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なぜ君の「今年こそ本を読む」という目標はいつも達成されることなく終わるのか?

※最後、僕のオススメ本の部分だけ有料ですがそれ以外の本編4,000文字無料公開中です

いきなり挑発的なタイトルだが、君の周りにも(あるいは君自身も)この状態に陥っている人が多いのではないだろうか。
かくいう僕も、経営者なんだから本くらいちゃんと読まないとな、と思い会食中に話題に出た本をその場でAmazonで買って購入完了画面を見せびらかしながら「早速読んでみます!」みたいなアピールをかましては、翌日届いた本を部屋の隅っこのバベルの塔(積ん読タワー)に追いやるエブリデイ。まさにこれが本達のすみっコぐらし!

でも大丈夫。このnoteを読めば君も本が読めるようになるだろう。
うーん、正確には「君にとって必要な読書」をできるようになる、はずだ。
そのために、まずは読書には二種類あることを知ってほしい。
二種類といっても、いわゆる「紙の本」か「電子書籍」どっちがいい?みたいな話をしたいんじゃあない。そもそもの本を読むための目的についてだ。

「インプット読書」と「アウトプット読書」を使い分ける

読書してインプットしないと、いいアウトプットは出てこない。
よく聞くフレーズだ。Twitterみたら3日に一度は遭遇する、使い古された言葉だ。まずはこの言葉の解像度を高めてみよう。

君の「本を読む」という目標の中でぼんやり想像している本はアレだろ?いわゆるビジネス書っていうやつなんじゃないか?
ビジネス書を読んで(インプットをして)要点をまとめたツイートを書いたり仕事に役立てたりする(アウトプットを出す)という感じで読書を捉えている限り、君はいつまでも本を読めないだろう。なぜならばアウトプットとして設定しているものが不明瞭極まりないからだ。

解決方法はアウトプットを明確にし、そのために必要な本を読むことだと僕は考える。日々の暮らしや、仕事の中で「あー、これどうしようかな?」と悩んでいるトピックの解決のために本を買って読むのだ。いま世の中で話題だからと、とりあえず買ってみた『銃・病原菌・鉄』も『サピエンス全史』も君の中でアウトプットのイメージが湧いていないのに読むには重すぎる本なのである。

「でも、じゃあなんでこの本が評判になって売れてるの?」
わかる!僕もそう思う。これはつまり世の中には、あのへんの本を君がマンガを読むようなノリでインプットとして楽しく読める層がいるということなのだ。マンガを読む時に「よーし!今から『呪術廻戦』を読んで●●なアウトプットを出そう!」と意気込むヤツがいるだろうか。いたとしてもネタバレ満載のアフィブログを書いてるヤツくらいじゃないの?
では『呪術廻戦』を読むことに意味は無いのか?もちろんある。読んでる時、楽しいし感動するし、それが君の心の癒やしにつながるからね。そこでインプットしたぼんやりとしたナニカは、まるでウイスキーが熟成するように時を経て君にある日ヒントを授けてくれる。これこそがインスピレーションってやつだ。

つまり君にとっての読書をインプット読書とアウトプット読書の二種類に分けて捉えるところから始める必要があるんだ。

「インプット読書」の定義

  • 君が能動的に読みたいと思えて

  • 読むと自分らしい時間が過ごせて

  • 何らかの感動をもたらしてくれる

「アウトプット読書」の定義

  • 正直読むのは気が進まない

  • 読むと悩みの解決に役立つヒントがもらえて

  • 明確なアウトプットをすぐに出せる

つまり、マンガでも小説でもいいから自分で進んで読みたい本を読むことはインプット読書で、しんどいけど必要に迫られて本を読むことがアウトプット読書なのだ。
小説やマンガはインプットにならない?何を言ってるんだ君は…今や、SFプロトタイピングなんて言葉も生み出されるくらい、この不確実な未来を捉えるヒントはフィクションの中にたくさん隠されているものなのだ。そもそも食事と同じでインプットされたものは君の中で時間をかけて血肉となり、君自身を作っていく。インプットがすぐにアウトプットされるという考え方が冒頭の「読書してインプットしないと、いいアウトプットは出てこない」という言葉をややこしくしているのだ。

じゃあ、アウトプット読書ってなんなの?と興味を持ってくれる人が増えてきた気がするぜ。というわけで、ここからはアウトプット読書の具体的なやり方を伝えていくぜ。

「本」を君の思考を助けるための道具として捉える

いま君はいくつかの問題を抱えているだろう。
そうなのだ、悩みや問題を抱えていない人間などいない。もしいるとしたら多分その人はこんなタイトル(なぜ君の「今年こそ本を読む」という目標はいつも達成されることなく終わるのか?)のnoteなんて絶対読んでない。

さて、まずは思い浮かんだ悩みを書き出してみよう。

  • 企画書がうまく書けない

  • チームのマネジメントに悩んでいる

  • とにかく漠然と将来が不安

こんな感じで書き出したら、その悩みを解決できるアウトプットを考えてみる。

このアウトプットは言い換えると自分の悩みが解決した「状態」だ。いわゆる状態目標というやつだけど、その状態にもっていくために色々考えて実行したり…誰かに助けてもらったり…君は様々な手段を使ってそれを成し遂げると思う。
そう、アウトプット読書とはその手段の一つとして本を使うことなのだ。
※悩みごとにオススメの本をリンクしておいたぞ!全部友達のだけど

君が理想の状態に向けて頑張っている時に、君に対して本がやってくれるのは思考を助けることだ。
社長の仕事は色々あるけれど、その8割はちゃんと考えて、ちゃんと決めること。よく社長に休みはない、ずっと仕事をしている、みたいなことを聞くと思うが、現実の社長を見ると…飲んでばっかり・ゴルフ大好き・デスクでぼーっとしている、ちゃんと仕事してるのかよ、こんちくしょう!
…ちょっと待って、怒らないで!まさにそれがちゃんと考えてる時なんだ。社長は飲みながらゴルフしながらぼーっとしながら、考えているんだよ!

意識してやってみるとわかるのだが、ちゃんと考えるってのは意外と大変だ。なぜなら人は「今、自分が見えている範囲」で考えがちで、それゆえに君の企画書はイケてないし、マネジメント方法は微妙だし、明日何するかも決まってないのである。誰かからアドバイスをもらったりすると、急に道が開けたように感じるのはそれによって、君の視座が高まり視野が広がるからなのだ。社長が飲み会やゴルフに行きがちなのも、そこで他の社長友達と会話することで考える中身がアップデートされるからなのである。

つまりアウトプット読書とは本を君がいま抱えている問題に対するアドバイザーとして使い倒し、考えながら本を読み、本を読みながら実行をすることなのである。
本を読み終わるのを待ってはいけない。途中でガンガン企画書書いたり、チームにslackしたり、明日のTODOリストをまとめたり、短いサイクルでアウトプットを出し続けることが重要になってくる。
その為にもアウトプット読書の本は丁寧に扱わず使い倒さなければならない。僕はインプット読書用のマンガとか小説は電子書籍でも紙の本でも気分で購入しているが、アウトプット読書用の本は絶対に紙の本を買うことにしている。
参考にするページに折り目をつけたり、メモを書き込んだり、引用したいフレーズをマーカーしたり…とにかく汚くなって使い倒す。ちなみにこの記事のカバー画像は僕が読み倒した『プロセスエコノミー』だ。これを読みながら、僕は今まさに2022年最初の企画書を作っている。しわくちゃだろう?アウトプット読書に使われた本はこういうことになるんだぜ。

改めて言うぜ。インプットするなんて考えるな、アウトプットのために本を踏み台にするくらいな気持ちで読め!

それでも読書できない言い訳、第一位「時間がない」

こういう風に言って逃げている人は、おそらく今年のお盆休みも正月休みも「時間がない」と言い続けるだろう。考え方を根本的に変える必要がある。読書する時間がないのではなく、普通に生活をしていたらそもそも読書する時間などないものなのだ。
普段の自分の生活の中で、どのタイミングなら読書を組み込めるか?逆転の発想で考えてみよう。

例えば、食後や寝る前のリラックスタイムにはインプット読書が組み込めるだろう。繰り返しになるが好きな作家の小説、マンガ、カルチャーコラム、何でもいいから君が自分らしい時間を過ごせるものを読むといい。もうわかるだろ?こんなまったりしたいタイミングでビジネス書なんて読もうと思うからそもそも君の「今年こそ本を読む」という目標は達成されないのだ!

アウトプット読書にオススメしたいのは、バスタイムだ。ずっとデスクワークで首・肩・腰にダメージが蓄積している人も多いだろう。僕は腰痛持ちなので、冬の寒い時期は湯船に浸かって温まらないと仕事のパフォーマンスがダダ下がりしてしまう。普通なら、お風呂で本がボロボロになることは避けたいところだがアウトプット読書なら関係ない。繰り返しになるが、そういう本は使い倒してナンボだからだ。

同居人に迷惑をかけない範囲でトイレもオススメだ。いずれにせよ自分の一日のタイムラインを振り返り、このタイミングでなら同時並行でやれるところにアウトプット読書をぶちこむ。繰り返しになるがアウトプット読書のゴールはあくまでも自分を理想の状態に持っていくヒントを得ることにあるので、一言一句正確に精読していく必要なんて無い。アウトプットこそが全てなのである。

2022年版:明石的アウトプット読書にオススメの本

さて、ここまでおよそ4,000文字。
3ツイートくらいで終わらせようと思った内容がここまで膨らんでしまった。さぞかし君の読書に対する機運も高まったことだろうと思う。
去年読んだ本の中で、特に自分的に印象に残っている本を12冊セレクトした。個人的なエピソードをそえて紹介しておく。

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