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【ラリーガ23-24全マッチレビュー】第1節〜前編〜

始まりました。アトレティコの試合を待ちきれずもう書き始めました。
前半5試合から振り返るぞ。

スカッドの印象も全チーム書いてるよ。背番号間違いとかあったら教えて!




①アルメリア 0-2 ラージョ

●新定番を探す旅

8/11
パワーホース・スタジアム
アルメリア 0-2 ラージョ
【ラージョ】’20 イシ(PK) ’28 エンテカ(PK)

●スカッドの印象
・アルメリア

ルビ監督が辞めてビセンテ・モレーノが就任。マジョルカ、エスパニョールを経て先季はサウジアラビアのアル・シャバブの監督をしていたそうです。たぶん4位だった様子。教授風なのでおじいちゃんだと思ったらまだ48歳らしい。もしかしてサウジマネー関連なんでしょうか
エル・ビラル・トゥーレがアタランタに2800万€で売れるなど相変わらず景気が良い。CBロドリゴ・エリーは南米に帰った。代わりにベティスからエドガル・ゴンザレスを獲得。中盤はサム・コスタとのトレードでイドリス・ババ(←マジョルカ)を獲得している。
監督の好き嫌いで随分起用が変わりそうなスカッドだが、果たして。

・ラージョ
イラオラ政権が終わり、フランシスコが就任。試練のシーズンとなる。
コメサニャとカテナ、フラン・ガルシアが去り、サヴェリッチ、マリオ・エルナンデスも移籍。最終ラインを一新することとなった。そんな中ルジュンを完全移籍に移行できたのは大きい。新たにアリダネ(←オサスナ)とエスピノ(←カディス)を加えた。カメージョがアトレティコに帰ったFWはラウル・デ・トーマスが鍵を握る。エンテカ、べべのがむしゃらマッチョコンビはレンタルから帰ってきたが用途はあるか。開幕週に駆け込みで降格したバジャドリードからCHキケ・ペレスを連れてこれたのは結構大きそう。コメサニャの穴を埋められるか

●マッチレビュー
キックオフからボールを保持したのはアウェーのラージョ。バレンティンとトレホを中心に左側から侵入を開始。エスピノは終始バタバタしていた。
敵陣に侵入するところまでは出来るラージョだが、再奪回が一向に機能せず攻撃が単発。トランジションの管理が甘いところをラマザニやラザーロの切替に振り回されて中盤でファールを連発した。

一方のアルメリアはビルドアップがあまり上手くいかず、変なところで突っかかってしまうがスアレス、ラザーロのCBの外側を抜けていくランニングが効果的で得点の機会を感じさせていた。ラージョはCBのスピードが余裕で心配。前プレを基本としたいが中盤ラインの背後を彷徨くラマザニをバレンティンが無視できず、低い位置まで引っ張られながらここはずっとやり合っていた。

ラージョはトップで起用されたエンテカに得点の匂いは全くしないもののポストプレーが妙に機能し、中盤に顔を出してボールに触るプレーも効果的だった。
そんなこんなで20分、気を良くしたエンテカが後ろ向きで浮き玉を処理しようとしたエドガル・ゴンザレスを追いかけ回してPKゲット。イシが決めて先制に成功する。28分にはハイボールをアキエメが思いっきり手で触ってまたPK。今度はエンテカが決めた。

守備ではトランジションをファールで止め続けていたラージョだったが、33分にドリブルで内側へ侵入してきたアキエメへの対応がとんでもなく淡白になり侵入を許す。スアレスが決定機を迎えたがディミトリエフスキがビッグセーブ。アルメリアは40分にもトランジションからラマザニ→スアレスで決定機。徐々に地上戦のペースを握るようになっていった。

後半。ラージョは中盤にウナイ・ロペスに替えてパテ・シスを入れて物理的にネガトラと中央の強度を補完。結果的に効果アリだった。
アルメリアはマドリーから来たセルヒオ・アリバスにトップ下を任せる。ラマザニは右サイドに。CHのロベルトーネとババの左右を入れ替えて、ラージョの進んでくる左側にババを置いていたようだが、トレホはわかりやすくババのいない側へ移動していった。
後半開始からアルメリアのラマザニが縦パスを受けて前を向いて前進、を何度も繰り返し、ラージョはこれを止める方法が全くなくファールを繰り返す。ラマザニも相当イライラしていたが、君はもう毎週そういうファールされるレベルの選手でしょう。アリバスが中距離のパスを繰り出してピッチ全体を使えるようになり、いくつかチャンスを作ったがここで決めきれなかったのがこの試合の結果を決めてしまった。アルメリアは全体的にクロスの質も低かったのが残念。
アリバスが入った後はエンバルバとスアレスがどのエリアを使うのかが全く整理されていない感じがしたが、ここは今後の伸び代でしょう。特にエンバルバは自分のプレーしやすい場所に勝手に動いていっている感があり、結構持ち場からいなくなりがち。それで機能するならいいが、左ワイドに留まることはほぼないので左SBの攻撃参加が必須になりそう。アキエメは大外からの攻撃では存在感は微妙なのでセンテジェスの方が効くかも。

ラージョは後半は防戦一方。サルビ・サンチェスを入れてなんとなく陣地回復する機会はあったがラストサードで脅威を与えることは出来ず、終盤はチャバリアを入れるなど色々諦めてとりあえずこの試合の勝利を優先した。何はともあれ新監督対決に勝利して今季最初の3ポイントをゲット。CBのスピードやネガトラなど対応急務な弱点と向き合っていくことになりそう。

●ピックアップ選手
ラージー・ラマザニ(アルメリア)
先季は出場機会が減る時期もあったが、やはり狭いエリアで前を向く技術は突出している。何気ない反転でマークを振り切ってスピードアップした。被ファール5回は両チームトップ。まだまだ奥が深そう。




②セビージャ 1-2 バレンシア

●元気がなければどうにもならない

8/11
ラモン・サンチェス・ピスファン
セビージャ 1-2 バレンシア
【セビージャ】’69 エン=ネシリ
【バレンシア】’60 ディアカビ ’88 ハビ・ゲラ

●スカッドの印象
・セビージャ

先季終盤にチームを立て直したメンディリバルが続投。プレシーズンでも前プレを軸に"らしい"試合をしていた。走るチームになりそう。ベテラン多めなのが多少心配だがFWのラファ・ミル、エン=ネシリがそういうサッカーに合いそうなのは好材料。モンチが去ってもCL戦士ジブリル・ソウ(←フランクフルト)を連れてくるなど抜け目ない。最終ラインの怪我人に気をつけて先季のリベンジを狙う

・バレンシア
選手が出ていくと言ったら引き留め不可能な空気があるバレンシアはユヌス・ムサとクライファートを売却。カバーニと契約解除。リーノはアトレティコに戻った。中盤にペペル(←レバンテ)を加えたがアタッカーが少ない。カンテラーノに頼りつつまだ補強はありそう。暗黒期の底と思いたいが、無限に湧いてくる若手で乗り切れるか。今季の注目はハビ・ゲラ。

●マッチレビュー
ディアカビを中盤で起用する衝撃のシステムを披露したバレンシア。アルメイダは中央に留まり、守備ブロックも左右の自前若者、フラン・ペレスとディエゴ・ロペスに期待する色々なことに配慮していそうな配置を見せる。この2人はどっちがどっちかよくわからん。ディアカビは10分に早速イエローをもらっている。そしてアフロからコーンロウにモデルチェンジしたロイク・バデに見張られたウーゴ・ドゥーロは相手CBを追っかけ回す以外特に仕事ができなかった。

前半から案外ボールを持てず、プレスも思いの外ハマらない時間を過ごしたセビージャ。バレンシアは特に狙いを持ったハイプレスを展開したわけではなかったが、2CBと2CHが効果的に時間を作れず苦労した。20分過ぎにバレンシアの配置を把握するとようやく前プレのスイッチを入れ、右へ流れていくスソが縦パスを受け始めて侵入を開始する。一方、中盤の支配はバレンシアが続けており、主に右サイドからワイドを広く使ってクロス、ゴール前で誰が合わせるねんの攻撃を続けていた。支配していたと言っても元気で支配していたという感じだが。元気は大事。

展開を変えたいセビージャは56分にラメラに替えてオリベル・トーレス。このタイミングからカウンター合戦になり、60分にバレンシアが先制。最後は慣れない縦挙動を頑張っていたディアカビのところにボールが来た。アルメイダはロマン。すかさずフルキエとハビ・ゲラを投入して引き続き運動量を確保する。
全く中盤の主導権を握れないセビージャは69分にようやくジブリル・ソウを投入。同時にヘスス・ナバスに替えて26番のフアンル・サンチェス。この選手はプレシーズンで良かった。
直後にスソのピンポイントのクロスにエン=ネシリが合わせて同点。2人の得意なプレーがピタリと合った。

81分、バデがハイボールの処理を誤りウーゴ・ドゥーロを掴んで止めてしまい、DOGSOで退場。今季ラリーガ第一号。ここまでパーフェクトにウーゴ・ドゥーロを抑え込んできたが残念な結果に。
結局88分、バレンシアが数的優位を生かして左サイドを突き進み最後は期待のカンテラーノ、ハビ・ゲラの決勝点。上手いフィニッシュだった。ロスタイムになってようやくセビージャが押し込む時間を作ったが、バタバタしながらもバレンシアが耐え切ってゲームセット。
セビージャは選手が豊富なので全然別の選択もできるチーム。次に期待。バレンシアは良い意味で若さを押し出せていた印象。ストライカーは泣き所だが、得点パターンをどこまで突き詰められるか。

●ピックアップ選手
スソ(セビージャ)
左足を振れる状況にあれば決定的な仕事ができる。ファーに消えるエン=ネシリに合わせるクロスは必殺の精度。自身は右サイドへ流れていく形を多用したが思うようにボールが出てこなかった。
チームの保持時間が長くなれば登場機会が増えそうだが、保持時間を伸ばすならスソではない気もする



③ソシエダ 1-1 ジローナ

●その設計はなんのために

8/12
レアレ・アレーナ
ソシエダ 1-1 ジローナ
【ソシエダ】’5 久保
【ジローナ】'72 ドフビク

●スカッドの印象
・ソシエダ

CLに挑むソシエダはダビド・シルバが無念の引退。FWはスルロットを確保できなかったがアンドレ・シウバ(←ライプツィヒ)が来た。あとは右SBにアマリ・トラオレ(←スタッド・レンヌ)を加えたくらいで基本は先季のメンバーがベース。どこまで進めるか

・ジローナ
ロドリゴ・リケルメ、カステジャノス、ハビ・エルナンデスがレンタル満了。ロメウはバルサに買われた。バイエルンからブリントを連れてきてまたもや謎のウクライナルートでストライカーのドフビクを補強。バルサからパブロ・トーレを借りる中盤の構成が鍵になりそう

●マッチレビュー
ダビド・ロペスの縦パスを攫ったアイエン・ムニョスの突破から最後は久保が決めてホームのソシエダが幸先良く5分で先制。
ジローナは徹底的にボール保持に拘る。ダビド・ロペスとブリントのCBを選んだ時点でまずはそこにチャレンジする意志が見える。この2人に右SBのアルナウの3枚で後方保持。アレイシ・ガルシアを中央に置いて左SBのミゲル・グティエレスが中盤に。右はヤンヘル・エレーラがさらに高い位置へ。大外はサヴィオとヤン・コウト。両翼を逆足にした意図は不明

ツィガンコフは右へ行ったり左へ行ったり。縦パスを足下でもらうような動きはないのでフラフラしてる。全体的にソシエダが人を捕まえに行くと突破口を見出せず突っかかってしまった。ちょっと配置に拘りすぎて頭でっかちに見える。結果ヤン・コウトの裏に蹴っ飛ばすしか手段がなく、中盤タスクのはずのミゲルが必死に大外を追い越していった。ロングボールはストゥアニの中央のポストプレーに頼る場面が増えていき、あまりユニットでエリアを打開するような狙いを出せなかった。

ホームのソシエダは先制したものの割と受け身。同数の前プレを当てて相手のミスを拾うとトランジションでオヤルサバルがゴールへ迫った。久保を中心にブライス・メンデス、トラオレが絡む右サイドのトライアングルはジローナを困らせてチャンスメイクできていたが、悪い意味でバルサ化している。

後半も主導権はジローナ。しかしビルドアップがバタついてロストからピンチを招く。68分には前プレからオヤルサバルに決定機が。
直後にジローナは3枚替え。後方保持で突っ掛かり、なかなか縦パスを入れられなかったがパブロ・トーレがその役割を担当。そして中央では微妙だったツィガンコフが右WGに移動して質を発揮し縦突破。最後は新加入のターミネーターみたいなガタイをしているドフビクの頭に合わせてウクライナコンビで同点に成功。ジローナは選手交代が大当たりした。
ソシエダはこの失点でようやくボールを握ろうと画策。バレネチェア、サディーク、ショーを投入してゴールへ推進力を出そうとするが結局単発のカウンターに終わり、替えれば替えるほどにブライス・メンデス個人の負荷が重くなっていった。アウェーのジローナは1ポイントを受け入れてペースダウンし、ドロー。ソシエダは納得していない試合だろうが、内容から言えば妥当な結果に。
ジローナはまだ開幕戦なのに最終ラインはまあまあヘロヘロだったのは考えもの。ペースをコントロールしながらボール保持に傾倒していけるのか、ツィガンコフ&ドフビクの腕力に期待して蹴っ飛ばす時間があっても良いかも

●ピックアップ選手
パブロ・トーレ(ジローナ)
バルサからレンタル加入。期待されたのはライン間の縦パス受けだろうが、見事に得点に繋げた。相手CBへのプレス強度も担保し、フィットできる予感がある。



④ラス・パルマス 1-1 マジョルカ

●浪漫派の挑戦はどこまで

8/12
エスタディオ・グラン・カナリア
ラス・パルマス 1-1 マジョルカ
【ラス・パルマス】’28 ヴィエラ(PK)
【マジョルカ】’70 ライージョ

●スカッドの印象
・ラス・パルマス

17-18シーズンに降格して以来久々の昇格。ラリーガでも上位の浪漫派の印象だが。
補強も大人しめでシンクグラーフェン(←レヴァークーゼン)やムニル・エル・ハダディ(←ヘタフェ)を獲得したに留まる。昨今のラリーガ残留には強度も必要になるが、お手並み拝見。

・マジョルカ
先季は終わってみれば9位と躍進したアギーレマジョルカ。イ・ガンインとルイス・デ・ガラレタが抜けるのは相当厳しそうだが、最終ラインの人員はほぼ先季の通り。中盤は怪我がちだったイドリス・ババと交換でサム・コスタ(←アルメリア)を補強した。おそらくアギーレがある程度"ルイス・デ・ガラレタに似たタスクが出来る選手"をリクエストしたと予想する。前線の目玉として先季バジャドリードで冬の加入ながら8ゴールと爆発したサイル・ラリンをゲット。ムリキとの化学反応に期待。開幕戦直前には降格したエスパニョールからエースのダルデルも獲得するなど積極的な夏となった。

●マッチレビュー
良い天気のカナリア諸島、グラン・カナリア島で昇格チームのホームゲーム。
やはり綺麗な配置、確かな技術でボールを持つラス・パルマス。5-4-1のマジョルカが相手ということもあるが、圧倒的にボールを支配した。
2CBから配球し右SBのレモスが出口に。両IHの列落ちと、トップのジョナタン・ヴィエラが中盤に落ちてきて中央を空ける。敵陣ではヴィエラが左右に顔を出してプラス1を作った。
サンドロ・ラミレスが右ポケットを取れそうになってきた26分頃に、PK獲得。これをジョナタン・ヴィエラが決めてラス・パルマスが先制。久しぶりのプリメーラを堪能する。

なかなか切り崩せないマジョルカだったが右サイドに蹴っ飛ばすだけで普通にチャンスになっており、ラス・パルマスの守備は普通に心配。ジャウメ・コスタがムリキを狙ったハイボールに対しても無防備、無抵抗。そこから39分にPK献上。しかしムリキがバーに当てて外す。

一応、マジョルカは3CBとマスカレル、モルラネスで有機的な縦パスを狙って、WBを押し上げる。ここの上下動が今季も鍵を握りそう。イ・ガンインがやっていたジョイントタスクをダルデルにやらせるのかな。なんか違う気がするけども。前半ロスタイムにも裏一発でアマトが決めるが、オフサイド。ラス・パルマスはボールホルダーに圧力がかからないと一気にひっくり返される形を連発し、危険な橋を渡っている感じがある。

後半。マジョルカは早速新加入のダルデルを使う。ジオバンニ・ゴンザレスに替えてライージョも出てきた。ヴァリエントが右に移動。ラス・パルマスは中盤3人の立ち位置が変わった気がする。サンドロ・ラミレスも左に動いている。

点が欲しいマジョルカは60分にラリン、サム・コスタを投入。ダルデルの配球とラリンの機動力でゴリゴリに押し込んでチャンスを作り続けたマジョルカは70分、CKにライージョが合わせて同点。その後もマジョルカが勝ち越しを狙う展開が続いたが決めきれず、ドロー。昇格組のラス・パルマスは上々の出発となったが、さあ守りましょうとなった際の方法論には大いに課題を感じる。両ゴール前での説得力はもう少し欲しい。マジョルカは不本意な失点はあったものの攻撃に転じるスイッチも持っており、今季もやれそう。両WBのスタミナがどこまで保つか。

●ピックアップ選手
ジョナタン・ヴィエラ(ラス・パルマス)
中国にいましたよねで有名なヴィエラさん。地元ラス・パルマス出身なんですね。いわゆるゼロトップムーブで中盤に降りてきて前進を助けた。PKも上手かった。



⑤アトレティック 0-2 マドリー

●新時代を匂わせる

8/12
サン・マメス
アトレティック 0-2 マドリー
【マドリー】'28 ロドリゴ '36 ベリンガム

●スカッドの印象
・アトレティック
ルイス・デ・ガラレタ(←マジョルカ)を中盤に加え、イニゴ・マルティネスがバルサへ移籍。バレンシアガも抜けて強制的に若返りが進む。あとはレンタルバック組のニコ・セラーノやビジャリブレの扱いくらい(ニコ・セラーノはズヴォレにレンタル)で、相変わらず明朗かつスリムなスカッド。バルベルデ体制2年目の上積みを楽しみたい。

・マドリー
ベンゼマが抜けて生まれ変わるチームはアセンシオ、アザール、マリアーノとFWが一斉移籍。補強の目玉はジュード・ベリンガム(←ドルトムント)であとはホセル(←エスパニョール)とフラン・ガルシア(←ラージョ)を追加。レンタルバックでブラヒム・ディアス(←ミラン)が帰ってきた。未来への補強は18歳のアルダ・ギュレル(←フェネルバフチェ)
9番を空けて待つわがままな恋人はこの夏到着するのか。そして開幕直前に大怪我をしたクルトワの穴は。

●マッチレビュー
アトレティックはCBパレデスがトップ登録されてスタメン。30番のウナイ・ゴメスはカンテラーノ。マドリーはカルバハルがキャプテンマーク。ベリンガムはプレシーズン同様にトップ下風から非保持で左に入ったりというポジション。

アトレティックは早速ニコを擦るがベリンガムのとんでもないスライディングが飛んでくる。流石である。このプレーの直後、ニコとムニアインが左右を入れ替えている。
マドリーは自陣から保持するがアトレティックはウナイ・ゴメスがチュアメニ番。ヴィニシウスがビビアンの横から裏抜けするのでこのエリアの使い方がポイントになりそう。フラン・ガルシアはいまだに転校生感が強い。

28分にマドリーが先制。タッチラインを踏んだロドリゴから内側に立ったカルバハルの裏へ配球。リターンをもらったロドリゴがそのまま決めた。見返すとベリンガムの関与が大きく影響していそうな抜け出し方。
その後もCKからアラバのヘディング、ヴィニシウスの抜け出しなどで前半から複数チャンスを作るマドリー。36分にCKにベリンガムがフリーで合わせて2点目。どこまでも大物であることを印象付ける。

後半アトレティックは3枚替えでペースを変えようと画策。ベレンゲル、サンセ、グルセタを入れて形を変える。前線は真ん中グルセタ、右イニャキ、左ベレンゲルに替える。トップ下にサンセ。
開始早々ミリトンが少しまずそうな痛め方で交代に。左膝を捻ってしまった感じに。リュディガーと交代。

後半、アトレティックが選手交代の勢いを持って攻勢に。PA付近までは接近するがマドリーの最終ラインも隙を見せず、ヴィニシウスのカウンターをチラつかせていく。ベリンガムも意味のわからん推進力を見せてトランジションを一人で解決する能力を見せる。ズルいです。

64分にベスガ→アンデル・エレーラ。点が欲しいアトレティックは前から捕まえにいく意識を強めていくが、前から来れば来るだけ人数をかけてプレスを剥がし、剥がしてしまえばロドリゴ&ヴィニシウスだけでゴールまでいけるマドリー。度々カウンターを繰り出しながら80分にようやくホセルを投入する。特にピンチもないまま2-0でクローズした。ゴール前の強度も高く球際で譲らなかった。特にシュートブロックによく足が出ていた印象。アラバ、チュアメニなど。あとルニンも普通に良かったです。ケパ(←チェルシー)を補強するそうですが。

アトレティックはルイス・デ・ガラレタが問題なく組み込まれた、パレデスに目処が立ったなどのポジティブな側面もあったが、マドリー相手とはいえサン・マメスで淡白な敗戦となった。アタッカーの最適解探しはまだまだ時間がかかりそうである。

●ピックアップ選手
ジュード・ベリンガム(マドリー)
白い巨人のサッカーを変えてしまう可能性を秘める20歳は上々のデビュー。この日だけでも複数の配置に組み込みながら化学反応の着火を待つ。



前半はここまで。はやくアトレティコ見たいね。

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