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絶望の中に光を探す コパデルレイ4回戦 アトレティコvsレバンテ 2023.1.19

コパデルレイは4回戦。勝てばベスト8の試合。
くじ運も良く、セグンダのチームを引くことができたが先季降格したレバンテとの試合になった。アトレティコとしてはここ2シーズン勝つことのできなかった相手に思わぬリベンジの機会。

そのレバンテはここまで10勝10分3敗で3位。昇格を狙える圏内にいる。絶妙にプレーオフは弱そうなのでストレートインを狙いたいところ。
選手は、降格後に長期契約を結んで話題になったペペル(アトレティコに欲しかった)を筆頭にデ・フルートス(アトレティコに欲しかった)、ソルダード、カンパーニャ、ソン、ロベル・ピエール、ルベン・ベゾ、カルデナスなど先季のメンバーがバリバリ残っている。ついでにビジャレアルからビセンテ・イボーラを連れてきたりしている。監督は先季ちょっとアラベスの監督をしていたカジェハ。

プリメーラで勝ち点を取れずに苦しんでいるアトレティコは、日程がキツいがむしろここはたくさん試合をして何かを掴みたいところだ。


●スタメン
早速スタメン。

・アトレティコ
オブラク
モリーナ / サヴィッチ / エルモソ / ヘイニウド
コンドグビア / デ・パウル / バリオス / ジョレンテ
グリーズマン / モラタ

ラリーガは出場停止中のサヴィッチがスタメン。ヒメネスはここまで3試合全てイエローをもらっており、累積で欠場。
中盤はデ・パウルがW杯後初出場。バリオスがスタメンに戻った。

・レバンテ
フェメニアス
ソン / ロベル / ムニョス / サラッキ
パブロ・マルティネス / ペペル / モンティエル / デ・フルートス
ムソンダ / ブルディニ

今季のセグンダでは全部カルデナスが出ているがコパのGKはフェメニアス。
知ってる選手が割と出てきた。


●前半
レバンテは4-1-4-1。ペペルを真ん中に残して前方5枚でハーフウェーラインを超えてプレス。けっこう積極的だった。これができていれば降格しなかったのではないか。少なくとも昇格は十分狙えそう。
崩しの局面ではデ・フルートスと、その隣の20番モンティエルが突破の役割。MFは皆ミドルシュートも積極的に狙っており、コーナーキック獲得を連発した。

アトレティコは最終ラインから右のモリーナは高い位置へ、中盤3枚で前を向いてグリーズマンを使う、の狙いは最近の試合通り。

アルメリア戦同様、あるいはそれ以上にカラスコ不在の影響がかなり大きく、左サイドで幅を取る選手がいない。近くでプレーしているのがバリオスとモラタなので本当に誰もいなかった。ただ、相手の右WGがデ・フルートスである以上、ヘイニウドの起用はマストで、なるようにしてなった配置である。

アトレティコの保持はこの日、W杯後ようやく試合に復帰したデ・パウルを中心に。
最近右のIHはコケ、バリオス、ジョレンテなどが担当してきたが、デ・パウルは彼らと違う特徴を出す。具体的にはコンドグビアの隣に陣取り、配球を担当している。コンドグビアはやりやすそう、というか苦手な仕事を引き受けてくれる人がいて楽そう。それは良いことではないが。

デ・パウルが配球する以上、モリーナは高い位置を取れる。ジョレンテはこの日も2トップの一角のような位置を取るので実質4-3-1-2のようだが、モリーナのスタートポジションが高いとジョレンテ周辺にスペースが生まれず、できることが限られてくるジレンマはこの日も継続された。格下相手で最終ラインがドン引きしてくればその色合いは濃くなるだろう。グリーズマンの立ち位置もペペルが意識的に消そうとしているところとドンピシャで被り、なかなかボールを受けられなかった。この人員だとバリオスに"左側はなんとかしてくれ"と言ったところで無理がある。デ・パウルとバリオスが逆の方がまだ面白そうな感じだ。

●前半終了
そんなこんなで、シュートチャンスを多数作られながら自らはノッキング地獄を繰り返した45分。デ・パウルが前を向いた時に誰がどんなアクションを入れましょうか、そのアクションはグリーズマンとどう連動してますか?の部分が余裕で手探り。

レバンテはセグンダに落ちたチームあるある、むしろ配置が安定する状態になっており、一年前にこの状態に辿り着きたかった。ラストサードは数撃ちゃ当たる感が強いが、セグンダなら十分勝てそう。今思うと最近のアトレティコも試行回数優先な感じがあるので似た者同士なのかもしれない。


●後半
後半開始からバリオス→コレアを交代。
左大外に人を置くのではなくあくまでも右から割っていく。「腕力」という感じの選手交代。そして前半言っていた通り左のIHバリオスがやっていたところにデ・パウルを動かした。これでアトレティコは理不尽な人数がPAへ入ってきてタコ殴りし始める。

54分、ゴリゴリに押し込んで、一度はロストするもサヴィッチが再回収。プチカウンターからジョレンテ→モラタで先制点。レバンテとしては積極的に保持を回復しようとした結果だったが、少し無謀だったかもしれない。

59分、両サイドのデ・フルートスとムソンダを下げてカンパーニャとカンテロを投入。続いてアトレティコはモラタを下げ、サウル。
この時間帯、レバンテは決死の前プレで試合を動かそうと試みたが、ちょうどサウルが入ったタイミングだったこともありアトレティコはどうにか回避。上手いことやってる。

71分にウェズリーとソルダード。レバンテは前線を増やす。
アトレティコは残り時間を敵陣で過ごそうとコケを入れ、クローズ体制に入った。ロスタイムにはコンドグビアが掻っ攫って超速カウンターから最後はジョレンテ。速すぎる。欲しかったダメ押し点を奪って試合を終えた。


●試合結果
4回戦を突破。アタッキングサードの質が高かったレバンテに苦労したが、まあ守備の強度を圧倒的に高めろと言われても難しい舞台だ。よくやっていた。
バリオスを前半だけで下げたのは非常に良い判断だったと思う。この試合の配置的に彼の仕事は少なかったし、FWが多い方が相手も嫌だっただろう。この起用は、シメオネにとってバリオスがお試し期間を終えて純粋な中盤の戦力の一人とカウントしていることの証左であるように感じた。彼のタスクというものが、もうはっきりしているんだなと。この日は彼の日じゃなかったのですっぱり替えた。

後半に入って質量で押し込んだ中で、ボールロストから再奪回→ショートカウンターで先制。前半はボールを持ってもジョレンテのランニングスペースが存在しないことも多かったが、機を見て自分の特徴を出せるジョレンテはやはり一段階上の選手だ。モラタは久しぶりに右足で決めた気がする。
先制点以降はピッチのコントロールを画策。サウルにはその仕事が適任だったし、最後はコケでクローズに入った。なりふり構わぬFW投入でもう一度チャンスを作りたかったレバンテを肩透かしさせる展開に持ち込んで、ロスタイムにカウンターから試合を終わらせた。

のんびり書いている間にベスト8の抽選が終わり、ベルナベウでのマドリー戦となった。ダービーマッチ。この大会へのモチベーションが最大に高いのはアトレティコであろう。あとセビージャ。マドリーに勝てば今季の何かがチャラになるということはもちろんないが、試合ができることは助かる。勝ちたいな。進んでいく。

1/19
シウタ・デ・バレンシア
レバンテ 0-2 アトレティコ
得点者
【アトレティコ】’54 モラタ '91 ジョレンテ


●ピックアップ選手
デ・パウル
W杯後ようやく初出場。バリオスの登場でポジション争いとなるが、自分の特徴を見つめ直す良い機会と捉えてほしい。

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