ラリーガ21-22 18節全マッチプチレビュー

どうもです。年内最終節のはずが、未消化があるチームがそれ以降も試合してたりマドリーとアトレティックはもう21節を戦っていたり。(※スーパーカップがあるかららしいが)
でもおれはここで"18節は年内最終節"と自分に言い聞かせてレビューしていく。いくぞ!




①セルタ 3-1 エスパニョール

●これぞセルタ。年内最終戦で完勝
【セルタ】'3 ミナ '47 アスパス '82 デニス・スアレス
【エスパニョール】'92 ロレン・モロン

セルタエスパニョール

モチベーション高く試合に入ったのはホームのセルタ。3分に中央を突き抜けて先制。サンティ・ミナの今年一番のキレ味がここで来た。
先手を取って気分が良くなったのか、そもそもこの日は良い日だったのか不明だが、ベルトラン、セルビ、ブライス・メンデスの3人が自由にポジションチェンジしながら背後を狙ってチャンスを演出。エスパニョールはアスパスに納まるボールもケア出来ず苦しい。

エスパニョールは保持すると左SBペドロサのハイポジションがキーに。メレンドの可動域が広く、上手くボールを引き出しているが、この日のセルタは異様に帰陣が速い。勝つと焼肉でも食えるんだろうか
44分にエスパニョールが完璧なカウンターからプアドのフィニッシュ。しかしディトゥーロのファインストップ。何だこの日のセルタは!

セルタは後半頭からベルトラン→デニス・スアレスを交代。47分に早速スアレス、ブライス・メンデスが近い距離でパス交換して最後はアスパスの綺麗なフィニッシュで2点目。アスパスとミナで最終ラインを引っ張ってライン間にブライス・メンデスが侵入、というこの日のセルタは止められそうにない

エスパニョールは全体的に動き出しが少なく、外側をボールが回る。セルタの帰陣が速いので仕方ないかも。動き出せないなら電柱を置けばいいじゃない、という事でロレン・モロンを投入するなど試行錯誤する。

セルタは82分にデニス・スアレスが決めて3点目。エスパニョールも良くなかったが、こうなるとセルタは手がつけられない。運が悪かったと思うしかないだろう。
セルタとしては年内最終戦に良い面が全部出た。気分良くウインターブレイクに入る

●ピックアップ選手
イアゴ・アスパス(セルタ)
1ゴール1アシストで勝負を決めた。
キレがありフィニッシュも巧みだった。エースの働き



②ラージョ 2-0 アラベス

●ホーム負け知らず。欧州カップ圏内で折り返しへ
【ラージョ】'19 セルジ・グアルディオラ '26 カテナ

ラージョアラベス

ホーム無敗の昇格組ラージョはアラベスを迎える。
ラージョがボールを持って押し込む試合展開。ピッチを幅広く使い、トップ下のオスカル・トレホが色んなところで数的優位を生む。特に左のダブルガルシアの近くに位置して上手く裏パスを出す。
先制点もそこから。トレホからアルバロ・ガルシアへのスルーパス。セルジ・グアルディオラがニア詰めして先制。お見事。CFのニア詰めは多分デザインされているな

しかしラージョはこんなに上手かったっけ、ってぐらいボールが回る。自信がプレーに表れている。
26分にCKからすかさず追加点。プリメーラのっぽさんランキング上位(194センチらしい)のカテナが合わせた。こういう混戦の強さも、ラージョの良いところである。

一方のアラベスは上手くいった場面も笑える場面も一切なく。ただひたすらにユニフォームがかっこよかった前半だった。
85分までは何もしない系のストライカー、ホセルもほぼ仕事なし。クロスに踵でお洒落に触った場面以外は画面に映った記憶もない。40分に惜しくもないシュートは打ってた
ラージョが異様にハイボールに強いため気合い根性で陣地奪回する事もできず、引きこもりから抜け出す事ができなかった。
アラベスは選手交代を使っても展開を変えられず勝負あり。ラージョはこれで今季ホームゲーム8勝1分で無敗。全チームトップのホーム成績となった。

●ピックアップ選手
アルバロ・ガルシア(ラージョ)
残念ながら前半で負傷交代となったがスピード感抜群でアラベスは対応できず。先制点をアシストした



③ソシエダ 1-3 ビジャレアル

●質の高い陣取り合戦。ビジャレアルは逆襲の後半戦へ
【ソシエダ】'32 イサク
【ビジャレアル】'38 '68 ジェラール・モレノ '96 チュクウェゼ

ビジャレアルソシエダ

4位ソシエダはホームで今季不調のビジャレアルとの試合。今季ジェラール・モレノが出ている試合を見るのは個人的に初めて。
ボール保持に強みのある両チームだが、前半はビジャレアルがペースを握った。まずジェラール・モレノの存在が大きすぎる。ハイボールでも足下への速いボールでも確実に収めて周りを使える。

ビジャレアルソシエダ2

それでいて本人はCKからヘディングで2戦連続ゴール。手が付けられない。ビジャレアルは今をときめくジェレミー・ピノがジェラール・モレノの側でプレーできるのも大きい。そしてFWディアは自信を持ってプレーし、ポストワークも巧みだった。そしてシュートはいつも通り、それどころか輪をかけて絶望的に下手だった。
ジェラール・モレノの完璧なお膳立てで宇宙にシュートを放つディアと、ヤヌザイのベルベットパスでQBKするイサクの華やかなショータイム、これぞラリーガである。

ソシエダは普段よりもボールを持てないながら、奪って右に左に大きくランニングするイサクを生かしてカウンターで陣地奪還できていた。そのカウンターから、見事なゴールで先制点を決めたイサク。簡単なシュートを決めなさいよ。

後半開始早々、カウンターで独走しそうだったピノをオヤルサバルが背後から危険なタックルで止めて一発退場。一人少なくなる。
これでソシエダは大外の管理がほぼ不可能になり、左大外のエストゥピニャンと内側をランニングするアルベルト・モレノ、逆サイドで好き勝手やるピノに対応できなくなった。途中から元気で速いチュクウェゼとペドラサを入れてじわじわとなぶり殺しモードに。

フリーザ


元祖じわじわとなぶり殺す人

ソシエダはエルストンドを入れて闘魂注入。気合いと根性モードに突入した。
結局68分、またしてもCKにジェラール・モレノが合わせてアノエタを沈黙させた。彼をフリーにさせるソリューションが準備されていたCKだった。しかし簡単に離しちゃ駄目だぜ。
終盤はあちらこちらで喧嘩が始まり、最後はセルロートにゴールに迫られてビジャレアルはクローズをミスる雰囲気をプンプンさせつつ、95分に最後まで元気にカウンターの裏抜けをしたジェラール・モレノからチュクウェゼでようやくダメ押し。

退場者が出て流れは変わってしまったが、強豪同士の好勝負だった。ビジャレアルはようやく今季初の連勝。ソシエダは4連敗で年内のスケジュールを終えた。


●ピックアップ選手
ジェラール・モレノ(ビジャレアル)
圧倒的存在感で攻撃の中心に。パレホからモレノへのパスがチームのスイッチを入れ、リズムを作った。2ゴール1アシストで文句なし、試合の主役となった



④バルサ 3-2 エルチェ

●魅力と甘さの共存。苦しんだ3ポイント
【バルサ】'16 ジュグラ '19 ガビ '85 ニコ・ゴンザレス
【エルチェ】'62 テテ・モレンテ '63 ペレ・ミジャ

バルサエルチェ

バルサはホームに、歴史上負けた事のない相手、エルチェを迎える。エルチェはいつの間にか監督が変わっていた。夢も希望もない

バルサは後方3枚だなあと思っていた1:30頃に早速裏抜けしたフェラン・ジュグラがネットを揺らす。オフサイドになったが良いシュートだった。また良いタレントが。
エルチェは非保持はホサンが大外に落ちて5枚。保持時はSHにポジション、4-4-2風。

16分、バルサは今季1点も取れていなかったCKからまたジュグラが合わせて今度こそ先制。新しい9番になれる予感
19分にはガビ。マルコーネとマスカレルの間でボールを呼び込んでターン、ロコを振り切りながら左隅へ正確なフィニッシュ。スーパーゴールでしょう。

デンベレは良い意味で異物感があって良かった。どこからどう見てもバルセロナの血が流れていない感じが。あと異様に守備を頑張っていた。改心するとは思わないけど(失礼)

エルチェはほぼ抵抗できず押し込まれ続けた45分間。しかしバルサも、前からガンガンボールプレスを掛ける守備で、最後尾で晒されるのがラングレとエリック・ガルシアなのはどうなん、というシチュエーションは何度かある。そこにはプジョルもマスチェラーノもピケもいないぞ、という。

後半、エルチェはホサンに替えてテテ・モレンテ。明確に4-4-2にして、ただしラインを低く。まずは失点しないという構成。逆に言うと、引き込んで守ればチャンスはある、と見ているのかもしれない。プレスさえかわせば取り切れるぞと。

さらに選手を2枚替えて、エルチェが追いつく。
61分にまずバルサのネガトラが悪く、サイドチェンジ一発でテテ・モレンテがゲット。ラングレの対応も終わっていた。
さらに63分にアラウホのロストからサイドチェンジ。またテテ・モレンテが仕掛けてクロスに大外のペレ・ミジャがどフリーで合わせた。このクロス対応も終わってる。

バルサは71分にジュグラに替えてニコ・ゴンザレスを入れると、ゼロトップのような配置に。彼はアンカーなのかと思っていたが違うようだ。前がかりになるバルサはさらにネガトラが怪しくなるが、一点取らねば。

膠着した試合は85分、バルサはガビが左に移動していたデンベレを使ってポケットを攻略。折り返しにニコが合わせて決勝点となった。

苦しんだバルサと、同点にするために諸々尽くしたエルチェ。
好ゲームとなったがバルサは貴重な3ポイント。まだ上位を追える位置に付ける事ができた。問題点が明確な分、やる事はシンプルだろう。
エルチェは監督が変わってまだ途上。インテンシティと選手交代の説得力は感じられた。残留へ向けてどこまで上積みできるか

●ピックアップ選手
ガビ(バルサ)
チーム2点目となるゴールは圧倒的なタレント。もう何点も取っているような貫禄だがこれが初得点である。85分にはチームを救う決勝点をアシストする突破。圧倒的なクオリティを見せながら誰よりも走り続けた。文句無しのスーパースターだ。



⑤セビージャ 2-1 アトレティコ

●ホームチームは唯一マドリーを追いかける存在に。シメオネは初の3連敗
【セビージャ】’7 ラキティッチ ’88 オカンポス
【アトレティコ】’33 フェリペ

スタメン

マドリーを追う上位対決はホームのセビージャが勝利し、アトレティコはシメオネ体制では初の3連敗。
マッチレビューはこちら!

●ピックアップ選手
ルーカス・オカンポス(セビージャ)
90分走り切り、対人でも常に優位に。最後はCKから強烈なボレーで決勝点をゲット。ロスタイムに倒れて運ばれていたが脳震盪とのこと。ボールが当たったのかな?




⑥グラナダ 4-1 マジョルカ

●5大リーグ最年長での3発。ソリッドだったグラナダの完勝。
【グラナダ】'20 '61 '91 モリーナ '96 プエルタス
【マジョルカ】'24 ダニ・ロドリゲス

グラナダマジョルカ


今季不調、コパデルレイも4部クラブに負けて不穏な空気が漂うグラナダ。
CBのルッソを怪我で欠くマジョルカは久保とイ・ガンインが揃ってスタメン。
明らかに球際で喧嘩が始まりそうな対決。

グラナダが案外上手くボールを持つ。ミジャとゴナロンを中心に、大外を幅広く使う。マジョルカはトップ一枚を残してきっちり撤退。カウンターよりも自分達の形を作れる機会を待つ。
ただマジョルカはイドリス・ババの周辺でのボールロストが続き、なかなか保持でハーフラインを超えられない。グラナダは奪うと縦幅を使って放り込み、セカンドボールを確実に奪って前向き、を繰り返した。

良い流れで、グラナダが20分に先制。横パスを受けて前を向けなかったイ・ガンインを2人で囲んで奪取。カウンターから39歳ホルヘ・モリーナが冷静にゲット。2戦連発。
しかしマジョルカは前進が出来ない。久保にボールが入った時は単独で進めるが、ここもイ・ガンイン同様に狙われたら危険なところ。ただ、22分までに両CHからイエローカードを引き出した推進力は見事。

24分、マジョルカはこの日最初のチャンスで同点に。CBからのパスを一列落ちて引き出した久保から左大外のハウメ・コスタへの正確なフィード。クロスにフリーでダニ・ロドリゲスが入ってきた。久保からしか解決出来なそうな中で久保から解決した見事なゴール。グラナダは対応出来るはずの箇所だったように思う。取れると思って前向きになりすぎたところでひっくり返されてしまった。

その後もグラナダが2,3回決定機を迎えつつ、マジョルカはイ・ガンインと久保の関係から最後はダニ・ロドリゲスの際どいシュートと、お互いチャンスを作る気持ち良い展開に。

膠着した展開となった後半の61分、五分のボールを収めたゴナロンから左サイドをネバが突破。PA内枚数は足りていたが混戦の中からまたモリーナ。グラナダが勝ち越し。

南米の匂いのするグラナダはここからのクローズが上手い。時間の使い方、人のいないエリアへの進み方が上手で、安全に試合を運ぶ。

マジョルカの決定機は90分、左大外からのエスクデロの速いクロスがニーニョの目の前に来たが決めきれず、逆に次のプレーのカウンターからグラナダは最後モリーナのこの日3点目となるミドルシュート。なんとハットトリック。試合を決めてみせた。ロスタイムにプエルタスの4点目のおまけ付きで、ここ4戦を2勝2分とした。
マジョルカはスタートの11人は悪くなかったが交代のカードがあまり効果的でなく、要所要所で同点に追いつくチャンスを作りながらも逃げ切られた後半が課題か。

●ピックアップ選手
ホルヘ・モリーナ(グラナダ)
ハットトリック。ホアキン・サンチェス(ベティス)の38歳140日を更新するラリーガ最年長でのハットトリック、それどころかセリエAのロドリゴ・パラシオ(ブレシア)の39歳86日を上回る5大リーグ最年長、39歳241日での記録達成となった。
3得点どれも見事なゴールだった。守備貢献も高くプレスバックを繰り返しながら90分超プレーした。



⑦アトレティック 3-2 ベティス

●ナイスゴール連発の好ゲーム
【アトレティック】'2 '72 イニャキ '89 デ・マルコス
【ベティス】'6 ファンミ '52 フェキル

アトレティックベティス

アトレティックはダニ・ガルシアが出場停止でベスガがスタメン。GKはアギレサバラ。
ベティスはいつものメンツで。バルトラは個人的に久しぶりに見る。
開始2分、真ん中を割ったムニアインからボールを受けたイニャキが早速ゲット。ホームのアトレティックにとっては願ってもない試合展開。しかし6分、今度はベティス。カナレスから大裏のアレックス・モレノへピタリとロブパスが出て、最後は絶好調のファンミ。あの位置でカナレスのマークをあけたのは不用意だった。

アトレティックはカナレスとフェキルをあけたくないので真ん中に人が寄って守り、そうするとベティスは高い位置を取る両SBが余裕を持ってボールを持てる。が、ベティスのSBが高い位置を取るとアトレティックはポジトラでムニアインとニコを使える、というお互いのバランス感覚が面白くなってくる。

後半。お騒がせ審判ヒル・マンサーノの謎判定でフェキルがイエローをもらい早速怪しい雰囲気に。直後にウィリアン・ジョゼがどフリーで抜け出した1対1を余裕で外す。
しかし怒れるフェキルが決める。ポケットに侵入してきたカルバーリョとのワンツーを使ってゲット。流石の一言。アトレティックは撤退を崩される厳しい失点になった。

しかし今度は72分にアトレティックが追いつく。速い縦パスを引き出したサンセからイニャキの裏へ。左足の強烈な一撃で、ニア上を射抜いた。これでサン・マメスは一気に逆転の雰囲気に。

お互いにもう一点を狙って積極的な選手交代を行った好ゲーム。決着は89分、オスカル・デ・マルコスの右足から。これもサンセが突破していき相手を引きつけたところから。最後はビクトル・ルイスに当たって入る不運なゴールとなった。

アトレティックはこれが10/23のビジャレアル戦以来、10試合振りの勝利。マドリーを追いかけるベティスは年内最終戦で痛い敗戦となった。

●ピックアップ選手
イニャキ・ウィリアムズ(アトレティック)
今季まだ3ゴールだった男が久しぶり(たぶん英語実況は3年振りと言っていた)のドブレーテ。特に左足でニア上を突いた2点目は見事な一発で、GKもイニャキならあそこはない、と思っていたのではないか。




⑧ヘタフェ 1-0 オサスナ

●決め手を欠いた両チーム。劇的決着
【ヘタフェ】'93 ポベダ

オサスナヘタフェ

ヘタフェは普段通りの5-3-2。オサスナも4-1-4-1でいつも通り。オサスナは割と簡単にロングボールを使う判断をしていた。一番前に電柱ではなくチミー・アビラを置いてロングボール選択、となる。
実際、かなり緻密に相手を動かしていたオサスナ。WBを前に呼び込んで背後を取る。HVを外へ引きずり出して、チャンネルを広げる。そこにチミー・アビラ。という狙いが見られた。クロスに対しても相手のCB2枚に対して3枚入ろうね、という感じで。

ヘタフェはIHのカバーエリアがポイントになりそうだが、スペースを埋めようとあまりにも低く構えすぎると一方的に押し込まれてしまう。特にアレニャは前線に残っていてもらわないと攻撃も成り立たなくなる。ここのバランスが押し引きの肝だと思われる。ヘタフェは、失うならファールするかオフサイドになろう。みたいな考えが見られ、オサスナの攻撃は毎回一からやり直しになっている。試合全体のスピードも上がってこない。コロコロ転げ回るサンドロ・ラミレスにキレたウナイ・ガルシアが蹴りを入れる一幕も

後半に入っても膠着。オサスナは理由もなく前進できない時間が増え、ヘタフェは上手く限定できても攻撃の選択肢がなく大外からの放り込みに終始。おれが客席にいたらウェーブしてたくらいには暇

73分にヘタフェはCBのクエンカに替えてMFのヤンクトを入れて左の高い位置。後ろを3枚風に変えた。アレニャがトップ下ぽい3-4-1-2かなと
意外とこれで簡単に押し込む体制を作れたヘタフェ。ついに得点の匂いがする時間を迎えて82分にはCKの流れからサンドロ・ラミレスが際どいシュート。さらにエネス・ウナルのヘディングでゴールに迫る。
オサスナはオイエルだのハビ・マルティネスだのロベルト・トーレスだの出てきて保持を回復しようと試みる。
が、90+3分、アレニャが良く走ってカウンター、何回も何回もやり直して最後はダミアン・スアレスのクロスに飛び込んだ、アトレティコで何だか印象的なゴールを一回だけ決めて異常に将来を期待されながらそういえばいなくなっていたダリオ・ポベダが飛び込んで決勝点。お互いに説得力のない試合だったが、ヘタフェが降格圏を脱出。ここ5試合を2勝3分、もっと言うと開幕7連敗以降は3勝6分2敗でウインターブレイクを迎えた


●ピックアップ選手
ダリオ・ポベダ(ヘタフェ)
劇的ゴールしか決められない男はヘタフェでも見事、チームを勝利に導く一発。こんなに背高かったっけね。ナイスゴールでした



⑨マドリー 0-0 カディス

●シュート36本の雨あられ。カディスは価値ある1ポイント

マドリーカディス

マドリーはコロナ陽性者続出でメンバーの入れ替わりがある。ベンゼマは誕生日。
カディスは4-5-1風だがアレックス・フェルナンデスが一枚アンカーのところ行こうね、という雰囲気。ソブリーノはトップではなく左の大外。

きっちり撤退するカディスに、じっくり穴を開けにいくマドリーという構図。ベンゼマとヴィニシウス、クロースからバスケスの大裏、バルベルデのミドルなどで溝を探しつつ、押し込む。

まず、しっかり引いて真ん中を固めよう、という約束を遂行できたカディス。この日のように、やる事がはっきりしている試合はやはり強いチーム。得点は二の次だろう。
マドリーは主に右サイドの選手達が連携含めお互いのタスクが手探り状態な前半だった。バスケスは大外を取れている事にたいしたメリットがなく、アザールは理不尽に打開する事は出来ず、むしろカディスに"ここなら取れる"と思われていたように見える。ヴィニシウスは無理なので。ただアカポがヴィニシウス番として良い働き。アザールは時間が経つに連れて狭いゾーンでのプレーは良くなっていったが、まだまだ。60分には3トップ3枚の絡みで最終ラインを破壊。ヴィニシウスに決定機。

カディスはロサノが腿逝きして前半で交代。ネグレド投入となった。
押し込みながらも取りきれないマドリーは70分にヨビッチinで2トップに
カディスは唯一と言っていいカウンターチャンスが74分に。最後はネグレドに決定機が来たが惜しくも枠を捉えず。
その後も終始押し込んだマドリー。しかしカディスの選手達は全員PA内で身体を投げ出したシュートブロックを連発し、GKレデスマも好セーブ連発。先季の勝利に続き、今季もアウェーのマドリー戦でポイントをゲットした。

●ピックアップ選手
カルロス・アカポ(カディス)
右SBに入り、厄介なヴィニシウスと対決。内へ入ってくる相手にマンツーに近い形で付き続け、最後の最後までやらせなかった。




⑩レバンテ 3-4 バレンシア

●まさかの未勝利年越し
【レバンテ】'21 カンパーニャ '24 マルティ '91 バルディ
【バレンシア】'44 '85 ゲデス '50 '72 ソレール

レバンテバレンシア

さて最後は未勝利のままでは年を越せないレバンテと、欧州カップ圏を目指して勝利で終えたいバレンシア。
レバンテは右SBに18歳のマルク・プビルがトップチームデビュー。
ガブリエル・パウリスタもアルデレーテもいないバレンシアはギジャモンがCBをやる。非保持はラチッチアンカーの4-1-4-1風。

4-4-2でコンパクトに守るレバンテをなかなか攻略できずにいると20分、CKでディアカビの手に当たってレバンテにPK。なんかOFR久しぶりに見た気がする
最近蹴らないモラレスではなくカンパーニャが止められるものの、そのカンパーニャの元に跳ね返っていったボールを誰もケアしておらず自ら詰めて先制。シレッセンは死ぬほどキレてた。そりゃそう。さらに24分、意味不明なポジトラでカウンターを許したバレンシア。最後はロジェール・マルティが大事に大事に決めて、2点目。モラレスのパスも素晴らしかった。いよいよ。ついに迫る初勝利の瞬間。

バレンシアは取り急ぎソレールが最終ラインまで落ちて球出しの改善を図る。レバンテは36分にまたもカウンターからモラレスがトドメを刺しそうになるが、ディアカビが掻き出した。首の皮一枚。
いいところのなかったバレンシアだが44分。ゲデスがボールを引き出してウーゴ・ドゥーロのポストワークを使いながら左足で完璧なフィニッシュ。前半で試合を決められなかったレバンテ。なんとなくスタンドの雰囲気もざわざわしてきた状態で、前半終了。

後半。48分にいきなりダニ・ゴメスのミドルがバーを叩き、こぼれ球にフリーで詰めたマルティが空振り。その逆襲で抜け出したウーゴ・ドゥーロをヴェゾがひっ倒してPK。あーあ。ソレールが決めて、同点。あーあ。

行き足がついてセカンドボールもバレンシアが拾い始めると試合は荒れ模様に。
そして72分、ゲデスがボールを持つといつの間にかエアポケットに侵入していたソレールが抜け出して、勝ち越し弾。レバンテはあまりにもお粗末な対応だった。85分にはマルコス・アンドレとゲデスの2人でカウンター完結して4点目。最後は意地で一点差に迫ったが、そこまでが限界だった。

思い通りに前進出来なかった前半に2点を失うも、追い付き追い越したバレンシア。最後までインテンシティを保った彼ららしい試合をした。序盤の不安定はご愛嬌だろう、勝ったし。
これでレバンテは未勝利、0勝9分9敗で年内スケジュールを終えた。この試合を見ても保持率はほぼ互角(51.6%)、パス成功数(354対345)もシュート数も似たようなもの(15対15)。そして終わってみればスコアも1点差だった。
しかし、レバンテが勝つ見込みはどれだけあっただろう、という試合だった。前半3点目を取りきれず、ハーフタイム目前で一点取られて相手に希望を持たせ、自分達のミスからPKを与えて、最後は最終ラインの管理がグダグダ。
もっともっと大きな変化がないと、このまま降格が待っている。


●ピックアップ選手
カルロス・ソレール(バレンシア)
2点を失って安定しなかったチームで、球出し役を引き受けてまず保持を確保。後半には同点のPKと勝ち越し弾の2発。逆転勝利を演出した。



●まとめ

2021年のスケジュールを終えた。ほぼ。だいたい。
マドリーは2位セビージャに5ポイント差(アトレティック戦を勝って8ポイント差)。独走と言える。セビージャもやや抜けているがその後ろは団子。3位ベティスから8位バレンシアまでと、復調してきた9位ビジャレアルは最後まで欧州カップ争いを続けそう。
下位はやっているサッカーを見ても16位ヘタフェ以下の5チームで降格争いだろう。マジョルカが全然勝てなくて巻き込まれる可能性が少しだけある。

上位でもバルサが勝ったり負けたりを繰り返し、ソシエダやアトレティコが4連敗するなど、小さなきっかけで大きな順位変動がありそう。
特にCLを戦うマドリー、アトレティコ、ビジャレアル
ELのバルサ、セビージャ、ベティス、ソシエダと、どこもかしこも日程がキツくなる。

上位陣がどこも決定的な武器を持てずにいる中、ベンゼマ・ヴィニシウスのいるマドリーが止まりそうにない。このまま独走優勝があるか、待ったをかけるチームが現れるのか。冬の補強に注目したい。レバンテは頑張れ

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