直接的な学びと間接的な学び
突然だが、「学び」とは何だろう。
人間は学ぶことで進化してきた。世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスについても、その例として挙げられそうだ。今、この瞬間も世界中の人々がこのウイルスについて「日々の生活」の中で学んでいる。
僕自身、いつものような生活ではなかなか体験出来なかったことが、今回のSTAY HOME期間で体験できた。その時の特別な「日々の生活」について思い返してみると、このようなことが頭に浮かんだ。
「日々の生活での学び」は「勉強」では学べない学びである。
「勉強」と「日々の生活での学び」は、何が違うのだろうか。
それは、直接的な学びか、間接的な学びかということだ。
例えば、数学のような勉強は、方程式を学習するならば方程式の仕組みについて直接的に学習する。対して「日々の生活での学び」は、何について学ぶかは明確には示されていない。ある時突然役に立ったり、何か他の事柄と関連させて考えた時に初めて体験したことが何であったのかが分かったりする。このように、「日々の生活での学び」は間接的な学びなのである。
自己形成についても無視できない。
自己形成とは己を形作るという意味である。己を形作る為には、単なる「勉強」だけでなく、「日々の生活での学び」が必ず必要だ。
しかし小学生だった去年までは、受験勉強のような「勉強」がメインの学習をしてきたわけで、「日々の生活での学び」というものが不足していた。だが、今は違う。日常生活での何気ない出来事に意識を向け、「学ぶ」ことができるのだ。だから、今がチャンスなのである。今こそ、「勉強」では見つけることのできなかった己を見つけ、形作ることができるのだ。
中学生となったこれからは、様々な環境に適応しながら、これまで以上の己を形成する為、ただ闇雲に「勉強」をするのではなく、直接的な学びと間接的な学びをつなぎ合わせながら、日々精進していきたい。
もとひろ(論説委員・中学1年)
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