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21-22シーズン リヴァプール リーグ戦通信簿#1 GK &DF編

はじめに

21-22シーズンのプレミアリーグが終わりました。激戦の末、マンチェスターシティがタイトルを獲得しましたが、2位となったリヴァプールも最終節までもつれ込む素晴らしい戦いを見せてくれました。私はKOPとして今シーズンのリーグ戦全試合を視聴。おそらく今後何十年も語り継がれるであろうシティとの32節以外はメモを取っており(展開についていくことが出来ませんでした)、そこから通信簿を作成していこうと思います。形式として選手一人ずつをS・A・B・C・Dランクに評価し、僕なりの総括をしていきます。評価対象は21-22シーズンのプレミアリーグに出場した選手のみ。カラバオカップ、FAカップ、CLは含みません。ほとんどが個人的な意見ですが、ご了承下さい。では今回はGKとDF編です。

GK

No.1 アリソン・ベッカー
36試合24失点20クリーンシート
評価:S
彼がいなかったら今シーズンの優勝争いはなかったのではないか。
今シーズンもハイラインの広大な背後スペースをカバーし、打たれればスーパーセーブを連発。特に目立ったのは1対1の強さ。研究されたからかオフサイドディレイからか、今シーズンはオフサイドギリギリを飛び出されるシーンが多かったものの、相手からボールが離れた瞬間に間合いを詰め、何度もピンチを防いだ。言わずもがなのビルドアップ能力は健在で、パントキックによる素早いリスタートからもチャンスを演出。6節ブレントフォード戦、11節ハマーズ戦は気になったが、シーズン通して圧倒的なパフォーマンスから評価はSとした。

No.62 クィービーン・ケレハー
2試合2失点1クリーンシート
評価:B
今シーズンも主にカップ戦でプレー。アリソンの控えとしては十分すぎる能力で、中堅、下位のクラブであれば正GKでも有り得るアイルランド代表。出場したのは8節ワトフォード戦と21節チェルシー戦のみだが、2試合ともに安定したセーブを披露。ハイライトはチェルシー戦のプリシッチのボレーを止めたシーン。至近距離のセーブは比較的得意としていて、勇気を出してビルドアップができるようになればアリソンにより近づけるだろう。来シーズンもアリソンと共にチームをピンチから救ってくれるはずだ。

No.13 アドリアン
-試合
評価:
今シーズン、1度も出場していないものの名前を挙げておきたい選手。第3GKとしてアリソン、ケレハーを支えただけでなく、毎試合後SNSでチームを盛り上げるなど、往年のぺぺ・レイナのような陽気なスペイン人GKはピッチ外でチームに貢献。今シーズン限りでの退団が噂されているが、カップ戦であれば問題ない実力の持ち主で、何かあった時のためにも残しておくべき存在であることは間違いない。

DF

No.32 ジョエル・マティプ
31試合3ゴール3アシスト
評価:S
今シーズンの影のMVP。これまではどのシーズンも負傷離脱でコンディションを崩し、絶対的な存在ではなかったものの、コナテ加入に奮起したのか、シーズン通して自慢のスピードと高さを遺憾無く発揮。攻撃面ではブロックを固めた相手に対して、スライドのズレ見逃さず、的確なドライブでゴール前まで侵入するなど、攻守両面でチームに欠かせない選手となった。内田篤人がFOOTBALL TIMEで語ったように、元々テクニカルなプレーは得意ではなかったらしいが、歳を重ね、プレーが変化したのだろう。マティプと同じように身体能力が武器で、ここ数年苦しむジョー・ゴメスはお手本にして欲しい。

No.26 アンドリュー・ロバートソン
29試合3ゴール10アシスト
評価:S
彼は走り続ける。フィールドプレイヤーで唯一、昨シーズンからフル稼働していた左SBは開幕直後はツィミカスに譲ったものの、本来のコンディションに戻ると、今シーズンも世界最高の左SBであることを証明してみせた。
得意のクロスのみならず、ゴール前まで顔を出すことが増え、加入後最多の3ゴールをマーク。逆サイドのアーノルドよりは毎試合安定したプレーを披露し、ビッグゲームへの強さもチーム随一。ライバルのツィミカスが計算できるようになってきたものの、この先数シーズンはスタメンの座を譲らないだろう。

No.66 トレント・アレクサンダー=アーノルド
32試合2ゴール12アシスト
評価:A
あのカフーから賞賛を受けた最強クロッサーSBは、またもや二桁アシストを記録。今シーズンは右サイドのヘンダーソン・サラーとのローリングを頻繁に繰り返し、サイドだけでなく偽SBとしても振舞った。しかし、上がったまま中央に残っていたり、ビルドアップのパスコースを作らないなどサボっているシーンが散見され、それは悪印象。課題とされていた守備面も改善傾向にあるが、マルティネッリ(ARS)やゴードン(EVE)のような向かってくるタイプのアタッカーには苦戦。得意なクロスと攻撃参加だけでなく自分の苦手なプレーにもっと積極的に取り組めるようになると、世界最高の右SBの座を手にするだろう。

アーノルド

今シーズンも印象的なプレーを見せたアーノルド。しかし、個人的には彼のパフォーマンスには満足していない。

No.4 フィルジル・ファン・ダイク
34試合3ゴール1アシスト
評価:A
シーズン終盤に離脱したものの、今シーズンは1シーズンを通してプレーをすることが出来た王様系CB。圧倒的な対人と空中戦の強さは帰ってきたが、武器の一つだったスピードは多少劣化してしまった印象。それでも存在感のある守備は他のCBにはないもので、DFラインを統率するのは彼が一番信頼出来る。対角へのロングパスも彼にしか出来ないプレーで、未だトップクラスのCBであることは間違いない。評価がSではない理由は、抜かれた後の対応。背後を取られたり、抜かれた後に諦めてボールを追わない傾向があり、「マティプとロバートソンは頑張っているのになぁ。」と思ってしまうシーンが何度も見られたため、個人的に印象が悪かった。

No.5 イブラヒマ・コナテ
11試合
評価:B
RBライプツィヒから加入した若手CBは、加入1年目ながらCBの3番手としてふさわしいパフォーマンスを披露。今シーズン出場した試合は無敗で終えた。身体能力とライプツィヒで学んだビルドアップ能力を兼ね備える現代型のCBで、時折集中を切らしているシーンはあるが、試運転が終了した来シーズンはもっと出番が増えると思われる。タイプ的にはファンダイクとマティプの間のようなイメージで、悪くないロングパスとドライブを見せており、これからどちらも伸びてくると、ワールドクラスのCBになれるポテンシャルは十分にある。

No.21 コスタス・ツィミカス
13試合2アシスト
評価:B
現ビジャレアルのアルベルトモレーノを彷彿とさせるお茶目な左SBは、やっとロバートソンとのポジション争いに挑むにふさわしい本来の実力を証明した。出場数自体は多くなかったが、出場すればバックアップにはもったいないレベルの積極的なオーバーラップと高精度のクロスを披露。線の細さは気になるが、昨シーズンほどの不安感は感じさせなかった。開幕戦ではスタメンを飾るも、集中を欠き、ミルナーにビンタされるシーンもあったが、加入後フル稼働が続いてたロバートソンを休ませられる人材であることは新たな収穫だ。

No.12 ジョー・ゴメス
8試合1アシスト
評価:C
筆者がDFラインの中で最も期待するプレーヤー。だが今シーズンも怪我が長引き、本来の彼のプレーを見ることが出来なかった。コナテ加入によりCB内の序列を落とすと、ネコウィリアムズのレンタル移籍も相まって、右SBとしてプレー。守備的なSBかと思いきや、チーム1と言っても過言ではない自慢の身体能力を活かして、積極的にオーバーラップ。トレーニングの成果が見られた、速いパワークロスは少々荒削りながら可能性を感じさせるものだった。オーバーラップのタイミングやビルドアップには課題を残すが、攻撃面での貢献もある程度出来ることを証明。守備面ではSBとしてサイドの対応はまだまだこれからで、来シーズンも右SBでプレーするのであれば、修正が必要だ。ただ筆者自身はCBでのプレーを期待しており、いずれコナテとのCBコンビを見てみたいのが本音である。いずれにせよ、今夏での放出は到底受け入れられないものである。


最後に

#1の今回はGKとDF編でした。
次回はMF編です。乞うご期待。

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