決め手を欠いたドロー CL1節 アトレティコvsポルト(H) 2021.9.15

さてミッドウィーク!
CLです。ワクワクしますね。いよいよはじまりますよ。
CLの借りはCLでしか返せない。と思う派ですので。バチバチにいきましょう

組み合わせはこちらね

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"全部のリーグをチェックしているわけでもないくせに死の組とか軽く言うなよ"というタイプの僕ですが。断言しますがこれは死の組でしょう。

実際リバプールがポット2にいるのも不条理だしポルトがポット3にいるのも事故。ポット4とかミランが最悪の選択肢。


強いチームと試合ができる事をポジティブに捉えながら、見ていきましょうね

ミランは先季国内リーグ2位。優勝したインテルには12ポイント差をつけられたがアタランタ、ユーベ、ナポリより上位フィニッシュ。
グループリーグから参加したELはラウンド16で準優勝するマンチェスターユナイテッドに敗戦。
週末の試合ではイブラヒモビッチが復帰。39歳は早速ゴールを決めた

リバプールは怪我人続出で絶望のシーズン。CL出場すら怪しかったが、終盤の連勝で3位フィニッシュ。CLではベスト8でマドリーに敗退した。
週末の試合で新星ハーヴィー・エリオットが大怪我を負ってしまったのが非常に残念。元気に戻ってきてほしい

そしてこの日の対戦相手のポルト。
先季国内リーグ2位。CLはユベントスに勝って、ベスト8で優勝チームのチェルシーに負けた。アトレティコが負けたのもチェルシーだった。ちなみにグループリーグはマンシティに1分1敗であと4つは全部勝った。
週末の試合はスポルティングとのビッグマッチだったが

スクリーンショット 2021-09-16 21.50.10


スポーツナビさん(https://sports.yahoo.co.jp/)より

"まあ荒れたんだろうな"という試合。
ちなみにスポルティングのGKはアトレティみんな大好きアントニオ・アダン。
ポルトは今季5試合消化して3勝2分。
vsベレネンセス(H) 2-0
vsファマリカン(A) 2-1
vsマリティモ(A) 1-1
vsアロウカ(H) 3-0
vsスポルティング(A) 1-1

FWの29番トニ・マルティネスと、7番のルイス・ディアスという選手が3ゴール。
しかし選手がわからん。10番のフランシスコ・コンセイソンは18歳で、監督セルジオ・コンセイソンの息子。セルジオ・コンセイソンはウイイレで重宝してた。色んなポジションできるから


●スタメン
・アトレティコ

オブラク
ヒメネス / フェリペ / エルモソ
コケ / コンドグビア / ルマル / ジョレンテ / カラスコ
フェリックス / スアレス


サヴィッチがCL出場停止中。週末休んだヒメネスが先発。
中盤は真ん中コンドグビアだった。トリッピアが体調不良でやむ無くジョレンテを右WB
前線はフェリックスをチョイスした。何やら狙いがありそう


・ポルト
ディオゴ・コスタ
ヘスス・コロナ / エンベンバ / ぺぺ / ザイドゥ
ウリベ / グルイッチ / オタビオ / ルイス・ディアス
トニ・マルティネス / タレミ

4-4-2でスタート。スポルティング戦から3人変更

スタメン


●前半
・ポルトのプレス、前進できないアトレティコ

意図を持ったポルトのプレスが前進を阻む。

ポルトの守備


アンカーに入ったコンドグビアへのパスコースを消して使わせない。この場合、大概は左のエルモソを経由して前進。普段は直接前に進めなければアンカー経由、のパターンが多いアトレティコだが、ポルトはそこもケアした。

追い込み守備

攻撃はワンサイドに押し込まれる。選択肢はカラスコのみ。
ここはピックアッププレーでも取り上げます


25番の右SHオタビオが効いており、パスコースを消しながらエルモソへの寄せ、そして撤退時は大外のカラスコとの対人に力を発揮した。攻撃時も複数のタスクを持っている非常に良い選手。
アトレティコはどこかで対人で1枚剥がせれば突破できそうなのだが、そういう場面を作る事ができず


・大外を使いたいポルトの攻撃
ポルトは保持の際はCBがワイドに大きく開いて前進。

ポルト攻撃


CHとSBの4枚でボールを引き出す。左SHのルイス・ディアスはFWのラインまで高い位置を取ってパスコースを作る。
右のオタビオも基本的には高い位置にいるが、ハーフスペースに落ちてきてボールを引き出す動きも多い。

オタビオ

この動きで攻撃参加に特徴のある右SBヘスス・コロナに高い位置を取らせていた。カラスコの裏の奪い合い。

アトレティコは普段通り2トップ+ルマルが飛び出して最終ラインへプレス。ただ、ポルトは2-4で後ろ重めにビルドアップしているため、ここで奪うには至らない。GKの足下もレベル高かった。


攻撃で中盤を経由できないアトレティコは、ワイドを使おうにもパスの距離が長く、ポルトは楽々スライドして対応。

サイドチェンジ

チャンスになりそうだったのは5分にルマルが中間ポジションでボールを引き出した場面と、同じくフェリックスが裏抜けした場面くらい。どちらもエルモソから縦にパスを付けた数少ない形。


・早めの選手交代
中盤を変えたかった中で、前半36分に早くもデ・パウルを投入。
圧力のかかっている中盤を解決する役目として、注目したい起用だった。コンドグビアを下げてコケが真ん中に入るのかと思ったが、ルマルを下げた。ちょっとわからないチョイスだったが。


●前半終了
膠着状態のまま前半終了。
ボール保持はアトレティコの53%。
シュートはお互い2本ずつ。タッチ数上位はアトレティコは3CBが独占、ポルトもCB2人とGKが上位3人、と、絵に描いたように決め手を欠いた両チーム。

後半はどちらが"1ポイントで満足するのか"というところがポイントか。ホームのアトレティコは3ポイント欲しいところ

●後半

・疲労の見えたポルト。試合は硬直化
60分過ぎからポルトの出足が重くなる。攻守の切替もスムーズに行かず、疲労が色濃く出始めた。週末にスポルティングと試合してるからねえ

とはいえ守備に隙は見せず、前プレも撤退もしっかりと闘いながら、最後の危ないところはイエローカードで切り抜ける決死の守備(最後はエンベンバがレッドカード)を見せた。

・一方のアトレティコは
アトレティコは、56分に4バックに変更。
ロディ、グリーズマン、コレアin
エルモソ、コケ、フェリックスがout

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グリーズマンが真ん中の4-2-3-1になる。

75分の最後の交代でエレーラが出てきたが、交代はフェリペ。最終ラインに落としてまで、コンドグビアを最後まで残した理由がわからなかった。

79分にはこの試合一番の出来事。ロディがコンドグビアに戻したパスが相手に渡り、オブラクと交錯しながらゴールへ。しかし9番タレミが接触してすっ転んだ際に伸ばした手が思いっきりボールを触っておりアンラッキーすぎるハンド。アトレティコは九死に一生を得た



●試合結果

9/15
ワンダ・メトロポリターノ
アトレティコ 0-0 ポルト


ドロー。痛み分けの感もありつつ、どちらも決め手に欠けた試合となった。
アトレティコは選手起用の優先順位もこの試合だけだと疑問が多く、評価が難しい。

以下、箇条書きにする

・サヴィッチ不在の影響は
どうしてもハイボールとネガトラに不安があった。ヒメネスを真ん中に置けた方がビルドアップは安定するなと再確認。

・ジョレンテのSBは
4節エスパニョール戦では相手を押し込む武器として、後半から彼を右SBで使った。ただ相手との力関係もポジショニングも何もかも違ったこの試合では特徴は出し切れず。相手を押し込んで攻撃するだけの試合なら彼はトリッピア以上のクオリティを発揮するが、攻守にバランスが求められる試合でのSBは不安が多い。彼が悪いわけではないが。

・コンドグビアのクオリティは
前半からポルトのプレッシャーに晒され四苦八苦。狭いエリアでのプレーに課題がある。彼を経由した攻撃が難しかった上、経由しても球出しの質は上がらなかった。
後半のスクランブルで左CBで起用した事も疑問。ファイティングポーズを崩したくなかった、フェリペがカードをもらっていた事を差し引いても、もはやカウンター一発狙いだったポルトに対してあまりにお粗末(というかコンドグビアもカードもらってたし)。エルモソを残した方がまだ良かっただろう

・グリーズマンの出来は
後半途中から4-2-3-1のトップ下で起用。3-5-2で戸惑いも見られたエスパニョール戦。まず思考ストレスの少ないポジションで起用する意図だった。
主に右寄りにポジションし、決定機も演出。スアレスとの距離感も良かった。ただ、結果論だがジョレンテとコレアがいるサイドにトップ下が寄っていく事にどれだけ効果があったのか疑問。
ポルトが引き気味になりスペースがなくなると次第に消えていった。

・スアレスのコンディションは
ワンタッチプレーの質は高かったが、アジリティとダッシュが明らかにベストからは程遠い。序列を考えれば今後も彼のスタメン起用は当然だが、コンディションが良くモチベーションも高いはずのクーニャの投入はあってもよかった。

・カラスコへの依存度は
4-4-2になる事でよりゴールに近い位置でのプレーが増えるカラスコ。この試合も後半はPA内で相手と1対1、という場面を複数作った。
エスパニョール戦はそれを決めて試合に勝てたが、この日は不発。どこまでも彼の負担が大きくなってしまう気がするが。

・デ・パウルのタレントは
ルマルが前半途中で下がり、後半はコケもいなくなった事で、突然組み立てのタスクが重たくなった。現状使う側より使われる側の感が強く、決定的な仕事を果たすには至らなかった
質の良いサイドチェンジのボールをいくつか送っていたので、彼の特徴をもう少し確認したい

・ポルトの出来は
コンディション的には7,8割くらいの出来に見えた。
カウンターで少ない人数でシュートまで持っていく解決力はあるが、得意条件が揃わないとダンマリになってしまう感はある。とはいえ実質1点取っており、勝ちに等しい試合だったし、最後はムキにならず1ポイントで終われたところにも説得力があった。ボールを放棄して闘えばリバプールとも良い勝負ができるんじゃないか


アトレティコとしては一戦目から早速3バックビルドアップが普通に通用せず、先季ベスト8クラブに大きな壁を見せつけられた。4節エスパニョール戦に続きどこか落ち着きがなくソワソワした試合をしている印象。先制点が取れないといつまでも0-0の試合をしていそうで不安だ

ポルトとのホームゲームはこのグループの6試合で一番3ポイントを期待できるカードだったと思うので、手痛いドロー。リバプールからは2戦で1ポイント取れたら御の字と考えると、すでになかなか厳しい戦いが予想される


●ピックアッププレー
上で少し触れた、前半5分のルマルが前向きになれたシーン。

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ヒメネスからボールをもらったエルモソが真っ直ぐ持ち出してルマルに正確な縦パスを付けた。
完璧にコントロールしたルマルがスアレスにスルーパスで決定機。

この場面のポイントはまず

・ヒメネスからフェリペを飛ばしたパスだったため、相手2トップのマークが追いついていない
・フェリペを経由する場合むしろエルモソはもっとタッチライン側へ開いて受けていたであろう。ヒメネスから直接受けるためにハーフスペースに立っていた

という2点。この結果

・オタビオがエルモソに寄せきれていない
・エルモソがハーフスペースに立っているため、オタビオは正対している。寄せきれず距離もあるためルマル、カラスコへのパスレーンを”どちらも”切れていない

という状態を作れた。

もっと狙ってできるといいんだけどね。
やはり球出しはハーフスペースからなんだな、という事。エルモソが大外まで開きすぎてカラスコと同レーンに入っている時は「開きすぎだ!」と言いましょう

・良くない形との比較

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ヒメネス→フェリペ→エルモソとボールが移動する間に相手2トップはアンカーを消しながらボールと近い距離を保てる
オタビオが背中で中央へのパスコースを消しながら十分に近づける。この時点でエルモソのパスコースはカラスコ(orフェリペ)のみに。
カラスコへ出る事が予想できるヘスス・コロナはインターセプトを狙って飛び出せる。それを避けるためにカラスコが一列落ちて後ろ向きにボールを受ける形に


たくさんあったね、この場面。


●ピックアップ選手
カラスコ
後半はPA内で1人抜けばゴール、という場面を何度も作った。それ以外の得点機がほぼなかったので、彼に重い責任がかかった

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