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【ラリーガ23-24】第3節不完全マッチレビュー〜見たのだけ〜

3節は全部は無理。せっかく書いたから見たのだけ。




ラス・パルマス 0-0 ソシエダ

●らしさが出たのはホームチーム

※表記変更:ロイオダイス→ロイオディス

8/25
エスタディオ・グラン・カナリア
ラス・パルマス 0-0 ソシエダ

未勝利同士、ボールを握りたい同士の試合。ホームのラス・パルマスは新加入の電柱カバをスタメンにしてジョナタン・ヴィエラはIHに移動。当社比で点が取れそうな選手を前線に置いたのは個人的に印象がいい。ソシエダはメリーノが今季初出場。これで駄目だったらもう駄目だろう。

これまでの試合を見るときっとラス・パルマスがボールを持つんだろうなという印象だったがその通りの試合に。ビルドアップと前プレで、ラス・パルマスは敵陣で試合をすることができた。左WGのサンドロ・ラミレスによくボールが入り、ここを中心に侵入していく。ラス・パルマスが良かったのはWGがペナ角でボールを持った時に外側から追い抜くことを徹底したことと、PA内へ頑張って2人侵入するようにしたこと。サッカーを変えずに改善しようとしている姿はいいね、意地を感じて。そして、ゴール前に人数をかけながらも再奪回にCBまで動員してボールを奪いにいったことも良かった。ソシエダが地上戦にこだわる点と、蹴ってきたところでカルロス・フェルナンデスが全く怖くないことを軸に強気な設定をした。舐められまくりのCLクラブである。実際ラス・パルマスの再奪回はハマりまくっていた。

ソシエダは中盤がボールを引き取れない上、最終ラインは強めなプッシュに逃げ気味になり全くボールを持てない。可能性を示したのは久保の1vs1だけである点はここ2試合と同じ流れ。何故かどうせ途中でいなくなるのでここはラス・パルマスにとって我慢箇所である。
ラス・パルマス側は20番のキリアン・ロドリゲスが抜群の出来。中央でターンもフリックも決まりまくって左右に展開を動かした。ソシエダはブライス・メンデスを前に出して4-4-2で守ろうとしていたがキリアン・ロドリゲスを放置できなくなりアンカー番に移動。簡単にボール支配を手放したのは昇格クラブには爽快だっただろう。
ラス・パルマスは縦パスとレイオフのセットを徹底し、前向きの選手からWGの足下にボールを入れて全体で前へ進む方向性を共有。確かな技術をベースによく走りアクティブな前半を過ごした。だからこそ先制点が取れなかったのは残念だが、どっちがCLクラブなのかわからなくなるクオリティを見せていた。

後半開始からソシエダは堪らずオヤルサバルとサディークを投入。前線の理不尽さを発揮したい。
まずはこの2人が背後を狙い続けることで試合のバランスは変化した。そしてサディークが相手CBを追いかけ回し続けてラス・パルマスのビルドアップを難しくさせていった。FWの頑張りは大事。いくつかのチャンスを作り、久保の仕掛けにスビメンディがゴール前に飛び込むなどして前半よりは可能性を見せた。ただ、点が取れてないくせに予想通り久保とブライス・メンデスを75分で潔く交代してしまう。満足ですか?0-0で。僕には理解できません。

ラス・パルマスは前進が難しくなるとカバを諦めてハビ・ムニョスを投入。サンドロ・ラミレスを最前線に動かして中盤タスクの選手を増やした。トップを減らしてでも保持時間を求めたのは、点を取りにいくよりも試合のペースを落ち着けることが優先だったのかな。あくまでもボールを持つ。終盤にもフレッシュな選手を総動員していき、良いミドルシュートもいくつかあったがアレックス・レミーロが立ちはだかり、無得点に終わった。あとは決定力をどうにかしたい。

●ピックアップ選手
キリアン・ロドリゲス(ラス・パルマス)
中盤でボールを引き出して左右に動かした。強いプレッシャーを浴びても気にも留めず楽々ターンしていくのは爽快だった。



セルタ 0-1 マドリー

●アクシデントを言い訳にせず

8/25
エスタディオ・デ・バライードス
セルタ 0-1 マドリー
【マドリー】’81 ベリンガム

セルタは前節の後半で上手く機能した3CBでスタート。CBの替えをやれるのがこの日もWBでスタメンしているミンゲサくらいしかいなさそうだが大丈夫だろうか。守備時はラーセンとバンバがサイドに移動して5-4-1を作る。カウンター局面で上手くいっていたのは、このラーセンとバンバのどちらかが突っ走っていってそこに配球。アスパスと協力して前進し、両WBが頑張って走ってくる、という形。セルビからミンゲサみたいなラストパスもあり、ミンゲサからバンバのパスが通って決定機もあった。3分にはCKからゴール前に混戦を作って最後はラーセンが決めたがファールを取って取り消し。
マドリーはGKにケパを初出場させた以外は前節を踏襲。ベリンガムが守備時右にいることが多く見えたがどうなんでしょう。前半のうちに今度はヴィニシウスにアクシデントがあり、ホセルと替わった。ヴィニシウスは心配だがホセルの長時間起用はどこかでやりたかっただろう。左の高い位置をフラン・ガルシアが取るしかなくなり変なバランスになっていったが、後半の改善に期待したい。

後半。マドリーはロドリゴをヴィニシウスが普段やっている左の位置に動かして4-4ブロック。ベリンガムが飛び出す。そういえばホセルを入れたならバルベルデが右WGの3トップじゃ駄目なのかな。
無得点のまま進んだ62分にクロースとモドリッチを入れる。66分にベリンガムの美しいスルーパスに抜け出したロドリゴがPK奪取。速かった。これをビジャールが完璧に止める。
81分にマドリーがようやく先制。クロースのCKにホセルが触って最後はこの日もベリンガム。また決めた。

セルタが前半に比べるとチャンスを作れなくなっていく中で、後半にセットプレーで勝ち切ったのはマドリーっぽい。クロースとモドリッチが入ってからの方がゲームをコントロールできていた印象もあり、まだ最大出力は出していないような雰囲気がある。
セルタは3CBの配置でボールを保持する形もよく出て、敵陣にも侵入できた。ラーセンは不運も多く、バンバはマドリー相手でも破壊力があった。

●ピックアップ選手
ジュード・ベリンガム(マドリー)
3戦連発で3戦連続の選出。
なにかと決定的な場面に顔をだす。




グラナダ 3-2 マジョルカ

●実を結んだ攻撃スタイル

8/26
ロス・カルメネス
グラナダ 3-2 マジョルカ
【グラナダ】’12 ルビオ ’46 サラゴサ ’70 ウズニ(PK)
【マジョルカ】’38 アブドン ’87 サム・コスタ

グラナダは2節と同じメンツ。4バック配置。マジョルカはアマトではなくアブドンを起用したので5-4-1ではなく5-3-2風。左WBは新加入のラトがスタメンに。先に言っておくと"ラトだなぁ"というパフォーマンス。PKゲット含め。
右CBはジオバンニがいることでマフェオが戻ってこなくてもサイドの守備がどうにかなることが増える(と思う)のでいいと思う。たぶん

13分にホームのグラナダが今季初めての先制。プレースキックの流れで右サイドからクロスが入ってルビオにドンピシャ。いい入り方だった。グラナダは細部に勝者のメンタリティ的なものが見え隠れするな。2部優勝クラブだしな。

17分にマジョルカはPK奪取。その前のセットプレーでもゴール前でラトが微妙に揉めておりフリが効いていた。そのラトが倒されて笛が鳴った。これをムリキがポストにぶち当てて外す。今季はどこも失敗が多いような

グラナダは左SBのネバがビルドアップのキーに。ボールを持って高い位置まで出て来られるんだが、シンプルにブライアン・サラゴサがタッチライン踏んでた方が怖いんじゃないか疑惑もあり難しいところ。保持が上手いのも考えものである。当のサラゴサは右サイドまで出張するなど勝手に動いていたが、カジェホンもどこいるかわからないのでそれとなく人数バランスは悪くないのでしょう。
マジョルカは、この試合の方むしろが5-4-1がいいんじゃないか感があるが先制されてしまったのでそうも言っていられない。そしてダニ・ロドリゲスはそこかしこで喧嘩していたが、ダルデルが全然ボールに関われないのは何故でしょうか

38分にマジョルカが同点。ルビオが目の前を通るクロスを何故かスルーし、アブドンに決められた。ミスかな。結果的にマジョルカのスタメン選択は当たりに。

後半開始早々、新たなラリーガの韋駄天ブライアン・サラゴサのよくわからんシュートがいい感じに相手に当たってゴールに入る。見事。
マジョルカはラリン投入と、カードをもらったジオバンニに変えて中盤のサム・コスタを入れて4バックに変更。しかしなかなか上手くいかない。68分にはラリンのハンドでPK献上。ウズニがようやく今季初ゴールを決めて3-1に。しかしウズニは割とシュートが枠に飛んでいないね。
87分にマジョルカはCKの混戦からサム・コスタが一点返すがここまで。厳しい戦いが続くがこれで開幕3試合で勝ち点は1点ポイントのみ。昇格組のグラナダに初勝利を与えることとなった。なんとなくこの戦い方なら先季同様にそれなりのポイントは取れそうに見えるが、要所の機能性でどうも相手を上回れていない印象。3試合とも先制点を取られてしまっているのはマジョルカらしくないかもね。
連敗していたグラナダはようやく初勝利で一安心。前節の機能性をそのまま試合に持ち込み、自分達を信じた。交代策もすでに確立されている感があり、パコ・ロペスがいい集団を作っている。この中盤の構成でどうやってボール持つねんと思っていたが普通に持てるんだよね。この試合はGKラウル・フェルナンデスの好セーブに依存した部分もあるが、これからも勝つ試合は普通に勝ちそう。

●ピックアップ選手
ブライアン・サラゴサ(ジローナ)
相変わらずキレのあるドリブルで威勢よくシュートを放ちついにプレメーラ初ゴール。ダメ押しゴールとなるPK奪取も彼のドリブル。いよいよ無視できない存在に。



セビージャ 1-2 ジローナ

●司令塔を解放せよ

8/26
ラモン・サンチェス・ピスファン
セビージャ 1-2 ジローナ
【セビージャ】’45+2 グデリ
【ジローナ】’16 ヤンヘル・エレーラ ’56 アレイシ・ガルシア

勝利が欲しいホームのセビージャはオリベルをスタメンに。スソは右。これは相手の左SBミゲルがビルドアップ時高いポジションを取ることからその背後をスソとナバスで、という狙いがありそう。最終ラインは出場停止明けのバデが戻り、CHはジブリル・ソウが初スタメン。
ジローナは2節ヘタフェ戦と同じスタメンに。ヤンヘル・エレーラがプレス回避の軸となりながら、ミゲルが中盤ポジションを取るのでイバン・マルティンが常に浮く。プラス1のタスク。その仕事はパブロ・トーレが上手いんじゃないかと思いつつ。

まず先制はジローナ。CKから最後はヤンヘル・エレーラが決める。エレーラが当たっているのもあるがセビージャは引き続き運が味方しない。セビージャはジャッジにネガティブになっていったのも、上手くいってないなと選手達が感じている焦りが見える。ただ、前半ロスタイムにこちらもCKからグデリの同点ゴールが生まれ、テンションを上げて後半に向かう。

後半。ジローナはイバン・マルティンを下げてフアンペを入れた。ちょっと配置がよくわからなくなったが、アルナウが最終ラインのビルドアップから離脱し、ダビド・ロペスがアンカーっぽかった。ちょっとわからん。
55分にアルナウが敵陣PA内に入り、折り返しをアレイシ・ガルシアが決めている。狙い通りっぽい形。セビージャはどうしても最後の我慢が効かない。アレイシ・ガルシアが自由にポジションを動かし始めてさらに捕まらなくなっていった。
61分にはまたCKからショートコーナーでラキティッチがそのまま右足で美しいシュートを決めたがなんとオフサイド。またまた不運。ジローナはよくライン上げてた。

63分にジローナはストゥアニ→ドフビクを交代。ストゥアニはこの日は出番少なめだった。ジローナは前がかりになりたいセビージャをひっくり返すカウンターを繰り出し、サヴィオが裏を取る。バデが頑張って走って戻る。

攻め込むセビージャは75分にラファ・ミルと、新加入のルケバキオを投入。
78分にジローナはヤン・コウトとバレリー。走力担保。85分にはサヴィオが内側に進むドリブルに誰も反応できず、シュートまでいかれる。ポストが止めてくれて跳ね返りに詰めたドフビクも外す。セビージャは足が止まり始めていた時間帯。
終了直前、FKの壁に入ったダビド・ロペスの腕にボールが当たっておりPK疑惑にVAR介入したが無し。顔に向かってたし腕出ちゃうよなあれ。たぶん肩だったというジャッジかなと。

結局アウェーのジローナが逃げ切り。セットプレーから点を取り、後半に狙った形で勝ち越すと状況が悪くなる前に選手交代で形を変えて乗り切った。セビージャの猛攻を耐えたDF陣を褒めるべきだが、悩ましいのはアレイシ・ガルシアをアンカータスクから解放してからの方がチームが明らかに良くなった点。アンカーをダビド・ロペスでシーズンを乗り切れるかは微妙であり、やはりロメウの代わりは必要な気がする。そしてそうなるとパブロ・トーレの仕事がなくなる。
セビージャは2試合連続で走力バトルに苦しんだ。セットプレーの精度はさすがだがゴール前の我慢がなかなか効かない。終盤のネガトラも酷かった。ジブリル・ソウを置いとけばその回答になると甘読みしていたがそんなこともなかったという気付き。状態の良いラファ・ミルはそろそろスタメンかな。次はアトレティコ戦。

●ピックアップ選手
アレイシ・ガルシア(ジローナ)
アンカーポジションから解放された後半に決勝ゴールをゲット。やはり中央に固定するべきではない選手。今後の配置は注目。




アトレティック 4-2 ベティス

●キレ味勝負

8/27
サン・マメス
アトレティック 4-2 ベティス
【アトレティック】’30 ’45 ベスガ(2点ともPK) ’45+8 グルセタ ’84 ウナイ・ゴメス
【ベティス】’2 ウィリアン・ジョゼ ’10 イスコ

ホームのアトレティックは前節怪我をしたデ・マルコスの代わりにレクエがスタメン。退場のサンセの代わりはムニアイン。ムニアインは存在感を出しておきたい試合。
ベティスはFWがウィリアン・ジョゼ。

開始早々にベティスが先制。ジョゼ、アヨセ・ペレスが止められてもがむしゃらに前進してガンガン行ったら最後はジョゼの前にボールが転がってきた。さらに10分、アトレティックの再奪回を外してロングボールでルイバルが一発で抜け出し。折り返しをイスコが決めた。ベティスらしいゴールがようやく出た。アウェーのベティスが最高の立ち上がり。ルイバルはスピードを活かす場面が意外とない選手だが速いですよね

ベティスはビルドアップも良い感じで、アトレティックの前2枚を割と簡単に外すが、2-0になってからなので参考記録とする。

26分、中盤でボールを引っ掛けたイニャキが中央を一人で突進してニコが裏抜け。PK奪取に成功。速すぎる。なんでもないボール奪取から約3秒、パス一本でGKと1vs1になれるトランジションのクオリティは驚異である。
さらにニコの突破からムニアインのポスト直撃のミドルシュートなどで一気に試合の雰囲気を変えたホームのアトレティック。
45分にもう一つPK。ニコのPA内のチャレンジをギド・ロドリゲスが踏んづけてしまった。ちょっと可哀想。2本とも職人ベスガが沈めて前半のうちに同点に。
そしてVAR介入も2度あったため長かったロスタイム+8分に逆転ゴールが生まれる。中央でやや逃げ腰になったベティス。ベスガの突進を許し、最後はイニャキの速いクロスにグルセタが合わせて2戦連発。

58分にベティスはロドリとミランダを入れる。アトレティックはリードを奪うと一気に落ち着く。どこかの単独突破を一つ入れれば得点機を作れる余裕が憎い。ただ、守備では要所をファールで止め始めてイエローがかさんでくる。
その後は中盤にパウルを入れるベティス。やはり交代の選択肢はもう少しほしい。アトレティックはベレンゲルとウナイ・ゴメス、さらに左SBにユーリを入れて余力を見せる。

74分にベティスはやっとボルハ・イグレシアス。シンプルにジョゼと替えた。あとはいつも通りグアルダード投入。

相手を引き込む余裕のあるアトレティックは84分にロングカウンター発動。ベレンゲルの配球からイニャキが右サイドを走り切って、折り返しのこぼれ球がウナイ・ゴメスの目の前に流れてきた。嬉しいトップチーム初ゴール。終わってみれば4ゴールでホームチームが快勝。先季も7節までに4ゴール試合が3つあったが今季も早速大量得点の試合を作り連勝。
ベティスは10分で2点をリードする願ってもいない展開となったが逆転を許して初黒星。4失点は先季29節のアウェーバルサ戦以来となった。

●ピックアップ選手
イニャキ・ウィリアムズ(アトレティック)
ボール奪取から反撃の一発目となるPK奪取に繋がったスルーパスを出し、その後は低いクロスでアシストを2つ。今季はずっとだが、この試合は特に1stタッチのフィーリングが良く、常に危険な存在だった。



ラージョ-アトレティコ

8/28
カンポ・デ・フトボル・デ・バジェカス
ラージョ-アトレティコ
【ラージョ】
【アトレティコ】

レビュー終わったらリンク貼ります

●ピックアップ選手




以上です。4節もマイペースに見ていこう。

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