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近年の意識的流行とニューエイジ

近年ようやく日本でも多様性の尊重、ダイバーシティ、LGBT/マイノリティの尊重、ジェンダーフリー、障害者の尊重、パーソナリティや発達障害(と言われる個性)の認識の広がり、自分らしくあればいい
…といった全容的な意識が主流になりつつあります。

どんな人も置き去りにされず、活き活きと生きられる社会の実現へ向かった意識的潮流の高まりがあります。

昔から個性的で浮きまくってきた自分にとっては有難い話で、やっとここまで来たかという安堵がありつつ、時代の波としての次の流れも見えつつあります。

このような現代の波は、
その意識的背景として意外と広く知られていないのですが、1960年後半からのニューエイジムーブメントの影響が大きく、これを抜きにして語る事はできないでしょう。

ニューエイジの波は当時カウンターカルチャー(対抗文化)、ヒッピー文化(フラワームーブメント)などと共に伝播し、アメリカを発信地として欧米を中心に世界的に広がっていきましたが、

さらなる背景としては19世紀末の神智学(NY発祥)、心霊主義(スピリチュアリズム)、グノーシス的神秘主義、西洋的異端思想と東洋的神秘主義の融合などにその源流があります。

日本では「精神世界」というジャンルでニューエイジ系の本が書店で扱われたりして、現在の「スピリチュアル」と言われるところに受け継がれたり、その思想の一部が時代の在り方に合わせて自己啓発書などの中に取り入れられたりしています。

ニューエイジは占星術的に魚座の時代から水瓶座の時代(アクエリアス)に移行するにあたって人間の霊性の飛躍的進化が起こるという考えのもと、
その特徴として

⚫︎ワンネス思想(全ては元々一つ/一元論的)
⚫︎男性性の時代から女性性の時代へ
⚫︎ジェンダーフリー
⚫︎地球意識(環境保護、エコロジー、ガイア思想)
⚫︎ハイヤーセルフとのつながり(高次の自己)
⚫︎宇宙とのつながり
⚫︎自己の内在神の思想、霊性探求
⚫︎汎神論(すべてが神)
⚫︎自己実現、自己啓発、自分らしく生きる
⚫︎個であり全(個性的で違いがありつつ、全体として調和している。)
⚫︎人生の自由主義(好きな事で生きていく)
⚫︎トランスパーソナル心理学(自己超越の領域を含めた心理学)
⚫︎ポジティブシンキング
⚫︎引き寄せ、シンクロニシティ
⚫︎気付きの重視
⚫︎瞑想、マインドフルネス
⚫︎平和主義的なグローバル化(国境なき世界)
⚫︎博愛、平等、調和
⚫︎ホリスティック(全体抱合性)
⚫︎ニューサイエンス(ホリスティックな科学観)

などが挙げられますが、
こうしたものの多くが70年代の遺物どころか、50年ほど時を経た現代に様々な形で伝播し、グローバルスタンダード的に実現しているものもある現実を見るこの頃は
"ニューエイジの完成"をも感じるようになりました。

文化の潮流の背景にはやはり思想や精神性がありますが、
60〜70年代当時のような過激な形を取らずとも、水面下で脈々と受け継がれ、
様々な書籍やインターネット、表現、作品、イベント、キャンペーン、教育などを通して、人々の心へ影響を与えた確かな"新霊性運動"として機能したようです。
既存の宗教的な形をとらない近代最大の霊性運動ではないでしょうか。

しかしそれが確かに影響力の高い霊性運動である事から、それによってもたらされる都合の悪い影響の方を懸念してこれに対抗し、バランスをとろうとする霊性の方もあり、
そちらの側からしたら脅威とも思われて警戒されていたりする事も見逃せません。
かつてのカウンターカルチャーに対しての更なるカウンターカルチャーも生まれかねないです。
現代のスピリチュアル的なものに対してアレルギー反応をする人も多くいます。

またニューエイジからの波は、あまりに自由で自己責任的であるが為に進むべき方向や心の在り方を誤って都合の良い考え方や幻想的没入ばかりしていると、大変な現実へ到達しかねないので注意が必要だと思います。
現在でもかなりトンデモない方向に到達してオカルト系youtube動画やトンデモブログなどで疑念や妄想を募らせている人々がいると思います。

そうした危険を回避し、過去の過ちを繰り返さず、新しいバランスの取り方を心得た
現代ニューエイジとでもいうか、
新しい波の起こりがこれから露わになっていくのではないかと思われます。
私は現代版のニューエイジの"NEW"を、今までとまた違った新しさという意味で近年多用される"NEO"に置き換えた”NEOAGE(ネオエイジ)”とひとまず定義しています。

日本で言えば、開国から160年程経ち、戦後から70年程経って
東京オリンピックを目前にして
今改めて日本としてのアイデンティティに向き合う流れの中で、
私達はどうありたいのかという精神性が見つめ直される事もあるかと思います。

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