蒲田健の収録後記:古市憲寿さん
時代を背負った人間は必ず古くなっちゃうんだよ
古市憲寿さんの最新刊「平成君、さようなら」
気鋭の社会学者の初小説は、タイトルからしてショッキングな一作。
安楽死が合法化されているという設定の「現代日本」で、平成期を象徴する論客としてメディアで活躍し、物質的には充足していながら精神的には大きな虚無感を抱えている、平成元年生まれの通称「平成君」。平成という元号が終わりをむかえる中で、彼は時代の終わりと共に死にたいと考える。
どうしても古市さんご本人とイメージが重なる部分が多いだけに、平成君がどのような選択をするのだろうということをドキドキしながら読み進めることになる。
今を生きるとは何なのだろう。そしてそもそも生きるとは何なのだろう。
世代交代とは。進退を自ら判断する、とは。
思い出とは。記憶とは。
さまざまな普遍的な命題が語られている。
「めぐりゆく 時代の中で 考える
今を生きてく 真の意味とは」
P.S. 鋭い切れ味は小説というフォーマットでも健在です。表面的にはクールでも一番奥の芯のところはキッチリ熱い、熾きのような方だなあ。
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