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【人生劇場#37】ゲスト:澤正輝さん、塚越優さん

ー人生劇場ー
10人集まれば、10の生き様がある。
様々な分野の方をゲストに迎え、”人生”について語ってもらいます。
時には質問をしたり、みんなで対話を重ねたり。
そうしてひとつの空間をつくりあげていく、60分のライブイベントです。

こんにちは。つい最近運営メンバーに新たに加入しました、三浦です。

7月13日(火)の人生劇場のゲストは、隠岐國学習センタースタッフより澤正輝さん(人生劇場・座長)と塚越優さんでした。

今回は、「人生のあらすじ、今に根ざすエピソード」をテーマに1人あたり30分のトークショーという形式をとって行いました。

1人30分という短い時間にも関わらず、あまりにも濃かった話はまるで1本の超大作映画のようで、聞き終わった時には、感想を考える余地もなく、激流のなかでぐわんぐわん揺れているような感覚に僕は陥りました。今回の記事では、そのなかでも特に揺さぶられたところをピックアップして行こうと思います。

特に僕の印象に残ったエピソードに、暗さや苦しみといったものが共通している、お2人の高校時代の話があります。

「なぜ2人は絶望や苦しみと出会うこととなったのか。」


当時澤さんは、自分やその周囲に対して違和感を持ち、とことん探求し深く深く考えていったそうです。澤さんの「これだと決めたことに対して自分を曲げない」という人柄も加わって、その結果人間不信に近づく、周りの人との関係を取れなくなる、また人間不信になる、というループとなっていきました。そのせいで高校時代、取れるコミュニケーションは「頷くこと」「首を振ること」の2つしかなかったそうです。最終的には「常にどうやったら死ねるか考えてた」という状況となるまで追い込まれていきました。

20代になるまで「どうやったら死ねるか」というテーマに対し、自殺の名所を何ヶ所も巡り、自殺の方法を調べに調べることが続いていたそう。

そんな生活をするうちに、ある違和感に出会います。その違和感は、「こんなに死のうとしているのに、全く自分は死んでないじゃないか」ということ。

改めて、澤さんはそのテーマに対して考え続けるうちにふとあることに気づいたそうです。それは、「実は自分はどうしようも無い程、生きようとしていたんだ」ということ。

そこから徐々に徐々に価値観の変化や新たな気づきが重なっていき、高校時代、あれだけ嫌っていた人とのコミュニケーションが実は自分の得意な事だと気づいたり、大学での研究の楽しさからだんだんと今に繋がっていったそうです。

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塚越さんは当時、高校入学前からずっと続けていて、国体強化選手になるほどの実力のあった剣道から、他が出来なくとも1つが出来ていればそれで良いという価値観を持っていたそうです。しかし高校時代では、今までの自分を貫こうとした結果、学校や剣道部の部員などとその価値観が食い違い、さらには否定までされてしまいました。  

価値観が否定される、といった出来事が重なるうちに反抗し自分を貫くことが億劫となり自分を曲げていくと、次第になにが正しいかが分からなくなり、それが人間不信へと繋がっていきました。

それから大学に入学したものの、高校時代の絶望が尾を引き、人との関わりを持とうとしていなかった時、ひょんなことからチャラ男複数人とご飯に行くということがあったそうです。

チャラ男の方々は、当時の塚越さんからすれば行動や性格が真反対で、それこそ塚越さんの価値観との食い違いがあった人達だったそうです。

しかし、そのうちそれぞれの高校時代の話が話題に上がることとなります。そこで出てきたのは、自分自身も否定され続けた彼らの話。聞いているうちにシンパシーを感じていき、ふと自分の事を話してしまったそう。

これが塚越さんとの今に至るまで交友のある、自分を変えてくれた親友との出会いだそうで、ここから行動範囲が広がり、人とのコミュニケーションを取るようになっていき、行動範囲の広がりの末に隠岐にたどり着いたとのことです。

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それぞれの苦しみと絶望の原因が、

澤さんは「自分を曲げずに探求し続けたこと」

塚越さんは「人との関わりのなかで自分を変化させたこと」

と言った事に起因していて、1人での探求と周囲との関わりという対比があり、今に至る理由では、

澤さんでは「自分を曲げずに探求を辞めることなく続けていったこと」

塚越さんでは「人と関わるようになって自分を変化させていったこと」

という絶望の原因となったことが、今度は自分を救っていて、それぞれの対称的な部分と共通する部分があるのが個人的に興味深かったです。

 今回の人生劇場は、「人生のあらすじ、今に根ざすエピソード」をテーマにしただけあり、人生「劇場」の名前通り、本当に物語のようになったと思っています。
 ハイライトがいくつもあり、参加者それぞれが食い入るように聞いていて、涙を流す人まで居たのも、お2人の話とは別に印象にのこりました。やっぱり人それぞれ物語をもっているんだなぁと改めて実感して、「人生劇場」という企画を私が好きだということの再認識ができた気がします。
 まだまだ今回書いた部分以外にも人それぞれ印象にのこるエピソードがあったと思うので、今後参加した人がその部分について澤さんや塚越さんと話していたら嬉しいなと思ったり。

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