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昭和の功罪について

ガラパゴスはFacebookやTwitterでちょこちょこ昭和的価値観を否定するような事を書いています。

なぜガラパゴスがそのような発言をするのか一度まとめておいた方がよいと思ったので記事にしてみます。


ちなみにガラパゴスは昭和63年生まれなので、ほぼ平成の時代を生きてきましたが、もちろん両親は昭和の人なので価値観はある程度理解しているつもりです。


1. 昭和が与えたもの

昭和とはまさに戦争から高度経済成長へのど真ん中の時代です。

特に昭和20年代以降の高度経済成長は、客観的にみてもいわゆる日本が一番よかった時代と言っても過言ではないかもしれません。

それくらい昭和の人たちの努力によって今日の日本がこれだけ豊かになったわけです。


一方で、もちろん昭和の人たちも「自分たちのおかげで日本はここまで来た」と考えているわけです。

彼らは今まで日本が経験したことがないとんでもない成功体験をしているわけで、自己肯定感が高まりまくっている状態です。


もうちょっと具体的に言うと、男性は終身雇用の制度の中、企業に対して帰属意識を持ってどれだけ会社のために貢献するかを一番の評価軸に置いているわけです。

また女性もいかに男性を効率よく働かせ、支出を抑えて家事育児を完璧にこなすかが求められたわけです。


この考え自体は、当時であれば最も効率的かつローリスクな社会生産活動だったわけで、それを否定する気は全くありません。


問題なのはその価値観を子供達や後輩たちに押し付けてしまうことだと思います。

もちろんそれは相手を思いやってのことなんですが、自分の成功体験が高ければ高いほど、それを他者に押し付けてしまいがちなのはどの時代も変わりありません。

またさらに問題なのは、上の世代がそれで世界的レベルで成功しているので、下の世代は反論できず従うしかないというところです。


2. 変化しないと淘汰される時代へ

ちょっと話がそれますが、なぜ日本がキャッシュレス化が進まないかご存知でしょうか?

それは日本が世界でもトップクラスのATM大国だからです。


みなさんもお金がなくなったらその辺のコンビニ行ってATMでお金おろせば済むので、キャッシュレスなくても正直全然困ってないですよね?


一方中国とかは全然ATMがないので、お金をおろす労力コストよりスマホ決済の方がコストが低いから一気にキャッシュレス化が進んだわけです。


これと同じことが車の自動運転とかAI技術でも起こっており、全部中国に抜かされていったわけです。


つまり人間って困らない限り変化しようとしない生き物なんですよね。でも変化しないでいると、誰かに追い抜かされてしまうんですよね。

歴史上同じようなことってめちゃめちゃ繰り返されているのですが(江戸幕府と明治維新とか)、やはりコストの差がはっきりしてこない段階では一般市民は動かないんですよね。


つまり何が言いたいかと言うと、昭和(及び平成)のおかげで日本のインフラってめっちゃ整ったと思うんですけど、そのせいで生活が快適になりすぎてしまい、新しいテクノロジーを入れようという考えが弱くなってくるんですよね。


まぁこれに気づいて「中国に抜かされてヤバイ!何か変えていかなくちゃ!」となればいいのですが、現実としては日本のトップ企業っていまだにトヨタなわけじゃないですか。

もちろんソフトバンクとかユニクロとかもすごいですが、以前のトヨタやソニーの世界的ポジションから比較すると全然まだまだですよね。


こういう昭和でできたインフラとか企業とかを「昭和の遺産」と呼ぶ人がいますが、あまりにも昭和の遺産が偉大すぎて、なかなかそれを捨てて方針転換するって国も国民もなかなかできないんですよね。


3. 価値観の継承

では現在の社会においてどのような人間が最も価値が高いかというと、グルーバル的に考えると「とにかく起業しろ!」がスタンダードなわけです。


ただおそらく日本人の多くはこの価値観にはついていけていないと思います。ガラパゴスも自分の子供に「大きくなったら起業しなさい!」とは言わないと思います。


では実際今の親が子供にどう言っているかというと、令和になった現代でも男性なら「ちゃんと勉強して、いい大学に入って、大きな企業に就職して、一生懸命働いて出世して、お金をいっぱい溜めなさい」となるわけです。女性ならこのような価値観の男性と結婚し、子供を産み育てることが重要だと教わるわけです。


まぁ少し理解のある親なら「好きなことをやらせてあげたい」くらいのソフトな感じになっていると思いますが、それでも男性でずっと年収200万円台で結婚もせず子供も作らなかったら、小言くらい言うのではないでしょうか?(ちなみにガラパゴスはこういう生活に憧れています)。


なぜこうなってしまうかというと、やはり私たちも昭和の親世代から教育を受け、平成に生きながらも昭和の価値基準に引っ張られているわけです。


4. 昭和の感じで令和にいるとどうなるか

では実際令和において昭和のような生き方をするとどうなるかというと、結局磨耗して終わるだけだと思います。


まず男性の場合同じようなことを考えている人がすごい多いので受験戦争、就職活動でめっちゃ磨耗します。また運良く大企業に入れたとしても、大企業も昔より体力がないため終身雇用など維持できません。

しかし大企業の中の歯車としてずっと働いてしまうと、いざ40代でリストラされた時に汎用性のあるスキルがないので再就職にめっちゃ困ります。


女性も高収入の男性と結婚したからといって、夫のリストラ、病気、浮気、DV、モラハラなど離婚するリスクなんてめちゃめちゃあるわけです。

しかしなんのスキルもない女性だと残念ながら現代の日本では子供を育てながらしっかり稼ぎ裕福に暮らすというのは夢のまた夢なわけです。


もちろん現代でも昭和的生き方でうまくいっている人はいっぱいいますが、昭和に比べてそこから脱落するリスクってめっちゃ高くなっていると思います。


その時に必要なのは、勉強ができるできないとかではなく、いかに「自分に社会的価値を見出せているか」だと思います。


わかりやすいところで言えば、英語喋れますとかパソコン得意とかでもいいですし、今っぽい感じでいえば動画編集できます!とかおもしろい本の紹介ができます!とかでもいいと思います。


それでまぁ適当な中小企業でボトムライン稼ぎつつYoutuberとか副業して好きなことしつつプラスアルファ稼げた方が人生楽しいわけです。現代はゲーム実況でお金稼げるわけですから、いい時代になったものです。


どうせなんかの仕事してもAIの発達とか外国人労働者とかで職を奪われることなんて全然あるわけです。今回のコロナでその辺を痛感した人も多いと思います。

それであれば仕事に関しては初めから労働環境優先で最低限稼げるものを流動的にしつつ、好きなことを副業にするほうがよっぽど人生のコスパがいいと思います。しかもリスクも低い。


結婚だってしなくちゃいけないわけじゃないですし、事実婚みたいな少し緩い関係でもいいと思います。おそらく子供を産む・育てる環境についてもよりフレキシブルな環境になっていくと思います(じゃないと少子化で日本滅ぶ)。


5. それでも昭和が支持されるわけ

今まで書いてきたことってみんな冷静に考えればわかることだと思うんですが、でも世の中の風潮って変わってないですよね?


その最も大きな原因は少子高齢化によるものだと思います。


メディアのインパクトとしてはいまだにテレビの影響力って大きいと思いますが、やはりテレビは50才以上のいわゆる昭和の人に向けて作っているんですよね。

そのメイン層の価値観をいかに傷つけないで番組を作るかがテレビの中心になるので、「個人の力をつける重要性」や「社会的な地位より自由な生き方への選択」などについては全然フォーカスされないわけです。


まぁこのへんの情報は若い人はSNSから吸収していくので実際は問題ないのですが、周りの大人達の価値観はアップデートされないので、いわゆる「社会の分断」が起きやすい状況なのかなと思います。会社すぐ辞めたがる部下の気持ちがわからないみたない。


よくサンデーモーニングの張本の発言が炎上しますが、あれって若者からするとただの老害ですけど(笑)、やはり昭和の人からするとあの張本が若者に怒りまくっている姿、立ち向かっている姿っていうのは昭和のプライドを慰めてくれるんでしょうね。


6. 昭和をどう捉え直すべきか

では結局のところ若者は昭和をどう捉えればよいのでしょうか?


まず昭和全体に対してはリスペクトを持つのが大前提だと思います。昭和の努力がなければ今の日本は絶対にないことは間違いありません。


また今までの話をひっくり返すようですが、日本人がアメリカ的個人主義に突っ走ったとしても、結局は勝てないと思います。

日本人の良さとは自己より他者のために頑張れるマインドを多くの人が持っていることであり、昭和はそのマインドと高度経済成長がバチっと合致したことによる結果なので、そこは超えられないかなと思います。


以上を踏まえてガラパゴスはどう考えているかというと、まず昭和的考えに縛られている人は心の中で黙殺しています(笑)

一方で昭和のことをよく知りもせず単純に批判ばっかりしている人も黙殺しています(2回目)。


一番リスペクトしているのは、過去の価値観を理解しつつ、時代の変化に自分を合わせていける人だと思います。そしてガラパゴスも常にそうありたいと考えています。特に医者は社会からある意味隔絶された環境にいるので、意識して色々な情報に触れるようにしています。


現代はまだ昭和の価値観に引っ張られすぎているので、カウンターとしての意見を多くしていますが、きっと個人主義的な風潮が強くなり過ぎれば「最近の若者は。。」とか言い始めると思います(笑)


以上ガラパゴスの考える昭和についてでした。きっと年代によって考えも違ってくると思うので、これからも色々な人の話を聞いて勉強していきたいと思います!

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