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狩猟から得られた革で財布やブックカバーを作れたら——— 協力者を募集しています。


はじめまして。
門本玄と申します。

この度、僕たちは狩猟からつながる命の循環を大切にするべく
『学生×獣皮活用プロジェクト』を発足しました。


2021年3月に発足したかなり新しいプロジェクトなのですが、
多くの方々に支えられて着々と事業の準備が進んでいます。

概要を短くまとめると、

『狩猟からつながる資源を無駄にしないために、高い品質の財布やトートバッグをつくり、多くの人々に求められる製品に生まれ変わらせる』

というものです。


しかし、プロジェクトの実現に向けて課題もいくつか存在します。
これが今回の記事の本題です。


・商標ロゴデザイン
・革製品プロダクトデザイン

・業者さんとの受け渡し


を担当してくれる方を募集しています。

応募対象は学生に限りません。
『資源をより多くの方々に求められる製品に変換する』という理念に共有してくださる方であればどなたでも歓迎いたします。


この記事を最後まで読んだうえでもし参加したいと感じてくださった方は、
下記フォームにて応募お待ちしております。
https://forms.gle/R5ZUXcb4NNiaAiMC8

・理念に共感してくださった方
・何かに挑戦したいと思っている方
・地域社会問題の解決に貢献したいと考えている方


上記に当てはまる方、気軽にご応募お待ちしております!
それでは、プロジェクトの詳細を説明します。


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☝天然猪皮を贅沢に使用したブックカバー。ただし代表にはそこまでの技術はなく、製品にできるほどのクオリティにはならず。


筆者のプロフィール


プロフィール
名前:門本玄
出身:広島県
所在地:愛媛県松山
年齢:21歳
所属:愛媛大学農学部 3年生


好奇心旺盛、フットワークの軽さがウリ。
高校時代『カメ五郎の狩猟日記』に強い影響を受け、進学後狩猟を実践することを決意。
学生の中ではやや珍しい狩猟免許を取得。長期休暇を利用しては山間部に滞在し、解体処理場で日がな獣肉の解体と獣皮の下処理にいそしむ。そんな中、ジビエ業界をとりまく他業界との違いと成長性などを身をもって実感し、地域課題解決のビジコンでの受賞などを経て2021年4月『学生×獣皮活用プロジェクト』を発足。まだ世に広まっていない生物資源の利活用を目指し活動している。


プロジェクト発足のきっかけ


狩猟から得られる資源の利活用にはかなり大きな伸びしろが残されている。
僕が身をもってそう実感したのは、ある出来事がきっかけでした。


民間の獣肉解体場で解体の体験をさせてもらっているある日のことでした。
その施設の責任者の方から手順を教わりつつ猪肉をさばいていると、
施設の従業員の方がひとかかえもある黒ビニール袋をぶらさげて
外へと運んでいきました。


僕は何日も連続でその施設にお世話になっていたので、
そのビニール袋の中身がなんなのかすぐにピンときました。


(かなり生々しい話になってしまいますが)
ああ、食利用に向かない内臓と毛皮か、と。


ふと気になって、責任者の方に
「あの皮とかって誰か利用しようとする人いないんですか?」
と訊いてみました。


毛皮として利用する例はあまり聞かないけど、
革製品とかになら使えそうなものだけど、と不思議に思ったからです。


「少なくともこの施設から出た皮だと、今のところいないね」
責任者の方は即答しました。続けて、
「利用の見込みのない皮をとっていたって腐るだけだし、
在庫も圧迫されちゃうし、基本的には即廃棄だよ」
と補足してくれました。


ふうん、そういうものなのか。
と、その時は単なる事実としてそれを受け止めました。
その日も原皮の詰まった黒いビニール袋が
屋外へといくつも運び出されました。


何年か前のジビエブームの影響で、
野生動物のお肉の消費も今やかなりメジャーなものになりました。
お世話になっている施設でも年間数百体ぶんが解体され、
お肉として利用されています。


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でも、野生動物の皮、とりわけ猪の皮となると
利活用がしっかりと行われているイメージはほとんどありません。
どうにもモヤモヤした気持ちが残りました。


後日調べてみると、イノシシの革はそれほどメジャーではないものの
小物を作るのに適した上質な革へ加工できるとのこと。
通気性と張りの良さはキーケースや財布に適した素材なのだそう。


どこかに獣皮活用に取り組んでいる業者さんはいないのだろうか?
僕はさらに調べました———あった。
東京のなめし業者さんが獣皮活用を支援していました。
あるじゃん!と思いました。


僕はすぐにそのなめし業者さんに連絡を取って
施設からもらった皮を送り、試作革をつくってもらいました。
約二か月後、試作革が自宅に到着しました。


すぐに包装を解いて
手触り、匂い、柔らかさなど、
革の仕上がりを確認しました。
おお、これはいけるぞ!と思いました。


施されたのが素人の拙い下処理であるにもかかわらず、
なめし業者さんの丁寧な作業のおかげなのか
とてもなめらかでいい匂いのする革に仕上がっていたのです。


これはもしかしたら、僕みたいな学生でも力を合わせれば、
多くの人に求められるような魅力的なものが創れるんじゃないのか。
この地方でとれたものが多くの人の役に立てば、
そのぶん特産品として地域に貢献できるんじゃないのか。


そして、獣害防止のために奪った動物たちの命を
少しでも無駄なく使わせてもらうことができるんじゃないだろうか。
それがもし可能だったらやらない理由がないな、と。


そうした考えに至ったのには、僕なりの理由がありました。


やむを得ず殺さなければならないのなら……


僕も先輩の猟師さんに初めてついていった猟でのことです。
これまでにない大きな衝撃を受けました。
狩猟の現場で待っていたのは、初めての人間にとっては
目を覆いたくなるような残酷な光景だったからです。


多くの場合、獲物を銃で撃つか頭を打って昏倒させるかで動きを止め、
心臓をナイフで刺すことになります。
『ああ、狩猟って自分と同じ哺乳類を殺すことなんだ』
ということをまざまざと実感させられるのです。


命が絶たれる瞬間には僕たちと同じように震え、
僕たちと同じように泣き声を上げ、
僕たちと同じ色の血を流します。


本当に殺さなければいけないのか?
日本各地で農作物被害が甚大なのは
駆除以外の防除方法で何とかならないものだろうか?
狩猟免許まで取ったはいいものの、しだいに疑問に思い始めました。


ですから、いくつかの農家さん宅に実地調査も行ったりしました。
その結果、駆除という防除方法はやむを得ない手段であることを
思い知ります。


食害に苦しめられる山間部の農家さんは、
害獣との苛烈な攻防を繰り広げています。
大きな個体になると防護柵も電気柵も通用しない場合があります。


僕が在住している愛媛県では、主にイノシシの獣害が深刻です。
一度農地に侵入されてしまうと、
おいしい農作物の味を知ったイノシシは何日も続けて農地に侵入します。
個人農家さんの場合、農作物が半分以上出荷できなくなることも
あったようです。


学生の場合、アルバイトで月50000円の所得が
知らないうちに動物に食い荒らされて
半分以下になってしまうようなものです。
僕の場合は学生生活すらままならなくなってしまいます。


自分の所得と照らし合わせると、農家さんの苦悩がしのばれます。
事実、狩猟免許をとる方々の大半は、農家さんやその近隣の方々が
農作物を守ることをきっかけとしているそうです。


全国の農業被害額が年間150億円にもなります。
数字で表すだけなら簡単ですが、奪われているのは
農家さん一人ひとりの苦しみが積み重なって
巨額の損失額へと表れているのです。


狩猟、そして害獣駆除はなくしてはならないことがわかりました。
それは命を奪うこと自体をやめてはならないという
現実を意味しています。


命を奪った結果、せめてもの償いとして
『肉や皮を余さず活用することで供養にしたい』というのは
しょせん僕たちの自己満足なのかもしれません。


しかし、それでもいただいた体の一部を利用せずに
焼却処分してしまうよりははるかにましだと考えました。


命を奪わざるをえないのなら、せめて無駄なく利用したい。
せめて産業廃棄物と呼ばれる前に資源として役に立つものに
変換していきたい。


長くなってしまいましたが、
これが僕たちが共有する理念です。


より多くの方々に野生動物が生きた証として
自然派のレザークラフトを利用していただけるよう、
これからも邁進していきます。


僕たちの理念に共感・協賛してくださる方は、
以下のフォームへのお問い合わせお待ちしております。
https://forms.gle/R5ZUXcb4NNiaAiMC8

最後まで読んでくださってありがとうございました。


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