前半はノーカン、後半はジャッジに泣く 11節 アトレティコvsレバンテ(A) 2021.10.27

ミッドウィークはアウェーのレバンテ戦。
代表戦があり、9節の延期があり、アウェーの公式戦はなんと9/28のCLミラン戦以来。1ヶ月ぶりのアウェーマッチ。


対戦相手は絶・絶・絶不調のレバンテ。
開幕戦から未勝利が続きなんとパコ・ロペスを解任。好きな監督であり良い監督だと思っていたのでとても残念。8節全マッチの記事でも少し触れたけど、今季は昇格3チームがどこも残留できそうなので、下位チームの焦りは理解できる。ただレバンテは正しい判断だったのかな。注視していきたい。

そのレバンテの10節はセビージャとアウェーで対戦。
4-3-3風の保持と4-4-2風の撤退。おっかなびっくり戦っている印象で、カウンターはモラレスなんとかしてください感。それで1点取ったけど。
前半から3点取られたが、時間が経つに連れ撤退がどんどん怪しくなっていき崩壊。相手のミス絡みで得点もしたのでスコアは3-5だったが惨敗と言える内容。負ける事に慣れてしまっているような集中の切れ方が心配だった。ハビエル・ペレイラにとっては難しい仕事になる


さて、よそはよそ。
この試合の後は上り調子のベティス、そしてアウェーでのリバプール戦と続くアトレティコはこの試合には"楽をして勝ちたい"。
とはいえ、アトレティコにとっては先季、日程の都合で中2日で戦って1分1敗と勝ち切れなかった相手。リベンジの場でもあり、過密日程の中でジョレンテ、ルマル、コンドグビアが欠場という面も。とにかく先制点が欲しい



●スタメン
・アトレティコ

オブラク
フェリペ / ヒメネス / エルモソ
トリッピア / エレーラ / コケ / カラスコ
フェリックス / グリーズマン / スアレス


この3トップを継続。
中盤はエレーラを6節ヘタフェ戦以来のスタメン。
ヒメネスがスタメン復帰して3CBに


・レバンテ
アイトール・フェルナンデス
ソン / ロベル / ヴェゾ / ドゥアルテ / フランケサ
マルサ / ぺぺル / バルディ
モラレス / ダニ・ゴメス


前節から8人を大幅に交換。後ろ5枚。上記の先季負けた方の試合も5バックだったね
バルディがスタメンになる。トップはダニ・ゴメスを起用。前線のスピード感でカウンターを刺したい

スタメン

アイトール・フェルナンデス、背番号13→1に変更してたんだね。今季の他の記事全部間違えてますわ


●前半
ボールは持てたが、特に良い感じもしなかった前半。攻守に分けて確認。


■保持
中盤はコケとエレーラの2枚。

保持


左のフェリックスとカラスコのところを中心に前進
レバンテは後ろ5枚で、トップのどちらかが右に落ちて5-4-1で撤退。ロングカウンターを使いたい様子

・3人目のサポートが薄い
アトレティコはこの日のCH2枚の仕組みだとCHからトップ・WBとの距離が遠く、トライアングルを作りにくい。フェリックスとカラスコ2人で相手3,4人を抜いてください、では流石に点にならない。5バックの相手を攻略したいのに3人目が絡んできてくれないと難しい。
左右のCBがなるべく高い位置を取ってCHを押し出してあげるような意識は見られたが。

押し出し

まあコケとエレーラなのでね。デ・パウル欲しいねという感じ。


■非保持
5-2-3の形のままで守備。

非保持


前プレは相手の3CBと対面する。アトレティコは5バックなので、前節と違いビルドアップで大外を使われる事は怖くない。むしろアンカーの消し方が曖昧。相手が右から進んでくる時はグリーズマンが中盤ラインまで落ちてくるコレアタスクで守備をする

・ぺぺルがポイント
前半、おそらくビルドアップで重要なタスクを指示されていたのが8番のぺぺル

ペペル


この位置
何回も話題にしているので皆さんご存知の通り、アトレティコをビルドアップで壊そうと思った場合、狙うのは右ハーフスペース。IHとカラスコのマークの受け渡しをバグらせる位置。

ぺぺルはコケに近い位置でCBからボールを引き出す。

画像6


落ちて受けようとする動きにコケがどこまで付いてくるか、コケが自分のマークを離した時には少し外へポジションしたらカラスコは出てくるのか、をしきりに確認していた。
この日のアトレティコはCHが2枚なのと、フェリックスが落ちて対応する意識がないので割とガラガラに空いていたが。
ただ、この前半は右SBのソンが高い位置を取っている事が多く、カラスコはそっちの対応をしていたので全然自分のところに出てきてくれず立ち尽くしていたぺぺル。レバンテのチームとしての狙いは結局なんなんだ?という感じで、別に機能しないまま前半を終えた。というかバルディにやらせた方が良くないか。
技術的にここにボールを渡せなかった可能性もあるが、それはレバンテ側の人が分析してほしい


■1-1
スコアは12分にアトレティコがCKから先制。グリーズマンがようやくラリーガ初得点。ところでセカンドチャンスとはいえCKから点が入ったのは今季初ですかね?

しかし37分にPKで同点に。スアレスが不運な形で引っ掛けてしまった。バルディが決めて同点。8節に外したモラレスは蹴らなかった。超余談ですが僕も味方のPKは見ないで目瞑ってるタイプでした


●前半終了
首尾よく先制したものの、この日もまた上手い事逃げきれずに前半のうちに同点にされた。

保持では3人目の関わりが弱くて相手を部位破壊できず、非保持ではCHの脇の弱点を思いっきり晒す格好に。使われなかったけど
レバンテの攻撃はロングカウンターとセットプレーに全振りしていたようだったが、PKとはいえ失点したのも事実。モラレスが狙ってるところ、本当に警戒できているか?

まあボツでしょうね、という構成だったので後半はデ・パウルを入れるなり2トップにするなりと別案を提示していただきたいところ。怪我人とターンオーバーを考えて大目に見る45分としよう


●後半
お互い継続で入った後半。先に動いたのはアトレティコ。
59分にデ・パウルとコレアをin
交代はエレーラとスアレスだった。
そして67分にはロディinで、エルモソがout
さらに72分にクーニャを投入。グリーズマンout

後半


こうなった
直後の76分、ビルドアップから持ち出したデ・パウルからクーニャへのパス一本でアトレティコが勝ち越し。良いシーンだったのでこのプレーをピックアップします


その後ベンチでうるさかったシメオネにこの日2枚目のイエローが出て退場。退席


■結末はまたPK
相手のハンドでPKゲットかと思ったら、その一つ前のプレーでロディの腕にボールが当たっていてレバンテにPK。なんともまた微妙な
当たっても当たらなくてもその後のプレーに一切影響なかったからいいじゃん、と思うけどよくわかりませんね。ハンドのルール読んでみましょうか

その後は文句言ったコレアにイエローが出たり、終了の笛に文句言ったロベル・ピエールに2枚目のイエローが出たりと審判が主役になってしまった。残念。

●試合結果
・前3枚の是非
前節後にtwitterで言った通り、たぶんスアレス、フェリックス、グリーズマンの3トップはシメオネのやりたい事なんだろうなと。

ただ、後ろ3枚で3トップだとこのチームはジョイントするMFがいない。ルマルしかいない。この日のデ・パウルは良かったけどね。ちなみに似たような指摘を先季どこかの試合でもしたな、と思ったらレバンテ戦だった。

分断

20-21シーズン24節レバンテ戦(H)より
ピッチの色が全然違うね笑

という事で、3トップをやるのは良いけどこの試合のメンツは無し。ボツである。


・交代が転機になったが、そのタイミングは?
後半はデ・パウル、クーニャの投入が勝ち越し点のポイントになった。個人的にはコレアとクーニャは後半開始から入れても良かった気がするけどな。どう考えても構築を変える必要があったのにクーニャ投入まで27分もかかったのはどうなんだろう。


・泥沼の中にいるレバンテ
レバンテは引き続き勝てず先季から19試合勝ち無し、とのこと。地獄を見ているようだ。
もちろん勝てないチームで試行錯誤するのは必要だし、怪我人が出ている中で解決策を探して必死に模索しているのも、もちろんわかるんだが、今季のこのチームはいくらなんでも毎試合弄りすぎてはないか。上辺だけのような言い方になってしまうが、基本もないのに応用を乗っけようとしているように見えてしまう。それは果たして戦術なのだろうか
チーム内の誰の声が大きくてこうなってしまっているのかは知らないが、世間一般からはそうじゃないかもしれないけどこのメンツで降格したらおれの中では衝撃的大失敗だ。なんとかしてほしい


・ジャッジ
今季のアトレティコは審判が主役になってしまう試合が多い印象。この日も後味の悪い試合に。
ジャッジに救われる試合もあるわけだし、必要以上にネガティブにはなりたくないが、PK2発はね。ちょっと辛い。
上位が揃ってポイントを落とした11節、勝って追いついておきたかったが、アトレティコも一緒に足踏み。
先季は開幕10試合で2失点だったチームが今季10試合で10失点。歯車が合わないが、ここからベティス、リバプールとの連戦。心配な点、指摘したい点はいくつかあるが、一度忘れてリセットしましょう


10/28
シウダ・デ・バレンシア
レバンテ 2-2 アトレティコ
得点者
【レバンテ】'37 '90 バルディ
【アトレティコ】'12 グリーズマン '76 クーニャ


●ピックアッププレー
クーニャの勝ち越し点。
メンバーチェンジがあって4-4-2になっていたアトレティコは、CBとCHの2-2でビルド。
ワイドのチェーンを気にしてか、コンパクトになれないレバンテ。5-3-2の3の幅って難しいよね。人外スタミナキャラがいないと厳しい。

得点シーンはロディが後方にスローインを入れた場面

画像9

ロディが裏を狙う動きに呼応してカラスコが落ちる。それと同時にフェリックスで足下で受けようとした。

このフェリックスの挙動に過剰に反応したのがペペル。バルディは「おれはフェリックスを見るの?外を見るの?」という中途半端な立ち位置に。5バックなんだからバルディは内のフェリックスを見るべき。この辺の練度の低さは"基本もないのに〜"と言いたくなる部分

同時にこの瞬間、クーニャがロベルの背後に一回アクションを入れている。この動きでロベルとドゥアルテの2人が引っ張られ、最終ラインがガタガタになっている。
さらに、ヴェゾを捕まえていたコレアがフラフラを落ちてくる。ボールサイドではないので関係なく感じるが、この動きをパブロ・マルティネスが気にして、ペペルがいなくなった中央に絞りきれていない。3CHの幅が完全に破壊されている。75:18から75:28までのほんの10秒の出来事なので1人1人のアクションをぜひ確認してほしい。

画像10


あとはデ・パウルがスラロームドリブルで空いたペペルとパブロ・マルティネスの間を通過。デ・パウルはこういうの上手い。ぬるぬると。
クーニャはダイナミックにヴェゾの裏まで動き直してラストパスを引き出した。

中央をドリブルとコンビネーションで崩すパターンが見られたのはとても好印象。
クーニャは嗅覚のある選手だね。常にスペースを探している。


●ピックアップ選手

グリーズマン
ようやくラリーガ初得点。彼らしい得点で先制点を奪った。今日はタスクが多かったが、このくらいの方がいいのかもね

デ・パウル
中盤で前進役を引き受けて結果を残した。魅力的な選手だね。コケの横にいるとバランスが良い

クーニャ
質の高い動きで勝ち越し点をゲット。彼の特徴が活きたシーン形だったのが良かった。スアレスとの違いをアピールしながら継続したい

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