ここから先は理不尽さが必要 CL B組5節 リバプールvsポルト 2021.11.24

さて5節。
4連勝ではやくも首位抜けが決まったリバプール。ホームに2位のポルトを迎える。
ポルトはここまで1勝2分1敗。6節にアトレティコと戦うのでここで1ポイントでも積めると非常に有利になる。
とはいえリバプールには2節にホームで1-5とボコボコにされている。ポルトのライン間圧縮や対人の強さ、そしてルイス・ディアスの単独突破など、アトレティコとミラン相手にはむしろ脅威になっており、単にリバプールとは相性が悪すぎる部分もある。ライン間圧縮しても裏ポン一発で走られたら終わりだし
リバプールはフルメンバーを用意する理由もなく、おそらくベンチメンバーが出てくる。アトレティコ的にはリバプールにきっちり勝ってほしいところでもあるが・・・


●スタメン
・リバプール

アリソン
ネコ・ウィリアムズ / コナテ / マティプ / ツィミカス
チアゴ / モートン / チェンバレン
サラー / マネ / 南野

サラー、マネ、アリソン、マティプ以外は大幅に替えた。とはいえ良いメンツだねぇ


・ポルト
ディオゴ・コスタ
ジョアン・マリオ / エンベンバ / ぺぺ / サイドゥ
ウリベ / セルジオ・オリベイラ / オタビオ / ルイス・ディアス
タレミ / エバニウソン

4節から初めてウリベだけ変更。国内リーグを見てないけどもしかしてかなり怪我人が少ないシーズンなんだろうか

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●前半
・ポルトの質の高い前プレ速攻
序盤はまずポルトが積極的。前からハメに行く狙いで相手陣内へ。8分にはオタビオが引っ掛けてアーリークロスからチャンス。10分にはGKから質の良い縦パスでエバニウソンがPA内へチャレンジした。リバプールの前プレがそんなに強めに来ないのと、ポルトGKのディオゴ・コスタのビルドアップ性能の高さで優位を作る。
さらに12分にはコナテに強く寄せて奪取。ルイス・ディアスのゴリゴリに速いカウンターで最後はオタビオに決定機。良いテンションで狙いを持って入ったポルトはこの時間に是非得点したかったが、フィニッシュは枠の外へ

・リバプールのビルド
リバプールは3-2-5だか2-35だかでビルド。流行最先端(なのか?)

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左ツィミカス右サラーが幅。オックスレイド=チェンバレンがトップポジ。コナテがまあまあ怪しいが近くにチアゴがいるのでどうにか。
そのチアゴが前進を担う。これだけコンパクトに守られるとなかなか割って入れなそうだが、僕の感覚以上にリバプールの選手は狭いゾーンでのプレーが正確。ラリーガだったらミスでボールを失いそうなエリアにバンバンボールが入ってくる。そして展開が速い


25分過ぎにぺぺが交代。無理して出場していた様子。残念だが、彼はこういうの多いね

37分になんの脈絡もないところからチアゴ→マネでゲットするが、オフサイド。
CBエンベンバは南野の位置を気にしたか、微妙な対応。

ポルトは42分にもカウンターからオタビオ→タレミで決定機。隙を見せてくれるリバプールに対して、決めきれないポルト。


●前半終了
お互い決定機は作ったが0-0で折り返し。
リバプールは選手の入替が多かった事もあり、出し手と受け手、3トップの距離感がいずれも手探りな様子。

ポルトは前プレで優位に。がむしゃらに行くのではなく効果的にコースを消しながら寄せて、球際は強く。理想的な守備だ。アウェーでこれだけやれるのだから本当に仕込まれている。強いチーム。


●後半〜理不尽なリバプール〜
52分リバプールが先制。チアゴのミラクルなシュートが決まった。クロップも呆れ顔をしてしまうほどのゴラッソ。お見事。

こういうのが決まってしまうのが、CLで上に行くチームだなぁと。ポルトにとっては夢も希望もない

60分過ぎに選手交代があって、リバプールはヘンダーソンとロバートソンを投入する。2人が入ると"いつものリバプール感"がかなり出てくる。配置的には右IHがヘンダーソンになった事で、ネコ・ウィリアムズが大外を取ってサラーが少し内へ。そして2点目は、大外に現れたサラーを狙ったロングボールから。

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ザイドゥに体をぶつけて飛ばせず、最後は上半身のフェイクだけで振り切った。様子がおかしい
モートンも良いボールを蹴った。そしてヘンダーソンのサポートの速いこと。



●試合結果
リバプールが5戦全勝。
メンバーを落として、いつものリバプールのサッカーではなかったが、それにしても一人一人上手いね。チェンバレンとかラリーガに来たら超絶でしょう。アンダーから出てくる19歳や20歳がCLで当然のようにプレーできる。プレミアリーグのクラブにこれをされてしまったら他は太刀打ち出来ないよね。

ポルトはこの大会、この試合に限らずアクシデント続きだったホームのリバプール戦以外ではずっと良い試合をしている。最後の部分で運がなかったりしているだけで。ずっと決まらないので運じゃなくてシュート下手なのかもしれないけど

この試合、良い準備をしてモチベーションを高めてプレーできていたのはポルトの方だったように思う。勝ち抜けがかかってるんだから当然だけど。それでも、リバプールが勝ってしまう。1点目も2点目も、あまりに理不尽だったように思う。欧州のベスト16を勝ち抜いていくチームというのは、「そんなの関係ねえ」と言えてしまう理不尽さが必要なのかな、と感じた次第。


11/24
アンフィールド
リバプール 2-0 ポルト
得点者
【リバプール】’52 チアゴ ’70 サラー


●ピックアップ選手
チアゴ・アルカンタラ(リバプール)
一人質の違うプレーで翻弄。サイドチェンジのロングボールなども絶品の質を見せた。2021年のベストゴールにノミネートされるであろうスーペルゴラッソで主役になった

ジョーダン・ヘンダーソン(リバプール)
やや不安定だったビルドアップが、彼が入って一変。ポルトの希望を消し去った。最後はサラーのゴールをアシストして見事起用に応えた

ルイス・ディアス(ポルト)
相変わらずのわけのわからないドリブル突破でチャンスメイクを連発。そして90分間走り続ける走力。もうメガクラブが放っておかないでしょう

ザイドゥ・サヌシ(ポルト)
左SBでサラーと対峙。一歩も引かない強度を見せた。左サイドの攻撃はルイス・ディアスが全部やってくれるので、守備に集中した。

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