楽蹴会サッカースクール #4 U-8年代の子どもたち
こんにちは!
楽蹴会サッカースクール、楽長の沼尻です。
自分のスクール内での肩書きを考えていましたが(とは言え、自分一人しかいないのですが・・・)、代表でもスクールマスターでもないなと。
そこでピンときたのが、「楽長」でした!楽しむ長!やっぱり、楽しまなきゃ!です。
さて今回は、『U-8年代の子どもたち』をテーマに書かせていただきます。
読み進めていく中で、皆さんのお役に立てることがあれば幸いですし、私自身も知らないことがたくさんあるので、ぜひ一緒にアップデートできればと思いますのでよろしくお願いいたします。
まず、この年代の子どもたちは先の投稿でも述べさせていただきました通り、サッカーとの出会いの年代です。それと同時に、幼児→児童への移行期でもあります。大学への進学を考えれば、およそ16年ほど続く“学生”の入口とも言えます。ちなみに私も19年間学生をしておりました・・・。
日本サッカー協会が発行している「JFAキッズ(U-8/U-10)ハンドブック」では、現代のこども事情として、以下の5点のようなことが挙げられています。
1)外遊びと集団遊びの減少
2)家庭環境の変化によるしつけの低下
3)早期の専門化による偏った取り組み方
4)他人への無関心、教育力の低下
5)強制されない自由なスポーツの減少
この中で私が特に懸念している事項が、1)と5)です。
まず、外遊びと集団遊びの減少についてです。
現在は様々なことがオンライン上で完結出来るようになったため、外出する必要性が極端に減ってきました。特に、3年前に猛威を振い出した新型コロナウィルスによって、生活様式が一変し、感染リスクに対する考え方も大分変化しました。
また、巷で起こる事件や犯罪に対するリスク回避の意識の高まりなどもあるため、一概に「もっと外で遊べ!」とは言えない状況であることも確かです。
だからこそ、定期的に、そして安全に。それも楽しく、あらゆる子どもたちが安心してスポーツに親しむ環境を提供する必要が、我々大人にはあると思います。
つまり、外遊びと集団遊びが減少したことが問題なのではなく、その環境を整備していない現状に問題があると、私は考えているのです。楽蹴会サッカースクールは、小さいながらもそんな場所にしていきます。
次に、強制されない自由なスポーツの減少についてです。
このことに関しては、私はいくつも思い当たる節がありますし、かつて私もそうだったなと反省せざるを得ない事柄もあります。
その最たるは、結果を求めることによる、過剰な詰め込みです。これは未だに、解消しきれない問題であり、ジレンマを抱える問題ではないでしょうか?
私は昨年まで、専業でサッカーコーチをしていました。専業なのでもちろん、サッカーコーチが仕事であり、生活の基盤でした。チームの結果がクラブの繁栄に直結し、私たちのお金にカタチを変えて還元される。そして、それが無いと私たちも生活が出来ない。私にとって、非常に悩ましく、自分の考えにそぐわないものでした。
「何回言ったらわかるんだ!」「やる気あるのか?」「もっと走れ!」「クラブのエンブレムにプライドを持て!」
子どもは小さな大人ではない。コーチライセンスを取得する際に、インストラクターから絶対に聞く言葉ではありますが、現場ではまったく違います。上記のような言葉が、U-8年代のピッチでもよく響いていました。そこから“楽しさ”を見出すのは簡単ではないどころか、0に近い可能性しかありません。
そして、威圧的な言葉で罵ることが「厳しさ」という、都合の良いようにすり替えられていく現場を、私はたくさん経験しました。もちろん、そんな現場から楽蹴会サッカースクールが育てたい“芽”が育つことはありませんし、何の肥やしにもならないことは明白です。
日本のスポーツ界は、“長いものには巻かれろ”や“辛さや苦しみ耐える”といったものを利用し、それを越えたところに成長や結果があるのだと。未だにそんなことがまかり通る世界です。もはや、スポーツではありません。
少し熱くなってしまいました・・・。
しかし、軽視出来ない部分だったので、お許しください。
続いて、U-8年代の子どもたちとは、どんな子たちなのでしょうか?
前出のJFAキッズ(U-8/U-10)ハンドブックには、以下のように示されています。
1)学校生活の始まり
2)幼児から児童へ
3)子どもは大人を見ている
4)失敗したり成功したりする
5)動きたいから身に付く
6)プレ・ゴールデンエイジ
この中で私が特に重要だと感じている事項が、4)と5)です。
まず、失敗したり成功したりすることです。厳密には、失敗も成功も両方必要だということだと私は解釈しています。
言わずもがな、子どもたちの成長に成功は重要な働きをします。成功することにより自信を持ち、さらにチャレンジしていきたい!という、向上心を掻き立てたり、物事を継続させるモチベーションになり得るからです。
しかし、私はそれと同じくらい、いや、それ以上に失敗が大切だと考えています。サッカーは“ミスのスポーツ”です。サッカーは日常生活において、ものを操作するのにあまり使用することのない「足」を主に使うスポーツです。「手」と比較すると、その操作性は圧倒的に手の方が優位です。そんな“非日常”の足を使うスポーツだからこそ、「ミス」は頻発します。単純なミスが命取りになったり、致命的な敗戦・失点に繋がる野球やバレーボールなどとは、そもそも「ミス」の捉え方が違うのです。
だからこそ、私は「ミス」に対して寛容な姿勢でいることが大切だと強く思います。そして子どもたちには「サッカーはミスのスポーツである」ということと「仲間のミスをカバーすることは当たり前」という精神を植え付けることが非常に重要だと思っています。むしろ、その精神を養うことこそがサッカーというスポーツをプレーする大きな意味とも感じているくらいです。今でこそ、「ミスを恐れるな」といったスタンスで指導をしている指導者は増えたと思いますが、現状まだまだだと私は感じています。
次に、動きたいから身に付くです。こちらは記載されているものをそのまま引用させていただきましたが、重要なのはU-8年代は小脳の発達臨界期ということです。
小脳が運動神経と密接な繋がりを持っていることは、これまでの研究報告によって明らかにされてきています。さらに近年では、運動や音楽などの“抽象的な思考”を育む習い事がIQの向上に役立つとも言われています。IQの向上は、後に訪れる受験に代表される「勉強(学力)」の向上はもちろん、幸福感も感じやすくする作用もあるそうです。したがって、低年齢のうちは勉強ではなく、運動や音楽などの抽象的な思考を育む活動に積極的に取り組むべきだと、私は考えています。
楽蹴会サッカースクールでは、
❶『仲間』『チーム』とは、どういう存在なのか?
❷サポートしてくれる大人(保護者・学校の先生・習い事の先生etc…)とは、どういう存在なのか?
❸サッカーとは、どういう競技なのか?(競技特性・楽しみ方)
❹『楽しい』とは?
この4つの問いに対する疑問を、常に子どもたちに持ってもらい、自分なりの回答を導き出せるサポートをしていきます。サッカーは、こういった疑問を抱かせ、思考させるために最適なスポーツだと、私は確信しています。
長々と書き続けましたが、今回の事柄をまとめると・・・
U-8年代の子どもたちは
①成功だけではなく、多くの失敗を繰り返しながら学ぶ世代
②小脳の発達臨界期である
→様々な「動き」を経験させながら、『どうすれば?』という疑問を持たせ続けることが大切。サッカーはあくまでツールであり、手段ではない。
①幼児→児童への転換期
②外・集団遊びが減少している
③強制されない、自由なスポーツが減少している
このような状況の中で生活している。変化に対応すべきはむしろ、私たち大人。減少を嘆くことではなく、環境の整備と創造。
以上です。
今後は所々に挿絵を入れられるように努力します・・・。
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