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【2年生プログラム】書いてほぐす頭と心

偶然のように耳にする音楽のほうが、うれしく思える。
「なんだっけ、この歌、いいね」。
つまり、もっと偶然に、音楽に出合いたいのだろう。
ぼくは、というか、たぶん人間っていうやつは、
「偶然と幸運」のセットが大好きなのだ。
              ─糸井重里『思えば、孤独は美しい。』より

今回の教材の1つとして使わせてもらった糸井重里さんの文章です。

日常生活の中で、偶然に耳にする音楽に「何だっけ、この歌、いいね、」と
僕たちが感じることはありそうです。
けれどそのことを、たぶん人間っていうやつは「偶然と幸運」のセットが大好きなのだ、というところまで言葉にして書くことは、意外とないかもしれない。そんな風に思います。

1人ひとりが日々の生活の中で感じる「何か、いいな。」「何か、好きだな。」「何か、嫌だな。」と思ったことについて、書き溜めていくのはどうだろう?頭と心が少しほぐれてきたり、1人ひとりが見える日常の風景は変わるんだろうか?

そんなことを思いながら、このゼミをスタートしました。

初回は2年生に加えて、大学生のゲスト、スタッフも含めて7人のメンバーに参加をしてもらい、糸井重里さんの「思えば、孤独は美しい。」「思い出したら、思い出になった。」、この2つの本から事前にピックアップした25の文章を読み、1人ひとりが、「いいな」「好きだな」と思った文章を1つ選び、その理由を原稿用紙に書くということをしました。

参加してくれたメンバーからの提案で、原稿用紙を書き始める前に、どの文章を選んだかだけを伝え合う時間を取ったのですが、この人は、なぜその文章を選んだんだろうか?と、お互いに想像を膨らませながら、「おお」「ああ」「なるほどなあ」とそれぞれの心の声が漏れる時間なんかも、味わい深いものでした。

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そして実際に書き始めてみると、みるみるうちに筆が進んでいく人もいれば、頭をひねっている人もいます。それぞれが思い思いの場所に移動しながら、20分間筆を進めていきましたが、これからの自分の進路のことを書く人、小さいころ妹と駄菓子屋で50円のチョコパイを買ったことの話を綴る人、内容は様々です。

最後はお互いに書いた文章を交換して読み合ったり、書いてみて感じたことをシェアする時間を取りました。

「同じ文章を選んだ人がいたけれど、理由、着目する点が全然違っていた」
「話してから、書く、というのが自分に合っているかもしれないと思った」
「読み手にやさしい文章もいいが、あえて分かりにくいものを書きたい」
「もっと文を深めたい、色んな文体に強くなりたい」
「あったかい空気が流れる時間だった」

などなど、それぞれが思い思いのコメントを残してくれました。
参加してくれたみなさん、ありがとうございました。

次回は、好きな本か文章をみんなで持ち寄って話をするところから
はじめてみたいと思っています。

 ー2年生プログラムとはー
1年後に島前高校を卒業するまでのラストスパートに、1人1人がその人らしく全力を出しきれるようにと企画されたプログラム。
自分にあったプログラムを自由に選ぶことができ、企画によって様々なスタッフやコーディネーター、ハウスマスターが関わります!


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