見出し画像

【プレビュー】2強を追うライバル?〜セビージャのスカウティングレポート〜

全文無料で公開しておりますが、スカウティングレポートを応援してくださる方は記事をご購入いただけますととても嬉しいです



セビージャを分析していこう。開幕から全試合見た。ここまでの成績はこちら。

vsオサスナ(A)●1-2
vsバジャドリード(H)△1-1
vsアルメリア(A)●1-2
vsバルサ(H)●0-3
vsマンチェスター・シティ(H)●0-4
vsエスパニョール(A)○3-2
vsコペンハーゲン(A)△0-0
vsビジャレアル(A)△1-1

ラリーガは1勝2分3敗と絶望のスタート。15位。
CLはシティにボロ負けしコペンハーゲンにも勝てなかった。3節、4節のドルトムント戦で最低1勝しないともうおしまい。1勝1敗でもほぼ無理かもしれない。

もちろん、ラリーガで3季連続で4位のクラブであり、先季もCL決勝トーナメントに進出したクラブであり。2強を追う上位直接対決!のつもりで準備していたが残念ながらそうはならなかった。レポートしていこう。せっかく見たし。

まずはスカッド。主なin/outはこちら

In
DFマルコン(ガラタサライ)
DFニアンズ(バイエルン)
DFアレックス・テレス(マンチェスター・ユナイテッド)
MFイスコ(マドリー)
MFヤヌザイ(ソシエダ)
FWドルベリ(ニース)

Out
DFジエゴ・カルロス(アストンヴィラ)
DFクンデ(バルサ)
DFアウグスティンソン(アストンヴィラ)
MFオスカル・ロドリゲス(セルタ)
FWムニル・エル・ハダディ(ヘタフェ)
FWオカンポス(アヤックス)
FWマルシャル(マンチェスター・ユナイテッド)
FWイドリシ(フェイエノールト)
FWルーク・デ・ヨング(PSV)

なんと言ってもCBが2人ともいなくなった。痛手どころの騒ぎではない損害。2人とも先季の優秀選手に勝手に表彰させてもらった選手でもあって残念だった。

そして開幕直前にはアウグスティンソン、ムニル・エル・ハダディ、そしてオカンポスまで放出。もはやCL逃して解体が始まったチームかの如く売却が進んだ。そもそもマーケット最終盤になってあんまり出番がなさそうな選手が続々出ていってしまうのはマネジメントとしてどうなんだろう。

代わりに補強したのはまずイスコ(マドリー)。そしてアレックス・テレス(マンチェスター・ユナイテッド)、ヤヌザイ(ソシエダ)、ドルベリ(ニース)。そもそ獲得が必須になるCBはガラタサライからマルコン。そしてバイエルンから若手有望株のニアンズを補強している。ちなみにマルコンはまだ出場もしていない

基本の4-2-3-1

基本システムは 4-2-3-1or4-3-1-2がベース。トップ下にイスコかパプ・ゴメスを置く事が多い。

2トップver.

2トップを選択する際はラファ・ミルとエン=ネシリを並べる事はなく、必ずラメラが入る。4-3-1-2でも、非保持はラメラが右SHの位置に入って4-4ブロックを作る事が多い。


●保持
・ビルドアップ
まずはビルドアップのお話。このチームはトップやライン間に縦パスを突き刺して前進、スピードアップ。という狙いは基本的にない。ゆっくりと進んで相手選手をゴール付近に押し込み、とにかく敵陣でサッカーする事を望む。そのため、ビルドアップもまずはボールを失わずに陣地を獲得していく事が何よりも優先される。

ビルドアップ構造

そのため、高い位置に選手を押し上げるだのライン間で相手の中盤の注意を引き付ける、だのといった仕組みは特にない。とにかく人数をかけて進んでいく。両CBはGKのブヌのサポートも借りながら相手FWのボールプレッシャーをかわしていく。両SBはブヌからのキックを受ける位置。CHはCB間でもCB横でもいいので近づいてくる。2人とも近づく。相手最終ラインの背後を狙うのは基本的に1人or2人のFWだけ。これでも相手のプレッシャーが掛かっている場合はSHの選手もスルスルと落ちてきてボールを引き取りに来る。パプ・ゴメスなんかはこの動きが元々得意なので重宝される。今季だとイスコも単独でプレスを外せる存在としてニーズがある。
FWはラメラは少し特殊として、ラファ・ミルorエン=ネシリが起用される。どちらが起用されてもビルドアップの際は前進出来ない場合の逃げ道を用意するために基本的に中央からいなくなり、大外まで走る。

FWは真ん中に構えず大外にロングボールをもらいに行く

で、ロングボールの受け手となる。
こう書くと"じゃあラファ・ミルの方が”と見えるが、正直セビージャはこのFWの周辺を選手がサポートしているわけでもなく、単独でボールを収める、とかヘディングで競り勝つ、みたいな仕事にたいして価値がない。競り勝ったところで。
マイボールのスローインにする、とか中途半端にボールを溢れさせてセカンドプッシュを狙うような動きの方がチームの前進の助けになれるので、別にエン=ネシリでもいい。なんだったら相手にボールを回収されてしまった時にスピードを活かして追いかけられそうなエン=ネシリの方が良さそうだし、正直どっちでも良い。極論を言えばどっちもいなくても良い。

CLシティ戦のスタメン

実際、CLのシティ戦はどっちもいなかった例。この日はイスコが一番前にポジションしていたが、これは別にゼロトップがどうとかそういう話ではなく、上記のFWがやるプレス回避の大外サポートより中盤に降りてくる人が1人多く欲しいとかそういう要求による人選であった。シティ相手ならFWがいなくても困るのはクロスに頭で合わせる選手がいないくらいだし、そもそもシティ相手にバンバンクロスを放り込む試合は想定していなかっただろう。
このチームは、前プレの構造で相手の前進を阻害するから2トップの組み合わせを・・・という発想も特にない。相手CBからボールを取る意図はないし、そういうプレスが得意な選手もいない。最後は強力CBコンビで跳ね返すからあんまりそういう要求がなかった。と考えると少し悲しくなる現状だが。

話が逸れた。ビルドアップの話を結末させる。
このチームのビルドアップの目的はズバリ"ポケットを取る事"である。
こう言うとまるでシティでデブライネがポケットから高速クロスで仕留めるという類のものを想像しがちだが、セビージャは違う。ポケットを取ればいい。まさにそれが"ビルドアップの終着点"に設定されている箇所だ。その先の話は、次のフェーズへ


・攻略
ボールがハーフウェーラインを越えると、狙うのはポケットである。
セビージャは元々、両サイドの大外にSHとSBを2人ずつ立たせて大きなサイドチェンジ両翼を押し込み溝を探す。駄目ならやり直しを何度も繰り返す。という形で敵陣でずっと”おれのターン”を展開する事を標榜しているチームであった。
ただし今季はビルドアップに人数を割かなければいけない事情がある。単純にプレス回避で苦労している。
ビルドアップに人数が多く必要なのは、それそのものが悪い事なわけではない。マドリーとかビジャレアルも6,7人が自陣に立ってプレスを外していく。セビージャの場合は大外で待っていてほしいSHやSBがビルドアップの仕事に追われてしまうのが悩ましい、という話だ。そのため配置で相手を押し込むような事はなかなか出来ない。と同時に、今のセビージャ相手ならカウンターを狙えばどうにかなりそうと相手チームに思われている節があり、相手がなかなか押し込まれてくれないのが現状。2人くらい前に残しておけば背後が取れそうと思われている。まあ舐められている。

唯一と言っていいほど上手くポケットが取れていたのは6節のビジャレアル戦。

6節ビジャレアル戦のスタメン

この日はイスコがトップ下に入る4-2-3-1。そして方法も形も問わず、サイドの高い位置にボールを入れる事が出来た。理由はシンプルに"ヘスス・ナバスがSHだったから"だ。ここにボールを蹴っておけば収まる。

ナバスに収まる

それに合わせて、イスコが相手SBの背後へ。ここにパスを通す形を何度も作った。
これでセビージャのビルドアップは完結している。正確には"相手チームを可能な限り押し込む"事がビルドアップの目的であり、ポケットにボールを入れたという事は相手最終ラインをもうゴール前まで押し込めている。これでOK。これでビルドアップ成功。

あとはボールを後方に戻して、自分達のターンをスタートさせる。クロスを入れるも逆サイドに送るも、隙間で細かいパスを繋いで突破する(見た事ないが)も自由。

この配置が一番、ロペテギが安心する形なのだろう。2CB+フェルナンドがネガトラ対策。その前で主にジョルダンが幅広くエリアを埋めてサポート&セカンドボール奪取。逆サイドは大きく開いたポジションを取ってサイドチェンジを待つ。この連続。

正直スペクタクルの欠片もなく、個人的には一切面白味を感じないサッカーではある。バネガがいなくなって以降のセビージャは割と常にこんな感じ。フェルナンドとジョルダンのCHコンビはこの形で能力を最大化するし、これ以外は特に何も出来ない。面白いと思った事がない。

FWのラファ・ミルorエン=ネシリはどちらも、フルシーズンスタメンで出ても10点くらいしか取れなさそうな選手であり、どれだけ長い時間"おれのターン"が続いたとしても、クロスを上げていれば点になるようなストライカーではない。ラファ・ミルはそういう仕事を期待して獲得されたとは思うし、ルーク・デ・ヨングはそういうFWだったし新加入のドルベリもその手の選手である。エン=ネシリはそれとは関係ないカウンターとかから点を取るが。
FWの頭を狙っても駄目だ、となれば攻撃の選択肢はマイナスへのクロスややり直しのミドルシュートになる。という事でそれが得意な選手が今季重宝されている。アトレティコ出身のオリベル・トーレスである。彼はゴール前に効果的に顔を出せる事にプラスして、ビルドアップでイスコの子分として気が利く点もスタメン起用の理由かもしれない。スソでも似たような事が出来そうだが。


●問題点の指摘
この戦術に問題があるとすれば、"先季の仕組みをそのまま継続している事”であろう。しつこいようだがこのチームは解体シーズンかのようにメンツが変わったチームだ。なのに先季までと同じ事をしている。今季のスカッドに最適化していない。そりゃ苦戦するだろう。ロペテギがこれが最適と思っているなら正直ガッカリだ。

まずそもそも2CBの強度がない。これでは対戦相手はいくら押し込まれていても前線に人を残す。蹴っ飛ばしてカウンターで背後を取れれば点になりそうだもん。実際ここまでラリーガ6試合で11失点している。CLではシティに4点取られた。先季リーグ最少の30失点のチームとは思えない。ちなみに先季は開幕6試合で2失点
アタッカーはオカンポスのような単独で活きる兵器型の選手もいなくなった。ドリブルで局面を攻略するような選手は皆無だ。そもそも相手に引いてもらう事を狙ったサッカーをしているチームが、引いた相手を崩す術を持たないというのはなんの冗談か。おれのターンなのに物理攻撃を持っていない。


●非保持
続いて、非保持の話。

・プレス
上で書いたように、ロペテギのチームは前線からのプレスで相手の選択肢の限定するような発想はあまりない。まず自陣に4-4かそれに準ずるブロックを作る事を優先する。長い距離を追いかけ回すような守備が得意な選手はあまりいないし、大外で強烈な対人対応が出来る選手もいない。基本的にクンデ&ジエゴ・カルロスのコンビをサイドに連れ出される事も避けたかったので、なるべく配置を崩されたくなかったというのもある。それさえやっていれば守り切れた、というのもあるだろう。今季は前線の限定が効かずクリーンなボールを通されると普通に人と人の間を抜けられてPA内侵入を許したりしている。速いくさびのボールをフリックされると簡単に背後を取られる場面も。これらも、アップデート出来るならするべきなのではないかと思う箇所だ。能動的にボールの取り所を設定する守備をしないと今季の最終ラインは耐えきれない。

・撤退
撤退も、プレス強度の甘さに引っ張られているのが現状だ。少し気になるのはGKのブヌ。先季はサモラ賞を獲得したが、ゴール前で支配的な圧迫感を見せられる選手ではない。1vs1の局面に特別強いという事はなく、至近距離のシュートを止めるタイプでもない。コースが限定されている状態でエリア外のシュートを止めるのは上手いです。くらいの評価で終わってしまうのは残念だし、彼の奮闘がないといよいよこのチームは厳しそうなので、どうにか頑張っていただきたい。


●采配
ロペテギの優先順位は常におれの好みと合わない。それは今季も変わらない。
CBに希望する補強が出来なかったのはわかる。というかあの2人が抜けて満足いく補強ってどんなだよ。
その中で若手を登用してチャレンジしている現状も理解する。が、そもそももう少しゲームモデルを変える事は出来ないものか。このままだとたくさん引き分けを重ねて"強力なCBとWGがいなくなったらこんなもんです"という感じで9位くらいで終わりそうだが。それだとロペテギも解任になるだろうし、どうせならもう少し大きなチャレンジを期待したいところである。

中盤のチョイスはフェルナンドもジョルダンもデラネイもグデリも、ロペテギが望むプレーは出来ると思うが、どの組み合わせでも現状を変えるのは厳しそう。
とは言っても、じゃあ中盤を自分でボールを運べる選手に変えようと思ったらシンプルにラキティッチ(34歳)と心中するしかなく、それはちょっとキツそうだ。もっと2,3人いなかったっけか。中盤。

残念ながらFWも”これでCLクラブ?”という質。元々打ち合いで勝てるチームではないが、先季まで以上に決定力に頼りたい場面は増えるシーズンになる。殻を破ってチームを救える選手は出てくるだろうか。


また、ロペテギは選手交代で試合展開に影響を反映させたがる監督である。例えば、CLコペンハーゲン戦。

CLコペンハーゲン戦のスタメン

前線はエン=ネシリとラメラがスタメンで2トップ。4-3-1-2で戦っていたが、後半途中からパプ・ゴメスを投入し、4-2-3-1に移行。これでポケットを取りに行けるようになり、"おれのターン"がようやく発動し始める。
するとロペテギはエン=ネシリ、ラメラに替えてドルベリとスソを入れた。
つまり、試合が相手を押し込めるフェーズに入ったのでPA内で高さを活かせるドルベリと、押し込んだ相手にドリブルを仕掛ける、切り込んでミドルシュートを狙うという選択肢のあるスソを入れた。という交代だった。ただ、この時間帯はコペンハーゲンもフレッシュな選手をどんどん投入している時間であり、セビージャ側も良い時間帯を継続出来ず、ここから全然相手を押し込めなくなる。するとスソなんて本当になんのインパクトもなく、何しに出てきたのかわからない存在に。結局最後まで押し込む時間を取り戻せず、選手交代が不発(裏目)に終わった。


ここから見えてくるのは、監督の選手交代の考え方である。シメオネは割と流れとボールの巡りを変えるために選手を入れ替える。まずくなったらファイヤーフォーメーションも厭わない。
一方、ここから見えてくるロペテギの考えは、"試合展開が変わったから、それに適した選手を入れる"というもの。後出しなのだ。これでは自発的に試合のペースを掴みに行けないし、受け身になってしまうだろう。受け身でも勝てたんだけどな、先季までは。
この辺は監督にも発想の転換が必要なのではないかと思っている。

もはやアトレティコはセビージャが選手を入れ替えてくれるように相手に付き合ってもいいんじゃないか。ボールを持たせておけばエン=ネシリとラメラを下げて電柱とボール待ちアタッカーを入れてくれるのなら、ボールを持たせておいて選手を替えてきたらトランジションを発生させてこっちのペースに引き込む、みたいな。


セビージャvsアトレティコプレビュー

さてここからは土曜のセビージャvsアトレティコをプレビューしていく。
セビージャには”もっと大きな変化が必要"と書いたが、代表ウィーク明けだし変化を試すならここになる可能性もある。ここでは取り急ぎ、これまで通りのゲームモデルでぶつかった場合にどのような噛み合わせになるかをプレビューしていく。


●立ち位置予想

セビージャはラメラをトップに入れる2トップもあり得るが、イスコをスタメンにする4-2-3-1になると予想する
2トップの方がいいんじゃないのと思いつつ、ロペテギがイスコのプレーから今後の糸口を探そう(探してもらおう)としているようにも見えるのでイスコをスタメンに予想。それに引っ張られてオリベルもスタメンするものと見る。

ちなみに、オリベルはイスコと相性が、という内容を書いているが、少し離れた距離からロペテギのセビージャを見ている者として、この監督は基本的に相性やコンビネーションというものには無頓着だと思う。あんまり気にしていない。気にしていない事そのものが悪いかは一旦置いておくが、いつまで経っても良い組み合わせが見つからないのはそもそもこれまで全然良い組み合わせを探して来なかったツケなんじゃないかな、とは思う。たぶん


●セビージャの保持

アトレティコの非保持はこれまで通りの5-3-2を想定する。そもそも5バックとは、5レーンに5人立つ事で溝の侵入を人で止める考え方だ。なのでセビージャはビジャレアル戦で実践したようにSHに配球してトップ下(イスコorラメラ)がポケットを取りに行って押し込む、のような形はアトレティコ相手にはそう簡単に作れない。ポケット殺しのプロであるヘイニウドがそう簡単に侵入は許さないだろう。右はたぶん怪我明けの若親分が立ってる

アトレティコは左SBのアクーニャにIHorWBをぶつける前プレも想像出来る。アクーニャは個でプレスを外せる選手なので放置したくないのと、アクーニャの背後を狙えるカウンターの選択肢を準備して攻め上がりを牽制したいところでもある。スタメンはモリーナで予想しているが、ジョレンテが強気に前進して止めに行っても良い。正直このくらいの相手ならモリーナに何とかしてほしいという希望も込めている。

結果、セビージャのプレス回避の逃げ道は右SBとなる。カルモナ。この選手がいかに気の利いたプレス回避を実現出来るかが一つのポイントになる。
アトレティコからすれば、ボールを持ち上がられる事そのものは別に怖くない。その先の出所を潰せていればいい。カルモナにボールが入った時の両チームのリアクションが前半のボール保持を左右しそうだ。イスコとラメラがズルズルボールに近づいてきて、出し所に困ったカルモナがFWの背後ランを狙って蹴っ飛ばすだけならアトレティコは非常に楽。ヘイニウドはほぼ100%の確率でイエローをもらうだろう。


●アトレティコの保持に対して
引き続き、セビージャはアトレティコ最終ラインからの配球を阻害する事はしない。イスコがアンカーを消そうとするだろうが、アトレティコはさっさと左右を選択して進む事が予想出来るメンツなのでこれも大した効果はなさそうだ

アトレティコは押し込まれるフェーズを減らすことが出来れば、ボールを持つ事そのものに苦労する展開はなさそうだ。おれは大外を侵略される機会がそもそも少なくなるので押し込まれる事はあまりないのではないかと思っているが、どうだろうか。
結局セビージャは望んでいないとしてもネガトラのセカンドプレスでアトレティコを止められるかがポイントになってしまう気がする。ルマルのスタメンを予想しているのはここにある。中途半端なところに転がったボールを奪い合う展開になった時にルマルの良さを出してほしい。あとは2トップのスピードでぶっちぎっていただいて前半のうちにゴールへ辿り着きたい。
正直アトレティコは先制点を取る事が出来ればほぼ勝ち切れる相手と思っていい。


●注意点
注意したい点は、結局押し込まれた時に限る。5-3-2のままで撤退すると、両サイドのSB-SHのチェーンをどのように捕まえるか、という問題が出てくる。

押し込まれると、SBの配置をどう消すかという問題が出てきて、アトレティコはここで悩まされるのは避けたい。そして、2トップは常にカウンターを狙って、このセビージャの保持をひっくり返す狙いを持ちたい。


●注目点

セビージャのポイントはやはりどのようにプレスを掻い潜るかに集約される。誰がどこまでボールをもらいに降りてきて、どうやってハーフウェーラインを越えるか。どうやって押し込むか。その先の”どのように点を取るか”は、もう「アイディアがない」という結論が出ている。特に何もない。漫然とゴールを目指すだけだろう。
個人的には綺麗に配置してくるよりヘスス・ナバス、アレックス・テレスをSHに起用してとりあえず大外の高い位置を狙ってくる方が嫌だと思う。まあ積み重ねも進化もない形だが、この方がゴールの近くでプレー出来るので。

アトレティコはFWの働きに注目。保持率はお互い50%付近になるだろうし、決定的にワンサイドゲームになる要因もない。あるとすれば、結局セビージャの弱体化したCBが我慢出来ない展開だろう。アトレティコはシンプルに質の高いFWが揃っている。スピードでも何でも良いのでFWvsCBで上回って簡単に点を取ってほしい。たまにはそういう勝ち方をしても良いのではないか。


アトレティコも人の事を言えない程度には調子がよろしくない。3ポイントを必須で考えたいアウェーゲームになる。気づけばあまり点を取っていない2トップにはいい加減にしてほしいし、面白くない失点を繰り返す最終ラインにも勘弁してほしい。今のセビージャのチーム状況を考えれば良い勝負をしている場合ではないし、先季勝てなかった(アウェー1-2、ホーム1-1)相手でもある。何が何でも3ポイントだ。


10/1 25:30
ラモン・サンチェス・ピスファン
セビージャvsアトレティコ


ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?