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どとうのお引っ越し(なんで本て、こんなに重いのだ)

ぜぇぜぇ。

ぜ、全然、noteが書けない……!
大学の授業準備が忙しすぎる……!

あ、そんなてんやわんやの状況でも、『学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話』は重版がかかり、まさかの4刷となりました。ありがたやありがたや。

私の手を離れた我が子(本ね)がどんどん成長している一方で、当の本人は3月末からずっとあたふたしています。環境ががらっと変わったから仕方ないんですけどね。

そんなドタバタも喉元を過ぎてしまえば、きっとすぐに忘れてしまうでしょうから、ちょっと備忘録的に書き残しておきたいと思います。他ならぬ自分が後で読み返して「あぁ、そんなことあったなぁ」と楽しめるように。

***

大学教員になって何がうれしいって、自分の部屋(研究室)がもらえることですね。
美術館だと、館長クラスじゃないと個室を持つことなんてまずできません。なので、職場に自分の部屋があると「一国一城の主」になった感があります。もちろんそんな広い部屋じゃないですけどね。

重要なのは、これで自宅から大量の本をなくせるということです!
学芸員の時から本はとにかく増える一方ですからね。職場(美術館)に置くにも限度がありますし、どうしても自宅のかなりのスペースを本のために使わざるを得ませんでした。
しかし、子ども達もじわじわと大きくなり、自分達の部屋を要求し始め、さて、どうしたものかと悩んでいたところでした。これは渡りに船!

しかし困ったのは、この大量の本をどうやって大学まで移動するかです。

一箱、二箱程度なら宅急便で送ればいいのですが、当然そんな生易しい量ではありません。

素直に考えれば、単身引っ越しパックみたいなサービスを利用するのが一番手っ取り早いですよね。梱包用の段ボールとかも全部手配してくれますし。しかし、ちょっと調べてみたところ、3〜4月の引っ越しシーズンは料金が激高!
当たり前と言えば当たり前ですが、本当に引っ越しをするわけでもないのにこの値段はちょっと……。

次に考えたのは、赤帽のような個人宅配業者に依頼するという方法。引っ越し業者よりは割安です。でも特定の心当たりがあるわけじゃないし、人によって当たり外れが激しそう。
本を詰めた箱ってめちゃめちゃ重いので、もしもおじいちゃんドライバーが来たりしたらやばいな、と。結局、自分で積み下ろしするはめになりそうな予感がしました。

もう、それなら自分で運ぶのもあまり変わらないな、という気がしてきた私。
自慢じゃないですが、小さな美術館で学芸員をやっていると、大抵のことを自分で何とかするという悲しい癖がしみついてしまいます。
この自分でやっちゃえ精神により、今回も自分で運んでしまうことにしました。あれこれ悩むより、そっちの方が楽な気がしてきたので。

まず、大学に運び込む決行日を決めて、レンタカーを予約します。
軽トラでも良かったのですが、雨が降ると困るのでハイエースタイプのバンを選びました。ちなみに2トントラックまでは運転経験があります。

オプションで台車を借りるのも忘れずに。

次の大仕事が、本の箱詰めです。まず頑丈な箱(段ボール)を手に入れなくてはいけません。何十箱も必要なので大変です。
これが意外に難航しました。

ひとむかし前はどのスーパーに行っても、わかりやすく「ご自由にお持ち帰りください」という空き箱が積まれていた気がするのですが、いざ行ってみると全然置いていない……。
なんというか社会全体がこぎれいな方向に向かっていて、あまりそういう雑多な面を見せることが好まれなくなってきたというか(考えすぎ?)。

結局何軒かまわり、昔ながらの町のスーパー(大手チェーンじゃないところ)で野菜や果物の空き箱が積まれているのを発見し、店員さんに確認したら持って行って構わないということだったので、これをもらうことに。
一度に手で運べる量には限度があるので、自宅とスーパーを何度も往復して、なんとか必要な数の箱をゲットしました。

それからせっせと箱詰め作業。おぉ、本棚が空になっていく……!
こうして本がみっちり詰まった激重の箱が部屋に並びました。あとは決行日を待つのみ。

そして当日、なんとあいにくの雨。レンタカーをバンにして正解でした。

バンをマンションの入り口付近につけて、ひたすら台車で何往復もしながら積み込みです。腰がパンパンになりました。
結局、バンの荷台を目一杯使ってなんとか全部押し込んだ感じです。最初はこんな大型車はおおげさかな、と思っていましたが、いやいやギリギリセーフ。

積み込みも1人なら、ドライブも1人です。
大学は自宅から結構遠いので、高速なんかも使いながら、渋滞にもはまりつつ、2時間ぐらいかけて無事到着。

4月あたま、大学はまだ入学式前(春休み)で人もまばら。というわけで駐車場ではなく、大学構内まで車を入れさせてもらい、そこから再び、台車に箱積む、運ぶ、おろすの繰り返し。
車と研究室を何往復もして、ようやくすべての搬入が終了しました!
ふぅ、やれやれ。えもいわれぬ達成感。

やればできるもんですね!
だいぶお金も浮いたし(なにか買おう笑)。

***

さて、こうして苦労の末に研究室に運び込んだ書籍類ですが、4月下旬のいま、実はまだ半分以上箱に入ったままです……。
授業準備が忙しすぎて、手が回らないんだーー!!!

ゴールデンウィークまでには、なんとか……。

***

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