見出し画像

九段下〜変わりゆく駅と過去の名残〜

東京千代田区にある九段下駅は、周辺には日本武道館や靖国神社も存在する歴史あるエリアだ。
「九段下」の名前は市ヶ谷方面へ延びる靖国通りの坂「九段坂」に由来する。江戸時代、この坂に沿って築かれた石垣が9段だったことから、「九段坂」と名付けられたという。

九段下駅では、つい先日、改札の撤去工事が終わり、半蔵門線および新宿線から東西線への乗り換えがより早く行えるようになった。
オフィスワーカーのみならず学生などの利用も多い九段下駅だが、乗り換えが便利になったのは今回が初めてではない。

2013年、九段下の「バカの壁」の撤廃によって、半蔵門線と新宿線の乗り換え時間が圧倒的に短縮した。この「壁」は、かつて新宿線と半蔵門線を区切っていた一枚の壁で、それを境に両線が平行して走っていた。同じ階ですぐ隣を走っているにも関わらず、両線を乗り換える際には、一度ホームから上がる必要があったのだ。
壁の撤廃のおかげで同一ホームから両線に乗車できるようになり、乗り換えはホームをまたぐのみとなった。

九段下駅の工事で興味深いものは他にもある。それが駅建設時の「地下凍結工法」である。
九段下駅周辺は日本橋川が流れていることもあって地盤が弱く、水漏れのおそれもあるため、一般的な地下工事は難しかった。そこで用いられたのが、この「地下凍結工法」 だった。土の一部を凍結させた状態で、半蔵門線、新宿線のトンネルの掘削と駅の建設は行われた。

このように、普段から使う駅も、時に興味深い背景が隠れていることがある。それらの駅も、一度詳しく調べてみると、案外面白いかもしれない。

へいすてぃ(論説委員・高校1年)

Photo by けんぼさん on 写真AC

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?