必ずしも挨拶がいいとは限らない。

野球部出身の僕の唯一の特技は挨拶。

素早く的確なタイミングで、気持ちのいい挨拶。

今の時代はわからないが、
僕が育ってきた青春時代では
監督という名の鬼と先輩という名の小鬼が目を光らせて
挨拶の取り締まりをしていた。

おかげで社会に出てからは無意識無呼吸でできるようになった。

知らない人でも挨拶されると気持ちがいい。
大人になると余計に思う。

「こいつ、性格悪そうだな」と思っても挨拶が気持ちいいと
そんな気持ちはどこかに消えている。
みなさんもこの気持ちわかりますよね?

上京してきてから7年近く、下町で暮らしていたのだが
ゴミ出しをするときにいつも近所のおばちゃんが

「おはよう〜、今日も朝から仕事?」
と声をかけてくれていた。

朝から気持ちの良いものだ。
好きになるレベルだ。(ハニートラップの可能性もある)

それから僕は引っ越して
大きい一軒家が建て並ぶ街に引っ越してきた。
なぜその街に引っ越したのか、理由は色々あるのだが
とにかく街並みも人も好きだった。
今でも家の近くに戻って来るだけで疲れが取れる。
それくらい空気感が好きだった。

しかし、事件は突然起きる。

朝、ゴミ出しをするときに集積所に
白いワンピースを着た綺麗めのおねぇさんがいた。
僕は後ろから今
野球部で鍛えた卓越で鮮麗された挨拶をした。

『おはようございます!』

するとおねぇさんは

『きゃっっっ!!!!』

と口を押さえて
まるでお化けでも見てるような顔をした。

そう僕は早朝に挨拶お化けとなったのだ。

必ずしも挨拶がいい訳ではない。

時として、挨拶お化けに思われることもある。
みなさんも気をつけてください。

まぁ、僕はこれからもこの近辺に現れる
挨拶お化けとして生きていきますが。



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