積み重ねる 19節 アトレティコvsラージョ(H) 2022.1.2

明けましておめでとうございます。本年も、どうぞ宜しくお願いいたします。やっていきましょう。


アトレティコの新年初戦は1月2日。ラージョとのダービーマッチ。12月4日以来約1ヶ月ぶり、久しぶりのホームゲーム。4位vs5位の上位対決でもある。

欧州でまたも猛威を奮い始めているコロナの影響でアトレティコもシメオネ監督を筆頭にコケ、グリーズマン、エレーラ、フェリックスが感染。
ラージョ側も17人が陽性だったとの事で。どうなるやらである。


●スタメン
・アトレティコ

オブラク
トリッピア / ヒメネス / エルモソ / ロディ
コンドグビア / デ・パウル / ルマル / カラスコ
コレア / スアレス


ロディスタメンは12/5マジョルカ戦以来
カンテラーノを途中から使う予感


・ラージョ
ルカ・ジダン
バジウ / サヴェリッチ / マリス / フラン・ガルシア
コメサニャ / バレンティン / ウナイ・ロペス / イシ / ケビン・ロドリゲス
セルジ・グアルディオラ


開幕戦で謎の退場をしたルカ・ジダンがそれ以来の出場
色々要所の選手が不在だがどうなるやら

スタメン



●前半
双方の保持を見ていく。
まずアトレティコは、カラスコを右に置いて4-4-2。
保持では大外を右カラスコ、左ロディが取る関係でトリッピアは最終ラインに残る。

保持1


3-2-4-1くらいの配置
ラージョは非保持はウナイ・ロペスが前に出て4-4-2で同数プレス

保持2


同数で前プレ
勇敢ではあるが、効果的ではなかった。まあ ラージョはアトレティコが4-4-2だと思ってなかっただろうし、コンディションも不透明なので何とも言えない部分は、ある。15:50の右サイドでトリッピアがフリックしてカラスコが簡単に裏を取れた場面などを考えても、ラージョのリスクマネジメントはあまり正しくなかった。


ラージョの保持。

非保持1


ライン間を使いたいが、コンドグビアとデ・パウルの出足が良く、CHが上手く前を向けず中継するポイントがないので仕方なくハイボール、競り勝てない、精度が伴わない、みたいな連続で前進できず。

アトレティコが4-4-2で来ると思っていなかった部分もあるだろうが、落ちていくCHをコンドグビアorデ・パウルが捕まえに行くプレスに抵抗できず。
9:10のシーンのようにライン間に速い縦パスが入る場面もあるにはあるが、これは受け手のクオリティの問題もあった。
オスカル・トレホがいない、とかアルバロ・ガルシアが相手の注意を引けない、とか。そういう影響は大きいでしょうねと。

非保持2


で、コメサニャのサリーに切り替えた。アトレティコは対人でやられる箇所が見当たらなかったので、特に苦労する事もなく。

アトレティコは噛み合わせが良い間に先手を、という試合展開で、28分にようやく先制。デ・パウルとカラスコで右サイドを破壊し、最後は混戦の中からコレアがゲット。デ・パウルの大外タスク、というおれが喜ぶ形で取った。


ラージョは事前に想定していた噛み合わせにならず、修正しようにもコロナの影響等でベンチメンバーが思うように揃わず、動くに動けなかった、というところだろう。ちょっと可哀想だった。アトレティコのプレスに選択肢を消され、可能性の低いロングボールに終始した。


●前半終了
前半はアトレティコが1点リードで終了。
ラージョはセカンドボールの出足も悪く、準備時間がなかったんだろうなという45分になってしまった。単純なボールロストも多く、ドタバタしていた。ルカ・ジダンのロストは多分普通に下手なだけだが

・違いを生んだ両SBのクオリティ
4バックの左右をトリッピア&ロディでやる、という試合はめっきり減ってしまったが、ビルドアップにおいてはこの2人のクオリティは抜群である。非保持の質もかなり高く、前半の趨勢を決めたと言っていい。トリッピアは普段と違い、大外に立ちたがるカラスコとの関係で内側のレーンに立つ事も多く、巧みにボールを引き出した。ロディは上下動の質が高く、ルマルの邪魔をしない位置取りも良い。36分にはPA侵入から良いシュートもあった。

ラージョの両SBは、駆けっこと球際勝負になれば活きてくるが、保持がままならずネガトラを繰り返す展開では特徴を出せなかった。右サイドはイシが内側に入ってバジウを押し出す狙いが見られたが、イシが内側ではボールを受けられず外側へ来てしまい、バジウとのコンビネーションを使えなかった。(後半頭からここを替えた)


●後半
ラージョはイシ→アンドレス・マルティンを替えてスタート

アトレティコが53分に追加点。リスタートからフリーで球出し出来たコンドグビアから、ライン間のルマルへ。大外のロディからコレアでゲット。これで楽になった。


・配置変更
このゴール後、シメオネがコレアを呼んで配置変更。4-5-1にした

画像6


カラスコは左へ
アトレティコが4-5-1をやる度に言ってる気がするけど、この配置はいわゆる引きこもりではない。以前どこかの試合で図にしている。どの試合だかわかる強者がいたら教えてください。
この配置は、むしろ5枚の中盤が次々とボールプレスに飛び出す構造になっており、じっくり押し込もう、という相手の出鼻を挫く意図がある配置である。なので短時間だけ採用する事が多い。もちろんついでにバジウのハイポジションをケア出来るのでね。


ラージョは59分にトレホとべべを投入する。トレホは、30分だけという感じなのかな。トレホが入って明らかにラージョが全体で前進出来るようになった。

で、65分にカラスコを右に戻す。シメオネの考えは理解しきれなかったが、67分にカラスコがポスト直撃のシュートでトドメを刺しそうになった。その後もいくつかチャンスを作りながらラージョに得点機を与えずにクローズした。


●試合結果
2022年初戦はとにかく勝利で終えた。
この試合で印象に残ったのはやはりコレアだ。
グリーズマンとフェリックスがコロナでベンチ外、という状況がなければ、現在の序列ではスタメンはなかっただろう。ここで90分使われて、しっかりと2ゴール。こういうところが彼が愛される所以だろう。誰が見ても気持ちのいいパフォーマンスだった。
あとは前半のところでも書いたがトリッピア、ロディの質。トリッピアには残留して頂きたい。
ヒメネスは15節以来、ようやくピッチに戻って最終ラインの安定感は段違いに変わった。なお、早速累積5枚目で次出られない。コパ90分出ろよお前

この2チームに限らず、どこも大変な状況が続くが、マドリーが早速負けたりベティスも負けたりと、やはり一筋縄ではいかない今シーズン。一つ一つ積み重ねたい。


1/2
ワンダ・メトロポリターノ
アトレティコ 2-0 ラージョ
【アトレティコ】’28 ’53 コレア


●ピックアッププレー
53分の2点目。ルマルの良さが出た場面。
速いリスタートでフリーでコンドグビアが前向き

画像7


配置が良いね。スアレスがCBにチャレンジしながら、コレアとルマルがライン間で人と人の間を取っている。カラスコとロディは大外。

ここで、ラージョのCBがずるずる下げられるのは仕方ないにしても、バレンティンの対応が少し淡白だったかな。あとバジウのマークも曖昧。その角度からボールにチャレンジしても何も出来ないんだから思いっきり引くべきだったね。

画像8


ルマルがドリブルで引きつけながらロディの裏に出して勝負あり。
アトレティコとしては、リスタートの場面で全員正しい配置をしていた事が大きかった。好きなゴールです。


●ピックアップ選手
コレア
2ゴールで勝利に貢献。縦パスの引き出し方も良く、出現するサイドを選ばない神出鬼没な動きも良かった

トリッピア
このくらいの強度の試合だと後方3枚での構築も大外でのプレーも桁違いのクオリティ。カラスコとコレアを自在に動かした

ヒメネス
11/28カディス戦以来の復帰。4バックの2CBでの安定感はやはり格別。球出しも良かった。

コンドグビア
前方への守備が良く効いていた。ビルドアップでもそれなりに余裕があり追加点の起点に。主に両サイド大外へのキックで展開を動かした

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