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往右拐 / 右に曲がれ

wǎng yòu guǎi ,wǎng zuǒ guǎi
往右拐,往左拐

右に曲がれ、左に曲がれ
そういわれても曲がれない時もある・・・

自転車がまだ大河のように流れていたころのハナシ。(1990年)

北京で学び始めて二か月ほど、秋のさわやかな天候のなか、自転車で天安門広場までいってみた。中国の知人に先導してもらいながらゆっくり走る。走りながら「前边的十字路口,往右拐」(前の十字路を右に曲がる)などと説明してくれる。

これはいいぞ。
北京語言学院(当時)から天安門広場まで約10キロ余り、彼の言葉を聞き逃すまいと全身を耳にして走る。「一直走」(ずっとまっすぐ行く),「靠边儿」(ちょっと端によって)。
 
90年代はじめ、自動車渋滞もあったがまだまだ自転車健在。大きな通りは自転車専用通行帯があるので日本のように歩行者を気にしながらよける必要もない。そういう意味では安全だ。だが台数が半端ではない。大群は大河のごとくゆったりと流れ、途切れることはない。

自転車の群れの中から、「往右拐」が聞こえた!
だがしかし、前後左右、とめどない「濁流」にのまれて右には曲がれずそのまま「一直走」してはぐれてしまった・・・。
(後で探しに来てくれた)

知人の自転車は堅牢堅固、雰囲気としては日本のだいぶ以前の新聞配達や蕎麦屋の出前で使われていたような骨太のものだ。
そんな秋のさわやかなサイクリングを楽しんだ私の赤い自転車は、その三日後に駐輪場で無残にも解体され、パーツが盗まれて骨だけになっていた。
合掌。

かつての自転車の大河のような流れは見られないが、それでも車が増え続けていた90年当時、交通事故を扱うテレビドラマが放送されていた。安全運転の啓発活動だったのだろう。

北京市自転車運転免許証
「红章」が懐かしい


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