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さあ休もう。 33節 アトレティコvsグラナダ(H) 2022.4.20

ミッドウィークはグラナダ戦。これでシティ戦から3試合続けてのホームゲーム。

残留争い真っ只中のグラナダは前節、最下位のレバンテにホームで1-4大敗。仕切り直しの一戦となる。

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試合前時点の暫定順位表(transfermarktより引用)
今季はジェットコースターのようなシーズンを送っているが、周りの上下動が激しすぎてむしろこの辺の順位に安定しているようにさえ見える。ちなみに最近6試合で16失点となかなか崩壊気味だ。

前回対戦はこちら

2021年内の最終戦で1-2の逆転負け。年末4連敗の4つ目。グラナダは5バック相手の攻撃がとても上手かった印象。カウンタープレスも速くてデ・パウルが苦戦していた試合。


●スタメン
・アトレティコ
オブラク
サヴィッチ / エルモソ / ヘイニウド
コケ / デ・パウル / セラーノ / ジョレンテ / カラスコ
コレア / グリーズマン

フェリペとコンドグビアが出場停止のアトレティコ。
エルモソはあの2/6バルサ戦以来、久々のスタメン。
中盤は期待のカンテラーノ、ハビエル・セラーノがプリメーラ初スタメンとなった。
フェリックスが怪我をしたFWはコレアとグリーズマンの組み合わせ。(フェリックスはシーズン終了との事)
ジョレンテはここでもスタメンだったらさすがにサイボーグだなと思ったが、もうほぼサイボーグだと思われる


・グラナダ
マキシミアーノ
ビクトル・ディアス / エスクデロ / ドゥアルテ / キニ
ミジャ / ペトロビッチ / アレックス・コリャド / プエルタス
マチス / ルイス・スアレス

CBはスタメンに定着したラウル・トレンテが怪我。相棒のヘルマンは前節ちょっとかわいそうなハンドで退場。普段と違う組み合わせでどこまで耐えられるか
いつの間にか監督が変わっている。ルベン・トレシージャを解任して、アイトール・カランカが就任初戦となる。


●前半
アトレティコが圧倒的にボール保持できた前半。アトレティコの中盤はセラーノを真ん中に、右にデ・パウル、左にコケ。
基本的には後方3枚+セラーノとコケで前進。

グラナダは前から圧力をかける。
真ん中のルイス・スアレスとコリャド。それとマチスが主に前3枚でプレス。アンカー(セラーノ)を消しながら5人で圧力をかけてくる。
圧力とは言ってもたいした強度でもなく、なんとなく同数。ここで奪う、という意欲があるわけでもない。アトレティコは一つ前を狙うパスで簡単にひっくり返す。3つ取り上げる。

サヴィッチからの球出し。セラーノを飛ばしてコケ。グラナダはボールにやや食い付きすぎて外される。グリーズマンがライン間前向き。

SBのジョレンテを追い込もうという意思は見られるグラナダのプレス。圧力が不十分なまま、間に顔を出したデ・パウルへの楔を使える。この場面はスルーしてコレアが前向きに。

サヴィッチがフリーで前向き。
ライン間にグリーズマン、コレア、デ・パウルが立つ。
ここではデ・パウルが消えて、コレアがボールを引き出した。前向きになれればチャンスだった。


グリーズマン、コレア、デ・パウルの3人は”速いパスを引き出して、スルーして一つ先”という狙いを明確に使えており、有効な前向きをいくつも作れた。
これだけ簡単に前進しつつ、カラスコは割といつもキニとタイマンできる状態で、ここにコケとヘイニウドが関わってくるので、これも簡単にカラスコの質を使える。

カラスコの質を生かす、という狙いが共有できていたので、グリーズマン、コケ、ヘイニウドの関わり方の意思疎通が簡単。
あとはPA内でタイミングが合えば、という場面を連発したが、パスが永遠に合わないまま前半を終えた

●前半終了
0-0で通過。2-0や3-0でもおかしくない内容を過ごした。こういった内容の45分をシメオネがどのように評価するのかは興味がある。メディアには"良い前半を過ごした。先制点は欲しかったが。"みたいな受け答えになると思うが。
縦パスがバンバン刺さるから、逆に全体で相手を押し込むような攻撃の数はむしろ少なかったように思う。中盤の広大なスペースを使われ始めると、グラナダにカウンターの隙を与える展開になりかねない。その時に"セラーノアンカー起用が仇となった"という結末がない事を願うが、見てみよう。


●後半
2枚替える。
スアレスとヴルサリコをin
交代はセラーノとヘイニウド。ヘイニウドはイエローもらったからね。退場を警戒したいからな、最近。

セラーノは結局45分で交代。セラーノ→スアレスの交代で単純にゴール前の人数を一人増やす

今のチームで考え得る最大のビルドアップ得意メンツ、かな?セラーノの45分間の感想は後ほど

後半も試合展開は変わらずアトレティコがボールを持って、グラナダ側のハーフコートで試合をする。アトレティコは、これも前半同様にどこかでスイッチが入れば、このパスがピタッと通れば、というところがとことんキマらず、時間だけが過ぎていく。ピタッとハメられるほど身体のキレがあったようにも思えない。

アトレティコはコレアに替えてロディ、グリーズマンに替えてクーニャとカードを切るが、何かが劇的に変わる事もなく。グラナダも変化を望んでいる様子はなく、試合は死んでいく。

とにかくFWがいっぱいいるグラナダは76分、バッカとモントーロが出てくる。狙いはわからん。何となく変えてみた感じ。
しかしアレックス・コリャドはトップが合ってるのかは謎だったがスペースを探すのは上手そう、という感じ。バルサ産らしいが、なるほどである。


終盤、アトレティコよりもむしろグラナダがかなりキツそう。得点を諦めて撤退していく。アトレティコは相手守備を崩す糸口を探せなくなり、執拗にジョレンテとヴルサリコで右サイドを突っつく。
88分にようやくジョレンテの脚が限界に。もっと早く替えてあげても良かった気もする。交代でジュリアーノ・シメオネがプリメーラ初出場。元気だった。

89分にはカラスコがようやくPA内を切り裂いてクーニャに決定機が来るがまたクーニャ。もうクーニャ。試合終了。


●試合結果
0-0のドロー。ラリーガでは久しぶり、5節アトレティック戦以来のスコアレスドローとなった。意外と。
と思ったがシティ戦2ndレグがスコアレスだったね。まあいいか

これが3週連続のミッドウィークの試合でもあり、まさにコンディションの底という感じ。欠場者もいて、なかなか厳しい戦いとなってしまった。
降格争いが退っ引きならないグラナダからすれば、アウェーのアトレティコ戦は引き分けでOK。様々な要素が引き分けに向かっていた事は否定しない。

特にジョレンテのコンディションはかなり厳しそうであった。さすがの彼にも疲労はあったらしい。多少は。まだギリギリ人間だったようだ。スピードでシンプルに抜け出す事はなかなか難しく、グラナダの低いラインとも相性はかなり悪かった。彼が活きる試合ではなかったし、飛び抜けられるコンディションでもなかった。


■ハビエル・セラーノの仕事
ようやくプリメーラ初スタメンとなったカンテラーノのハビエル・セラーノ君19歳。コケの横でたくさんお勉強、という試合となった。
まあこういう起用でシメオネがどこまでタスクを絞って指示しているかは微妙なところ(フワッと伝えて好きにプレーさせる印象)だが、たぶん与えられていた役割は

・ビルドでは真ん中でHVからボールを受けられる位置に立つ。サリーや大外移動で逃げない
・保持で押し込んでいる時は、後方が2枚ならネガトラ配置。相手FWの足下へのパスを狩れる立ち位置

の2つくらいしか指示されていないと予想する。けっこうまじで
そして運が悪い事にグラナダのプレスはアンカーを殺す配置だったと。当然セラーノ対策なはずがないので、コケだと思って殺しに来たか、この新監督の非保持プランは基本的にアンカー殺しなのか。ちなみにおれは、勝ちたい次節のセルタ戦(ホーム)の練習とかじゃないかと思ってる

セラーノは、保持においてはまずアンカーポジションで顔出し。相手が結構近かったが、お構いなしにボールが出てきたところを見ると、練習でも狭いところで受けられているのだろう。ただ、無理すれば前を向けそうな場面でもダイレクトでエルモソに戻す選択ばかり。気になったのは、そもそも自分の背中の人数関係を把握してボールに寄っている印象がなかった点。パスの狙いも近いところが多く、中央はあまり得意じゃないのかなと思ってしまった。
ただチームとしては、ビルドアップではセラーノの向こう側へのパスを有効に使って前進できていたので、まあ良かったのかも。ただそもそも”それならアンカーいらなくね”となり、後半はトップのスアレスに交代。実際アンカーがいないと困る、という事も一切ない試合だった。

ネガトラ配置においては、前半ヘイニウドが攻撃参加する機会が多かったので、中央でカウンター対策のポジションを取っていた。
実際は右はジョレンテ、左はヘイニウド、近くにはコケとデ・パウルというネガトラの化け物に囲まれた過保護配置だったので、彼の能力が試される場面は訪れないまま、交代となった。諸々次回に期待といったところ。


さて、5位ベティスを引き離したいところだったがここで足踏み。代表戦、しかもW杯出場決定戦だった選手が多く、その後はCLシティ戦含めミッドウィークも戦い続けた。厳しいカレンダーの中、よく頑張りました。今週末は束の間の休息。ホアキン・サンチェスの生き様を、みんなで見送りましょう。
気づけば21-22シーズンも残り5試合。CL圏の死守へ向けて、次はアウェーのアトレティック戦。厳しい戦いになる事は間違いないが、なんとか勝利を。まずは、しっかり休もう。


4/20
ワンダ・メトロポリターノ
アトレティコ 0-0 グラナダ

●ピックアップ選手
グリーズマン
ボールの引き出し方もカラスコの使い方も狙い通り、という感じのパフォーマンスだったが、1点欲しかった

コケ
縦移動でボールを引き出し、機動力で攻撃を活性化させた。両チーム断トツトップの93本のパス成功。疲れ知らず。

デ・パウル
元気に動き回ってこの日は両チーム最多のボールタッチ数。試合を動かし続けた。

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