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高層ビルのてっぺんまで登る学芸員

どう考えても、学芸員は肉体労働だなと思う場面があります。

重い作品を持つ時ももちろんそうなのですが、一番痛感するのは照明のセッティングの時です。これはすべての美術館・博物館にあてはまるわけではありませんが、うちのようにスポットライトの設置を学芸員自身が行うところなら同じはず。

作品をすべて展示して、キャプションもつけたら、最後の仕上げとして照明をあてていきます。みなさん、展覧会を見に行ったら是非天井を見上げてください。たくさんのスポットライトがそこかしこに設置されているはずです。

さて、うちの美術館は天井高が4メートルあります。そんじょそこらの脚立では届きません。巨大な脚立を2人がかりでヨイショと立てて、学芸員がそれに登ってスポットライトを天井のダクトレールに付けていきます。

平均40個ぐらいのスポットライトを付けるんですけど、これつまり40回その巨大な脚立の上まで登っては降りての運動を繰り返すということです。
4メートル×40回ということで160メートルの高さまで登っているようなものです(ちょっと違うか)。

160メートルってこれよ

脚の力だけで登っているとしんどいので、ガシガシ両手も使って背筋の力を借りながら、まさに全身運動で登ります。途中から汗だくになります。

あと、単純に4メートルの高さはなかなか恐怖です。さいわい落ちたことはありません。


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