ミスで決した好勝負 3節 アトレティコvsビジャレアル(H) 2021.8.29
開幕連勝のアトレティコ。CLに向けてスカッドを作っていく途上、と思うが凄い組入ったね、CL
そしてメルカート。
オリンピックでブラジル代表として決勝でも先制点を決めたマテウス・クーニャを獲得。この2季で3人目となる背番号19
地味にこの試合の登録に間に合っている
先季はヘルタ・ベルリンで7得点。その前はライプツィヒにいた。記憶にないけど
何はともあれトップの補強が終わった、のか?
この日の相手はビジャレアル。開幕2戦とも0-0ドロー。
お疲れのCBパウ・トーレスを休ませ、2戦ともベティスから加入のアイサ・マンディがスタメンして及第点の出来。
パレホ、イボーラが出てこない中盤(怪我ですか?)はカプエとトリゲロスを酷使。
パコ・アルカセルの出てこない前線(怪我ですか?)は新加入のディアがとても微妙。ジェラール・モレノが頻繁に首をかしげているように見えるが果たして。やっぱり点を取らなくてもいいからパコorバッカが一番前にいるのは大事なのでは
そしてアルベルト・モレノが中盤ワイドで使われるのはさすがにキツい。無理がある。
エスパニョール戦は全然点が入らなかった上に後半ロスタイムにはネットを揺らされた(ハンドで取り消し)チーム状況ももやもやが募り、初ゴール、初勝利がはやく欲しい
ここ2試合の出来のままで来てくれたらとても楽な試合になりそう。さて
●スタメン
開幕3連勝を目指すスタメン!
・アトレティコ
オブラク
サヴィッチ / ヒメネス / エルモソ
トリッピア / コケ / ルマル / ジョレンテ / カラスコ
コレア / スアレス
トリッピア、スアレスが今季初スタメンに。
開幕戦退場のエルモソも戻り、完全に先季のベストメンバーに。
・ビジャレアル
ルジ
フォイス / アルビオル / マンディ / エストゥピニャン
カプエ / トリゲロス / ピノ / アルベルト・モレノ
ジェラール・モレノ / ディア
エストゥピニャンが初スタメン。左サイドの使い方を変えてきそうだ。アルベルト・モレノとの立ち位置に注目。右はジェレミー・ピノ。開幕戦は躍動したがここはどうか
●前半
・試合を動かしたいビジャレアル。対するアトレティコの対策
ビジャレアルの保持の形から解説
右SBのフォイスが最終ラインに残って3枚、その前にCH2枚とアルベルト・モレノ。
両幅はジェレミー・ピノとエストゥピニャンが取る。
5バック撤退に対して両ワイドにピン、という明確な狙いを持ってポジションしたビジャレアル。
対してアトレティコの守備対応。
基本形は5-3-2のいつもの形で守備。両ピンはWBのカラスコとトリッピアが見るのが基本。
ただGKから蹴らずに繋いでくるビジャレアルのビルドアップに対し、積極的に前プレ。
まずフォイスの位置までルマルが寄せる得意のカウンタープレス。
アンカー風な立ち位置を取るカプエにコケが飛び出て対応する前向きな守備をする。この際カラスコが2列目ラインで守備をする。後ろは4枚に変化。
"5枚の最終ラインで両サイドにピンされて押し下げられる。ガラガラの中盤で数的に解決されて後手に回る"
という試合、覚えてますか?
そうですね、ベティス戦です。
ピンを刺されるなら5枚でラインを作るのではなく一つ前で守備する。教訓が生きた非常に良い守備だった。感動したレベル
ビジャレアルは、エストゥピニャンがビルドアップでボールを入れられても特に何もできないので左側はここで突っかかる。
必然、前進はフォイスとトリゲロスに依存する。
アトレティコの守備の構成的にも、エストゥピニャン側は可変しないで同数で対するのでズレを生みにくい。フォイス側ならなんとか、という感じ。実際前半はここを突き崩せなかったが後半はビジャレアルもこのゾーンを解決した。後述します。
あとは、カプエも正直プレス回避であまり役に立たない。この仕組みこそアルベルト・モレノではなくモイ・ゴメスなのでは?と思うのだが。
・膠着する前半。アトレティコの得点機は?
アトレティコは大きく3つのシーン。それぞれ少し。
・5分 / ジョレンテのチャンネル突進
引くとなったら両翼も思いっきり引くビジャレアル
アトレティコは、今季やっと見れた右サイドのトライアングルで突破
・22分 / ルマルの局面打開
ボール奪取したコケからセンターサークルでボールを受けたルマル。カウンタープレスを狙うビジャレアルの選手4人を全て振り切りダイナミックにランニングしたトリッピアを使う。最後はルマルのボレーをGKルジがファインセーブ
・45+5分 / カラスコとルマルのポジトラ
前半終了間際のポジトラ。
カラスコとルマルの2人でニアゾーン侵入してクロスに最後はトリッピアの頭。かけっこに強い左サイド。
●前半終了
ボールを持つビジャレアルと、受けて立つアトレティコの構造。
シュートはアトレティコが13本に、ビジャレアルは0本と、アトレティコが準備した守備対応は概ね成功。先季のベストメンバーで組んだこの試合で、期待通りの試合展開、といったところ。
逆にビジャレアルは、今季ここまで無得点な通りの試合。チグハグ。狙いはわかるんだけど
ビジャレアルは、どう考えてもビルドアップの考え方を変える必要があり、選手交代含め何らかの変化がありそう。アトレティコはこのままでも良いと思うけどね。どうやって先制点を取るのか、というところくらい。わざわざバランスを崩す必要もなさそう。
●後半
さて後半。
52分にコレアの美しいシャペウのリプレイが流れている中、ジェレミー・ピノが2枚剥がしてトリゲロスがゲット。ちょっとよくわからなかった。笑
56分、今度は先制ゴールのリプレイが流れている中、スアレスが今季初得点で同点。なんなんだこれは。
どうやらエストゥピニャンとアルベルト・モレノがスローインでじゃんがじゃんがしたのを掻っ攫って得点になった様子。良かったね
改めて見ると、スアレスのシュートが上手すぎる
・後半のビジャレアルが突いたポイント
得点シーン含め、後半のビジャレアルの前進が良くなったポイントです。
ちょっと極端な書き方をしましたが
カプエがやや右サイド寄りでアシメ構成。ルマルとカラスコのマークをバグらせようという意図が見られた。アトレティコの前プレって結局ここが強みでもあり弱点なんだよな
ルマルが出ていけばトリゲロスが使える。
カラスコがトリゲロスをマークしにいけば、エルモソを大外へ引き摺り出せる、と。ジェラール・モレノ空くかもしれないし
このアシメ、右から前進できなければアルベルト・モレノがサポートしてエストゥピニャンのところまでボールを動かせる逃げ道も準備済み。
これ、どうしようかね?
63分にビジャレアルが選手交代。
エストゥピニャン、アルベルト・モレノ、ディアout
コクラン、ペドラザ、ダンジュマin
左サイドを全部替えた。
エストゥピニャンはダイナミックな前進とアーリークロス含め攻撃性能はさすがなんだが、ビルドアップやらで脆さも露呈。好きな選手なんだけどな
70分にアトレティコも2枚替え
スアレス、カラスコout
サウル、デ・パウルin
ジョレンテが前に出る。サウルが左WB
・アトレティコのコミュニケーションエラー
74分にビジャレアルが勝ち越し。
アトレティコは珍しくミスが出た。ロングボールの処理をヒメネスが誤った。サヴィッチとお見合いしてしまった。髪を切ってみてはどうだろう?ダンジュマの値千金の一発でビジャレアルの初勝利が見えた。
80分のクーリングブレイク明けにビジャレアルは2ゴールをお膳立てしたジェレミー・ピノを下げて
マリオ・ガスパールin
同時にアトレティコは
エルモソ、ルマルout
コンドグビア、クーニャin
マテウス・クーニャがさっそくの出場。前の人数を増やす交代。コンドグビアのタスクは後述。
責任感を感じているのかセルフパワープレイを始めるヒメネス。まだ82分だぞ
最後にアトレティコはヒメネスoutでロディin
スクランブルをかける。ロスタイムまで押し込みながら。クーニャ効いてる。ここも後述
・想像を超えた劇的な結末
最後は90+5分、
・ロングボールをGKに戻したいマンディ
・マンディが処理できなかった時のためのカバーをするルジ
が見事に息が合わずにマンディのヘディングがなんとゴールへ一直線。ここまで3試合そつなくこなしてきた新加入のマンディ、チームの今季初勝利目前に痛恨のミス。
まあヒメネスも痛恨のミスしてるのでお互い仲良く肩組んで歌いましょうや。という事で
●試合結果
引き分け。痛み分け。
非常に締まった前半からの弛緩しきった後半、という印象だったが。
真面目な話をするとアトレティコの守備対応はほぼ完璧だった。いや2点取られたんだけどね。
両チーム共に整備された狙いが良く見えた好ゲームだった。得点がお互いの狙いと全然関係ないところから入ったが、サッカーとはそういうもの。
アトレティコの最終ラインの4枚と5枚の移動とかもうスムーズすぎて。おれじゃなきゃ見逃しちゃうねっていう。
ライン間も、ジェラール・モレノが数回使えそうだったけど「そこで受けても前向けないから怖くないです」って振る舞いで。
あれ、攻めてる側は絶望感あるよ。ボール入れる意味ないもん
結局最終ラインの背後へのボールの選択肢が出てきて、それがミスを生んで勝ち越したと。ビジャレアル的にも別に標榜してる攻撃パターンでもなんでもないし、拍子抜けする形だった。勝てればそれでも良かっただろうけど。最後には自分達にも大きなミスが出てしまった。次節2人揃って坊主で出てきたら笑うけど
アトレティコは交代を5枚使って今季のスカッドがほぼ見えたかと。
・マテウス・クーニャ
早速の初出場だったが。背後を狙いたい意思と、ゴールを狙う意思と。絶対に同点に追いつくんだっていう気持ちがよく見えるプレーを繰り返した。良いデビューだったと思う。期待したいね
・コンドグビアの使い方
80分過ぎにエルモソに代わってピッチイン。既にスクランブルモードに入っていたが3CBの真ん中からボールを配球、みたいな仕事。
前節でも3CBの左で使ったし、もしかして本当にCBにするつもり?それともスクランブル要員?今後に注目。
特にジョレンテに言える事だけど、得意なタスクを任せてあげればこのスカッドは相当やれるなという感触があった。デ・パウルの使い道が微妙なところだが。どうだろう。逆に言うとそこが伸び代かもね
この後は代表を挟んでCLも始まる。
いよいよ始まるなーという感じ。ワクワクしつつ、新しいチャレンジをポジティブに見守りましょう。
8/29
ワンダ・メトロポリターノ
アトレティコ 2-2 ビジャレアル
得点者
【アトレティコ】’56 スアレス ‘90+5 OG(マンディ)
【ビジャレアル】’52 トリゲロス ’74 ダンジュマ
●ピックアッププレー
前半の45+4分の良くなかった守備シーン。
後半のビジャレアルの良かった形にも共通するんだけど。
この配置
フォイスが浮いている状態で、中盤のスライドが前向き。両ワイドがピンされており、ビジャレアルが数的優位
トリゲロスの立ち位置が良くルマルが出づらい。移動距離が長くて大変だがトリゲロスはこの日、この位置に立つのが求められた仕事だった。キツいけど
やむを得ずコケがボールに行ったが、ジョレンテの後ろの隙間を使われた。
この場面はジョレンテの根性カバーで何も起きなかったが、このゾーンを使うのがアルベルト・モレノじゃなくてネイマールだったら?という場面(極端)
5バック撤退で大外ピンされちゃ駄目よ。のシーンです。教訓教訓
●ピックアップ選手
ルマル
キレのある動きでプレス回避連発。
カラスコとのコンビネーションで大外も使えて大活躍
スアレス
調子良さそうな動きとさすがのシュートセンスで今季初得点。
膝が痛そうだったのが心配
ジョレンテ
IHで使われてようやく本来の躍動感が出た。
何も考えずチャンネル突っ込んでてくれ
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