勝手にラリーガアワード 優秀選手賞22-23
今年も勝手に表彰いたしますラリーガ優秀選手賞。
私の独断と偏見に依ります。選考基準はない。冬に加入した選手は少しだけ評価辛め。今年も例の如く、3強の選手からは選びません。ということで前座はこちらも毎年恒例、3強からのみ選出のベストイレブン。
ちなみに去年の記事はこちら
いきます。今季も26人。
※年齢はシーズンが終了した2023年6月4日時点
GK
●アレックス・レミーロ/ソシエダ(28歳🇪🇸)
☆2年連続2度目
ラリーガ屈指のビルドアップ魔神。躍進するソシエダを支え続けた。今季は欠場無しでフルタイム出場を達成。クリーンシートもテアシュテーゲンに次ぐリーグ2位の15回。来季はついにCLに挑む。
●ギオルギ・ママルダシュヴィリ/バレンシア(22歳🇬🇪)
☆初選出
先季からバレンシアに来たジョージアの巨人。先季はシレッセンがいたこともあったり、そしてボルダラスに微妙に干されていた時期もあったが今季はスタメンに定着。こちらもフルタイム出場となった。
とにかくデカく、キックも上手い。クラブは苦しいシーズンでセーブ率などのスタッツは普通くらいだが、ファインセーブも多く目立った活躍だった。
●ヘレミアス・コナン・レデスマ/カディス(30歳🇦🇷)
☆初選出
ラリーガ屈指の守備的特殊チーム、カディスの守護神。相手チームにボールを持たれることの多いチームでピンチも多いが、セーブ数3位、セーブ率4位と大活躍。クリーンシート数も3位タイで今季も最後方から常にカディスを救っていた。
DF
●ダビド・ガルシア/オサスナ(29歳🇪🇸)
☆初選出
クラブ同様充実のシーズンとなった。人にもボールにも強くシーズン通して安定感を維持。空中戦にも特徴を出した。スピード、ビルドアップも問題ないクオリティで29歳にしてスペイン代表に初選出。CLクラブへ移籍するなら最後のチャンスな気もするが、さて。
●ジェライ・アルバレス/アトレティック(28歳🇪🇸)
☆初選出
ベテランのイニゴ・マルティネス、若手のダニ・ビビアンとポジションを争っているが今季のファーストチョイスだった。右でも左でも同様のクオリティを発揮し、バルベルデから最大の信頼を得た。基本に忠実で何事にも丁寧。上位進出を狙うクラブの中心にいた。
●パウ・トーレス / ビジャレアル(26歳🇪🇸)
☆3年連続3度目
ラリーガを代表するCBは今季も安定したパフォーマンスで唯一の3年連続選出。怪我が少ないのも良いところ。
実はタックル成功率がまあまあ低く、この辺が代表で絶対的な存在になれない理由かもしれない。気づけば26歳。去年に引き続き移籍の噂が多数出ているがどうなるか。
●オスカル・デ・マルコス/アトレティック(34歳🇪🇸)
☆初選出
アトレティックの元10番だと忘れてしまうくらい近年は影が薄かったが今季バルベルデのチームで復活。保持で押し込むサッカーを標榜するチームでビルドアップ、崩しの局面で特徴を出し正確なアーリークロスがスピードのあるFW陣を生かした。掴んで止めるしかないネガトラでちゃんと止められる判断力も新システム構築中のチームを助けた。
●アルナウ・マルティネス/ジローナ(20歳🇪🇸)
☆初選出
ジローナ自前の20歳が初のプリメーラで大活躍。代表にも絡んできそうなハイパフォーマンスを見せた。マンチェスターシティからレンタルのヤン・コウトもいるポジションでスタメンを確保し攻守に躍動した。
とにかく配置がいい。内でも外でもボールを呼び込み周囲とジョイントできる能力は現代的で、ラストサードでも仕事ができてクロスもシュートもハイレベル。中盤のタスクも普通にやる。球際にも気合を出せるタイプでCL級の能力を見せた。
●フラン・ガルシア/ラージョ(23歳🇪🇸)
☆初選出
今季リーグ全体でもベストパフォーマンスを見せた左SB。レンタル3季目の今季はトップ登録されて背番号3に変更。スピード、スタミナといった基本フィジカル能力が圧倒的に高く、シーズン通して欠場時間21分と異常な稼働率で今季ラリーガのフィールドプレイヤーで最長のプレータイムとなった。前にいるアルバロ・ガルシアとのコンビネーションはわかっていても止められず、2人で突進してくるカウンターは超抜クオリティだった。活躍しすぎて来季はマドリーの買い戻しが決まった。満を持してCLにチャレンジする。
●ハビ・ガラン/ セルタ(28歳🇪🇸)
☆2年連続2度目
皆大好きハビ・ガランはセルタ2季目の今季もパフォーマンスを継続。賢く大外を走り回れるスペックは本当に冗談抜きで今すぐアトレティコに来てください。大外を侵入してのクロスが上手く、チームが多種多様な電柱を揃えていた今季は本人もやりやすかっただろう。アトレティコはいつでもハビ・ガラン選手をお待ちしています。
MF
●ダニエル・パレホ/ビジャレアル(34歳🇪🇸)
☆2年連続2度目
今季から背番号10に変わったビジャレアルのマエストロ。主力の移籍や監督交代など先季以上に不安定なシーズンになったチームでパレホだけは不変。特にセティエン監督が就任して以降はワンアンカーとして中盤の底に鎮座。圧巻の配球能力でチームを動かした。パス成功数はトニ・クロースに次ぐリーグ2位。そろそろ休みながら使いたい年齢になってきたがまだ衰えは感じられず、立ち振る舞いに反して意外と守備強度も低くない。来季はベストメンバーのビジャレアルでパレホのプレーが見たい。
●マルティン・スビメンディ/ソシエダ(24歳🇪🇸)
☆初選出
ソシエダ自家製プレーメーカーは今季、メガクラブから注目される存在に。圧倒的ボール保持を見せた今季のソシエダで高い配球能力と状況判断能力を見せていた。気づけばブスケツと比較される存在に。
2CBとのコネクトがとにかく上手く、GKから隙間でパスを受けるのも上手い。ビルドアップ確立を容易にさせる能力はプレミアからも人気がありそうな予感。
●オリエル・ロメウ/ジローナ(31歳🇪🇸)
☆初選出
先季までサウサンプトンでバリバリスタメンだった現役プレミアリーガー。ジローナ金あるなという。知らなかったけどスペイン人。
今季のジローナの躍進は4-1-4-1の中央に陣取るロメウがいなければ無理だっただろう。ビルドアップを解決できる技術と一人でフィルターになれる守備力を持ち、このアンカーがチームを変えてしまった。こういう選手がラリーガにもたくさん来てほしいと思いつつ、一人の力(もちろん彼だけの力ではないが)で昇格クラブに中位争いをさせてしまうラリーガの現状が少し心配になった。
●アレイシ・ガルシア/ジローナ(25歳🇪🇸)
☆初選出
ビジャレアル&マンチェスターシティ産の"スペインぽいMF"。小柄で運動量が豊富。ボールを持ってプレーすることを好み、キックが上手い。どんなロングボールもプレースキックのように正確に蹴れる。
今季は特にロメウが真ん中にいてくれるため、動き回ってボールを引き出すアレイシ・ガルシアの存在がチームを動かした。彼ら2人が豊富なアタッカー陣を動かすサッカーは魅力的で見応え十分だった。怪我でシーズン最終盤は欠場したがIHで最大級の評価。来季も楽しみだ。
●オイアン・サンセ/アトレティック(23歳🇪🇸)
☆初選出
ゴール前で仕事ができるインサイドハーフは今季のチームで中心の役割を担った。保持時間が増えたチームでライン間はもちろんCFと並列になる仕事を託されて能力が爆発。高速ストライカーが最終ラインを引っ張った後ろのエリアに効果的に入り込んでパワフルに突進していった。マイナスのクロスに合わせるのも上手い。20節カディス戦ではハットトリックも達成。最終節に2桁到達のゴールを決め、一気にラリーガのスター選手に仲間入りするシーズンとなった。
●ブライス・メンデス/ソシエダ(26歳🇪🇸)
☆2年ぶり2度目
セルタから移籍した未完の大器。顔はめちゃめちゃブルーノ・フェルナンデス。
なんとなく足下でボールをもらう王様のイメージだったので心配していたが豊富な運動量でライン間を徘徊してボールを引き出した。そんなのできたんだな。
テクニカルな選手が多く誰かが無理しないといけないネガトラでは相手にガツンとぶつかる気合いを見せてチーム内の立場を確立。良いパスが出てくれば点が取れるのは自明で一気に中心選手となった。来季は自身初のCLに挑戦。その先には久々のスペイン代表が見えてくる。
●ガブリ・ベイガ/セルタ(21歳🇪🇸)
☆初選出
若手が続々湧いてくるセルタで開幕から起用されてトップ契約を勝ち取り、スタメンポジションを奪取。まだ21歳だがサイズとフィジカルを併せ持ち、PA内に侵入する動きが上手い。ボールを受けるとストライカー顔負けのフィニッシュでゴールを陥れた。ワールドクラスのボックスtoボックスになれる逸材である。最終節バルサ戦ではチームの残留を決める2ゴール。この一年でいきなり列強に注目される存在になり、夏にCLクラブへの移籍が予想される。
●イシ・パラゾン/ラージョ(29歳🇪🇸)
☆初選出
ラージョの魔法使いはキャリアベストのシーズンを送った。思えば20-21シーズンの昇格プレーオフで見た時から彼の虜だった。ボールが吸い付くようなコントロールといつでも左足を振れるリズム感が見ていて抜群に気持ち良く、昇格2季目のチームは今季引いた相手を崩す形に着手しようとしていたが、シンプルにイシのミドルシュートでだいたい解決した。先季は2ゴールだったが今季は9ゴールと一気に向上。どう見ても素行の悪い喧嘩っ早いキャラクターも魅力的。"ラリーガっぽいな"というキャラのまま、これからも躍動してほしい。
●久保建英/ソシエダ(22歳🇯🇵)
☆初選出
レンタル移籍を繰り返していたがアルグアシル監督に望まれてソシエダに完全移籍。ようやくベストパフォーマンスを出せるクラブに辿り着いた。
ダビド・シルバ、スルロットとのコンビネーションは抜群で内でも外でも特徴を出してPA内へ侵入した。狭いコースを突くパスが上手く、トランジションでも一瞬で相手と入れ替わりカウンター開始に関与した。何より得点を取れたことが大きく、チャンスを自ら手繰り寄せていった感がある。
来季は圧倒的主力としてついにCLへ。目指していた舞台が近づいてきた。
●アルバロ・ガルシア/ラージョ(30歳🇪🇸)
☆2年連続2度目
ラリーガのスピードスターは今季もバジェカスの左サイドを切り裂いた。まさにキャリアの絶頂期。トップスピードはリーグでも最上位で常に危険な存在となり、切り返して右足シュートのパターンも持っていることが相手DFに対応を難しくさせる。内外をちょこまかとフラン・ガルシアが走り込んでくるのもややこしく、わかっていても止められない危険な存在であり続けた。今季は11節から13節まで3戦連発。マドリー撃破含む3連勝を演出し、クラブは2年連続の台風の目として最後まで欧州権争いを盛り上げた。ベストパートナーのフラン・ガルシアがいなくなる来季も同様のパフォーマンスを維持できるか注目。
FW
●ボルハ・イグレシアス/ ベティス(30歳🇪🇸)
☆初選出
ゴール数がチーム全体で先季より16点減ったベティスだが、まあファンミの分ということでボルハ・イグレシアスには先季同様の評価をしたい。むしろ割とウィリアン・ジョゼと併用だった先季よりも出場時間(1571分→2379分)を増やし、相棒ファンミの欠場が多くても先季以上のゴール数(10ゴール→15ゴール)を記録。というか先季の出場時間短くないか。
能力の割に陽の当たらない不遇なキャリアであったがようやくスペイン代表にも手が届いた。今季はトランジションでの抜け出しなど多彩なパターンで得点していた印象。今回選んだ選手の中でも総合力では間違いなくNo.1のストライカー。
●エネス・ウナル/ヘタフェ(26歳🇹🇷)
☆初選出
先季確変て言ってごめんなさい。しかも先季選んでません。本当にごめんなさい。
今季はW杯前(14節)まで3得点と苦しみ、本当に確変かと思ったが、その後爆発。17節から26節までの10試合で複数得点2回を含む9ゴールの固め打ちで得点ランニングを駆け上がった。ダイレクトボレーやエリア外のわけわからん角度からのゴールが多く、ハイライトになる選手。冬にはアトレティコから獲得の噂があったがさらに値上がりしたでしょう。シーズン最終盤には前十字靭帯を断裂。残念ながら長期離脱となってしまった。
今季はボルハ・マジョラルのサポートでやりやすそうにプレーしていたし、そもそもワイドへ流れる動きを好む選手なので1トップは合わなそう。引いた相手を崩す形に工夫が見られればステップアップできる。まずは復帰へ向けて取り組んでほしい。
●イニャキ・ウィリアムズ/アトレティック(28歳🇪🇸🇬🇭)
☆2年連続2度目
バルベルデ新政権ではCFはもちろん右WGとしても起用され、持ち前のスピードを存分に発揮。とにかく速い。弟のニコを筆頭にラリーガには足の速いアタッカーは山ほどいるがやはりイニャキの数歩のダッシュの速さは異質。爆発的なスプリントで一気に局面をひっくり返してみせた。先季から特徴的なニアを撃ち抜くシュートの精度をさらに高め、ボール保持を確立したチームでアーリークロスに飛び込む得点パターンも新たに加えた今季は先季の8ゴールを上回る自身2度目のシーズン2桁ゴール。
ガーナ代表での出場を決意したW杯も含め充実のシーズンとなった。
しかし、ラリーガ連続試合出場記録の更新を続けていた鉄人は19節セルタ戦を負傷欠場しついに記録が251試合でストップ(2016年4月20日アトレティコ戦〜2023年1月22日マドリー戦)。ただし、まだ28歳。そして彼の能力はなにも連続試合出場を特別強調される必要はなく、まだまだクラブの中心として光り輝ける選手だ。イニャキの全盛期はまだ先にある気がする。
●ホセル/エスパニョール(33歳🇪🇸)
☆初選出
先季はアラベスで14ゴールを奪いながら最下位で降格。エスパニョールに移籍した今季も16ゴールを荒稼ぎ。しかし今年もクラブは降格となってしまった。
それでもホセルの評価が落ちることはなくむしろうなぎ登り。33歳にしてついにスペイン代表にも招集され、初キャップとなったノルウェー戦でいきなり2ゴールを決めてみせた。空中戦を中心にダイレクトシュートが上手くまさにストライカー。非保持では相手CBへのプレッシャーを得意とし、チーム全体を前向きにさせるリーダーとなれる。
しかし今季もチームは低迷し降格圏をうろうろ。ホセルのゴールだけではチームを救えない試合も少なくなく、悩ましいシーズンであった。それでもブライスワイト(10ゴール)とのデュオは強烈で、シーズン終盤はプアド、ニコ・メラメドを引き連れて自身はPA内の仕事に専念。スコアリングモンスターとして君臨した。
●サムエル・チュクウェゼ/ビジャレアル(24歳🇳🇬)
☆2年ぶり2度目
FWに怪我人の多かったチームでシーズンを通じて稼働した。一発で背後を突くような構築も多かったチームで欠かせない存在となった。右サイドからの逆足カットインはリーグ屈指の質で、22節から28節の7試合で5ゴール。その間チームも5勝1分1敗と結果を残した。わかっていても止められないドリブルはどのプレーもゴールへ直結する。フィニッシュの質が伴ってくると一気にワールドクラスになれる。
●ニコ・ウィリアムズ/アトレティック(20歳🇪🇸)
☆初選出
先季はまだジョーカーの立ち位置で途中出場メインだったが一気にスタメンに。その勢いのままW杯にも出場した。持ち前のスピードはよりゴール方向へ強調され、極地でも冷静でゴール前の密集の中でも冷静にシュートを流し込める。点が取れるWGはいつの時代も貴重。単独でカウンターの脅威を突きつける性能はヴィニシウス級である。しかし何もかも兄貴に似てないな
対面するDFにいつでも強気に挑んでいく姿勢はまだまだ向上の可能性を感じさせてくれる。兄と共に躍動してクラブを欧州の舞台まで導くことが彼自身を成長させることに繋がるだろう。
以上です。あなたの推し選手は選ばれていましたでしょうか。
パウ・トーレスが唯一の3年連続選出。ちなみに彼は26番目に選ばれた選手でした。おめでとうございます。ところで2年連続選出していたクンデがバルサに移籍して資格を失ったのはおもしろいですね。
国外から移籍してきた選手はロメウくらいなもので、国内で年々良くなっていく選手を見ていられるのはとても楽しい。個人的には今季のデ・マルコスが最高だった。アルナウ、ベイガ、ニコあたりの国内産の若手選手が活躍するのも見ていてワクワクしたね。
なんか個人的な趣味でね、たとえばAKBの選抜が発表されたとして。それが16人だったとして。「17人目がいるとしたら誰だったんだろうな」って思いません?僕は思います。ファンが選ぶランキング、みたいなやつ、「そのほかこんな曲も人気でした!」みたいなやつの方が気になりません?ということで最後まで悩んだ27人目を発表しておきます。
アブデ・エザルズリ / オサスナ(21歳🇲🇦)
です。良かったよね今季は。オサスナであの仕事ができるところが良かった。こんなの始めるとあと10人くらい書きたくなっちゃうんだけどな。あとは個人的に聞いてくださいませ。みんなの優秀選手も教えて。
最後に最終選考に残った選手達です。多すぎる。並びはクラブ順位の順です。
長々とありがとうございました。次の記事は全チーム短評!