早見盤によって星座線の表記がちがうことはご存知でしたか?「この星座の線、間違ってるよ!」と小学生に言われることがありますが、とても鋭いです。星座線は実は決まっていないということについてお話します。

なかなか決められない星座線

1922年国際天文学連合総会(IAU・アイエーユー)で88の星座の名前が決まりましたが、星と星を繋いでつくられる「星座線」は決められていません。
こちらはどれもわし座ですが、少しずつ線の結ばれ方が違います

こちらも線の結ばれ方が違いますが、2つともくじら座を表しています。

左の星座線はギリシャ神話のイメージから持ってきた、見慣れている方も多い「くじら座」です。くじらというより怪物ですね…。しかし「くじら座」を全く知らない人は、「くじら」と言われると海の生き物をパッとイメージすると思いますし、右の星座線の方がしっくりする方もいらっしゃいますよね。 どちらの線も間違いではないのですが、紀元前からたくさんの人々に伝えられ、現代まで親しまれてきた星座。イメージも人それぞれ少しずつちがうので、「これだ!」という線を88星座全て決めるのはなかなか難しいんですね。なので星座名を決めて100年経った今でも、星座線は正式には決まっていません。 

星座の境界線

星座線は決まっていませんが、どの星がどこにあるのか?星座の境界線(領域)が1930年に国際天文学連合総会(IAU・アイエーユー)で決まりました。

上の図ではアンドロメダ座が中心に、そしてまわりの星座も境界線でそれぞれ区切られています。
もちろん夜空を眺めても境界線は見えません。星ひとつひとつ奥行きもあるので平面的な境界線でしかありませんが、天文学者が新しい星を見つけた時に、どの領域に見つけたのか?国境のようなものがあった方がわかりやすいのです。

好きに星を繋げて星座をつくっても大丈夫!

こうして決められた星座は88個ありますが、自分で好きな星を繋げて楽しむことは自由です。必ずしも、決められた星座の通りに星を見ていかなければならないルールはありません。
 
私は知人から「北極星の近くにあるおっぱい座って、正しくは何座なの?」と聞かれたことがあります。
これは星座線で表すと「W」の形になるカシオペア座を指しているのですが、思わず笑ってしまいました。たしかに…おっぱいに見えなくもありません。その知人の地元の方はみんな「おっぱい座」と言うそうです。
 
もちろんテストに出されたら「カシオペア座」と答えなければ✕になってしまいますが、そう見えるのであれば「おっぱい座」と覚え、楽しむことも素敵だなと個人的には思います。
みなさんは何座に見えますか?


文:まいの(mai-no)
星空案内人
千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。
宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。

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