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自分の『好き』を振り返る(ゼルダの伝説編)

最近リアルがめっきり忙しくなり、常に後ろを振り返らずに全力で走り続けているような毎日を送っているような感覚が続いている。

前までやらない日などなかったゲームも最近はご無沙汰。どこか義務的にやっている部分もありつつ、そもそも時間すら取れないことがしばしば。

新しいことに挑戦するということは今までやっていたことを一度捨てなければならない、そんなことを痛感した日もある。

多くのものに手を出しすぎてどれもこれも中途半端になってしまい、結果的に全部きちんと触れられなくなるといったことが起き出してからそう思うようになった。

そうしていると、どんどん自分の中で『熱』が冷めていくような気がして少し焦燥感のような物も感じつつ時間は止まってはくれないので走り続けるしかないのだ。

このままではいけない。好きだったはずのものが日々遠くなっていく。

ここは今一度立ち止まって振り返ってみるのも悪くないのかもしれない。

時分はもう12月。自分の心を整理するには悪くない時期だろう。


私は好きになったゲームはとことん追いかけてしまう質である。

それが追うのに苦労するものであればあるほど燃え上がりそこに時間を費やしてしまう。それが悪い癖でもあると自覚はしている。

だが追えば追うほど味のするものを途中で放り投げてしまうのはやはりもったいないだろう。

これから紹介するのはそんなゲームだ。


ゼルダの伝説シリーズ


任天堂を代表するIPの一つ

ゼルダの伝説シリーズと聞けば誰もが名前くらいは聞いたことがあるだろう。
プレイしたことがあるかと聞けば一作品くらいは触れたことがあるというかもしれない
しかし作品が出るたびにプレイしているとなると相当なファン以外はYESと答えないだろう。
そしてもちろん私はYESと答える。


万一知らない人のために軽く説明すると、ゼルダの伝説とは任天堂が制作しているゲームの一つで1986年にFCで初代が発売されて以降現在まで続いている長寿シリーズである。現在リメイクやスピンオフを含めて多くの作品が展開されている。
基本的にリンクという少年が主人公となり、謎解きや冒険など繰り広げるアドベンチャーゲームとなっている。

そんなゼルダの伝説シリーズだが、長くシリーズを追いかけていて感じていることが一つある。それは日本における知名度はそこまでなのではないかという点である。

無論リンクやゼルダなどはスマブラにも出ておりキャラだけとなれば知っているという人も数多くいることだろう。しかしゲームそのものをプレイした事があるという人は実は私の周りにはさほど見かけない。
全体で見てもゼルダの伝説シリーズの売上は無論大きくはあるものの他の任天堂人気IPと比べると少し見劣りするくらいである。

それに比べ海外での人気は計り知れない。グッズ展開も基本的に海外の方が多いため海外でしか手に入らないものが多数存在する。

こちらは昔の有名な動画だがゼルダの新作発表時の海外の盛り上がり用が確認できる動画である。基本的にテンションが高いことで有名な海外の反応だが、ゼルダシリーズにおいてもその高さに例外はない。

ある時期までは日本におけるゼルダシリーズの知名度はそこそこで知っている人ならば知っているくらいだったという記憶が自分の中にはある。
しかしその知名度が一気に爆発した瞬間があった。それが5年前のことである。

ブレワイの台頭

見えるところに全ていける、ゲーム史に残る傑作

そう、ブレスオブザワイルドの発売である。
『ゼルダの当たり前を見直す』というコンセプトの元に開発された本作はシリーズ初のオープンワールドとなっており、その完成度の高いゲーム性から数々のゲーム大賞を総ナメにしたほどである。
売上もシリーズトップクラスでここで初めてゼルダシリーズに触れたという人も多いのではなかろうか。後初のオープンワールドゲームの大体にこのゲームから影響を受けたと思しき要素が散見されることからもこのゲームの人気の高さが伺い知れる。

なぜここまで大衆の人気を得るまでに至ったのか。自由度が高いから、世界観が美しいからなど様々な理由をあげようと思えばいくらでも上げられるが私自身もここまでの人気になるとは当時思ってもいなかった。
というのもゲームの自由度の高さ故にプレイした人の数だけ物語が存在し、楽しかった点や面白かった点なども違ってくる。それだけ可能性が含まれたゲームなのだ。なので一概にここが良かったからウケたという一言では終わらせられない魅力が込められている。あるいはそういった点が当時のゲーマーたちの心に響いたのかもしれない。

またこのようなことは実は以前にも存在しており、それが1997年発売の時のオカリナである。

かつて一時代を作った未だ語り継がれる名作

こちらもかつてのゲーム大賞を数々受賞しており、Z注目などの後年のゲームへの影響は言わずもがなである。未だにプレイする人々が見受けられる本作は、シリーズの中でも一番好きだと言う人も少なくない。

このようにゼルダシリーズは時にゲーム界隈へ多大な影響を及ぼすくらいの大作を生み出す計り知れないシリーズなのである。
ではなぜそのような名作が生まれてしまうのだろうか。無論任天堂もといひげのおじさん青沼氏などの力の賜と言ってしまえばそれまでだが、ゼルダシリーズは常に挑戦し続けるゲームなことが一つ挙げられる。

挑戦し続けるシリーズ

挑戦とは何なのか。それは『今までのシリーズと変えよう』という部分である。
ブレワイのテーマである当たり前を見直すことだがそれはブレワイに始まったことではなく、今までのシリーズもこれまでとゲーム性を大きく変えようとしたものが多数存在している。
例えばビジュアル面で言えば風のタクトが挙げられる

現在はトゥーンリンクという名称で多くの人に親しまれている

2002年に発売されたこちらの作品だが時のオカリナやムジュラの仮面の次の作品であり、その二作品からは風体をガラッと変えている。
リアル寄りのグラフィックからアニメ調のグラフィックに変えた本作ではそれを生かした表現が多様に盛り込まれており、私もプレイしていて楽しんだ部分である。

またこちらには海を冒険するパートが存在しており、シームレスに大海を進んでいき見えている島に向かっていくというあたりは今のオープンワールドゲームに通ずる部分がある。

しかしながら大きく変わったグラフィックに拒否反応を示す人々が特に海外で散見されたのだ。
今でこそ受け入れられている画風ではあるが当時は賛否両論であり、その影響もあってか後年に出されたトワイライトプリンセスでは再びリアル調のグラフィックに戻っている。

またゲーム性においてはスカイウォードソードが挙げられる。

wiiリモコンをフル活用したダイナミックアクションゲーム

こちらは2011年にwiiで発売されたゲームでwiiリモコンのモーションセンサーをフルに活用してゲームを進めていく作品である。右にリモコンを振ればリンクも右に剣を振り、リモコンを付けば剣も突くというリンクと心身一体となって冒険できるなんとも楽しいゲームである。
当時金のwiiリモコン付きのセットを買った私は無我夢中でテレビにリモコンを振っていたのを覚えている。

こちらの作品はswitchでもリメイクが発売されており、joyconを使って当時のようにプレイできる他、他の操作方法でもプレイできるように作り変えられている。プレイした際は是非joyconでのプレイを選んでほしい。コントローラーを振りまくり敵をなぎ倒すあの快感はなかなか得難いものである。

またそもそもゼルダといえば3Dアクションゲームのイメージが強い人が多数だと思うが、そもそもFCで発売された初代は2Dゲームであり時のオカリナが発売されるまでは2Dアクションゲームとして長く展開されてきたのだ。
そしてそんな2Dゼルダの展開は今でも終わってはおらず、3Dゼルダシリーズと共にファンに長らく愛されてるのである。
2Dから3Dになりゲーム性も大きく変わった部分も『挑戦』の一つと言えるだろう。

上から見下ろす神視点で展開される2Dゼルダシリーズ


他の作品でも様々な施策が成されており、常にシリーズをプレイし続けるファンを飽きさせない、そんな部分が私を惹き付ける魅力のひとつなのである。

広がり続ける世界観

そんな多くの作品を展開している本シリーズだが、全ての作品における世界観は実は共通している。
どういうことかというと、作中に登場するメイン武器である『マスターソード』は全て同じものである。つまり時のオカリナのリンクが持っているマスターソードは、ブレスオブザワイルドのリンクが持っているマスターソードと全く一緒のものなのだ。
無論作品一つ一つのストーリーは完全に独立しており、どの作品からやっても楽しめるようにできてある。リンクもゼルダもその殆どが別人である。
しかしゼルダ史という(あるいはハイラル史と言い換えてもいいが)大きな視点で見れば、彼らの世界は全てある種の繋がりを持っているのである。

こちらは公式サイトで閲覧できるゼルダ史の一覧であるが、簡単に説明するとスカイウォードソードがゼルダ史における最初の物語であり、そこから時のオカリナで分岐し、各々の作品につながって行くという形になる。
先程言ったマスターソードはスカイウォードソードで作られる。そしてそのマスターソードが時系列で言えば一番最後になるブレスオブザワイルドまで受け継がれているのである。

このように作品個別で見れば繋がりの薄いシリーズだが、細かな部分で今までの作品を彷彿とさせるような部分が出てきたりするので、純粋に楽しめるのは勿論、ある種の考察を展開させるといった楽しみ方もできるのである。
こういう風にゲーム外の部分でも楽しめる作りになっているので、考えるのに事欠かないシリーズなのである。

無論これらは後付な部分も多々あるため真剣に考察をしたいという人にとっては納得いかない部分もあることだろう。しかし私としてはどの作品をプレイしていても他の作品が活きていることを感じる瞬間が好きで、プレイすればするほどゼルダの世界観が広がっていく感覚が堪らないのである。
あるいはそれは学校の授業で歴史を学ぶことと同じような感覚と言えるだろうか。

兎も角、あのとき冒険して一喜一憂したあの物語が他の作品に移っても確かに存在していたという痕跡を見つけたとき、得も言われぬ感動を体験するのだ。
そしてそれらはダイレクトに示されるのではなく、あくまでわかる人にはわかるというような形でひっそり残されているからこそそれを見つけられたときの感動もひとしおなのである。

シリーズ作品が更新されていくたびに増えていくゼルダ史。ゲームそのものを楽しむことも勿論だが、もう一つ密かな楽しみとしてそういった部分にも私は注目しているのである。


振り返ってみて

長々と説明したきたが、少しはこのシリーズにおける私の好きな部分が伝わったのなら幸いである。

一つの作品について語るだけでも膨大な時間がかかるシリーズなので今回は軽い紹介だけで終わったが、ここで挙げた以外の作品にも数多くの良作名作が揃っているので時間があれば是非触れてみてほしい。
現在switchでは先程挙げたスカイウォードソードHDやブレスオブザワイルドの他に、夢を見る島という作品のリメイクやSFCの神々のトライフォース、64の時のオカリナとムジュラの仮面といった作品が遊べる。全て名作揃いなのでどれからプレイしても問題ないだろう。

その知名度故に多くの実況者たちが動画を上げている作品ではあるが、このシリーズは実際に自分でプレイしてこそ本当の面白さがわかる作品だと私は感じている。
見るだけではもったいない、プレイして楽しい面白さが込められているゼルダシリーズだが、実は新作の発売日が既に決定している

傑作ブレスオブザワイルドの続きの物語

ゼルダの伝説:ティアーズオブザキングダムと題されたこちらの作品は、こちらでも紹介したあのブレスオブザワイルドの続編として2023年5月12日に発売される。まだしばらく先ではあるが私は既にこれをプレイするために今生きていると言っても過言ではない。
あの傑作の後の作品ということで皆の期待値も大きく上がっていることだろう。期待しすぎるのはあまりよろしくはないがこの私もやはり期待してしまっている。
だがそれ以上に私はその期待を大きく超えてくれるのを信じている。かつてのブレスオブザワイルドのように。

振り返ってみて改めて私はこのシリーズが好きだという確信がより深まった。子供の頃GBの夢を見る島をプレイしてから今に至るまで、思えば一番付き合いの長いシリーズなのかもしれない。
ゲームの楽しさを教えてもらい心を豊かにしてくれる拠り所、それが私にとってゼルダの伝説シリーズなのである。

さて長々と振り返ってきたがこうしてはいられない。書いていて再び熱が蘇ってきた。新作が出るまでにやれることはいくらでもある。
ブレワイをもう一度やり直そうか、他作品に再び手を付けようか。何にせよ振り返っている時間はもうない。再び走らなければ。
次の冒険はすぐそこまで迫っているのだから。

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