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膝関節を構成している大腿骨・脛骨の特徴です。OAになると内側が変形し、レントゲン上厚みが薄くなります。腸脛靭帯が付着するGADDY結節(斜縁)は脛骨祖面の外側にあり斜めの凹みの部分になります。(指が引っかかる部位です) ランナー膝の圧痛部位にもなります。
大腿骨の解剖です。脛骨と接触する面をCondylay notch(コンダイラー ノッチ)といい内側の方が外側より前面に位置します。(境目はPF関節となります) つまり、膝関節の最終伸展には内側の滑りが必要と言うことになります。
大腿脛骨関節の接触部位はCondylay notch(コンダイラー ノッチ)がある為膝の最終伸展に伴い、内側が前面に移動します。最終伸展には内側が前面に滑るために後方の伸張性などが必要になってきます。
膝関節屈曲の様子をMRIでみてみると、内側と外側で大腿骨の動きの違いがわかるかと思います。大腿骨の内側は半月板を乗り上げて、外側は半月板を乗り越え脛骨との接触面も少なくなります。 膝関節の深屈曲にはが大腿骨の外側が後方へ移動する動きが必要となります。
膝関節に限らず関節軟骨の主成分は水分、コラーゲン、プロテオグリカンになります。このプロテオグリカンの主な働きは保水です。MRIでみると薄い灰色の部分が関節軟骨になります。 加齢に伴いプロテオグリカンの含有量が減少すると、保水率が低下し軟骨が摩耗しやすくなります。
膝蓋骨の解剖です。膝蓋尖に膝蓋腱が付着しますが、正確には膝蓋尖の裏面に付着します。 また、膝蓋骨の関節軟骨は人体の軟骨の中でとても分厚く、外側の方が内側より横に長い形状となっています。 内側の特徴は辺縁部にOdd facet(オッド ファセット)と呼ばれる部位があります。
膝関節屈曲角度での膝蓋骨と大腿骨の接触面の変化についてです。 膝関節屈曲角度が増すにつれ、膝蓋骨の下方から上方へ接触面が変化します。 屈曲角度が135°以上になってくると、膝蓋骨の辺縁部に接触します。この時の内側部分を前回説明したOdd facetに当たります。
膝関節の屈曲拘縮があると、ベクトルの方向から膝蓋骨にかかる圧縮応力がふえます。 膝蓋骨の軟骨は人体の中で分厚いですが、プロテオグリカンの含有量が少ないため強度が低いです。 そのため持続的に圧縮応力がかかるとCyst(シスト:骨嚢胞)と呼ばれるような骨病変が起こります。
膝関節屈曲に伴い膝蓋骨も尾側方向へ動きます。 その際、水平面上と前額面上で回旋が生じます。膝関節の屈曲には膝蓋骨周囲組織の柔軟性とそれに伴う膝蓋骨の回旋運動が必要となってきます。
以前説明したとおり、膝蓋骨の軟骨は強度が弱く膝関節の中で損傷しやすい部位の一つです。 その要因としてはQ-angleの増大や股関節機能の低下が関与しています。 図は膝蓋軟骨障害のテストの一つです。陽性の場合膝蓋骨の可動性や股関節機能の見直しが必要です。
半月板の解剖です。半月板の外側は線維血管性・内側は線維軟骨性で構成されています。外側は血管、神経が豊富な為痛みを感じやすいです。 研究では損傷半月板は固定、非荷重で8W経過すると自然治癒が見られたという報告もあります。
膝関節の痛みに関する研究の報告です。非麻酔下で生体に刺激を加え痛みの組織ごとの反応をまとめた図です。 A:部位が局所的 B:部位が不明瞭 数字が大きいほど痛みが強いです。 図を見ると膝蓋下脂肪体(4A) 関節包(3-4A)と痛みが強く局所的である事が分かります。
膝の可動域訓練前や運動前に行う手技の一つです。 前述したとおり大腿筋膜は大腿部を覆っており、外側部は大腿筋膜が肥厚した腸脛靭帯や外側広筋(VL)が位置しています。 VLを把持して腹側もしくは背側に誘導します。 VLの位置や膝関節に伴うVLの動きは過去の記事を参考にしてください。
膝関節の最終伸展に必要な内側広筋斜頭線維に対しての運動療法の報告です。 もっとも収縮が確認できたのが、内転筋と同時に収縮させる方法でした。 この方法を参考にOKCからCKCのトレーニングに移行していくと有効かと思います。