『ジョーカー』(文芸部リレーレビュー)

文芸部員によるリレーレビュー、六番手の登場。
いよいよ、後半戦か……。

 この作品はバットマンの敵役であるジョーカーが悪になるまでの物語をジョーカーの視点から語るという映画であるが、その内容から人を選ぶ作品となっている。しかし、もしあなたがAmazonのレビューにある批判を見て、見るのをやめようという結論に至ったのだとすれば、それは少々早計に過ぎる。有り体に言ってしまえば見ないのは勿体無い映画だと私は思っている。
 確かに、『ジョーカー』では社会不安による人の余裕のなさ、そこから来る人の醜さなどをしばしば描写しているために見ていて心が辛く、その描写が批判されたりするのだが、人はその醜さから目を逸らしてはならないからだ。
 映画の中でジョーカーが語り手であると思わせられる描写が複数あり、特に最後のシーンの意味に気づいた時に驚くこと間違いなしである。
 ただ一つ、主人公であるジョーカーの抱える病に関する設定は蛇足だったのではないかと感じられてならない(この映画への愛ゆえに)。

(高校3年生)

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