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BTS『Butter』で辿る洋楽の歴史

BTS「Butter」は2021年にシングル発売された。ビルボードのHot100でも1位を獲得しており、エドシーランが参加している「Permission to Dance」と並んで2021年のBTSを代表する楽曲である。 

当初からQueenの「Another One Bites The dust」 にビートが似ているとQueenを知るファンから声が上がっていた。

これに対してQueenサイドは「Another One Bites The dust」の歌詞を引用しTwitterで以下のように反応した。

"Are you ready hey are you ready for this..."
Another One Bites The Dust x #BTS_Butter #Queen #anotheronebitesthedust @BTS_twt#ButterVideoTeaser #BTS https://t.co/gxQqLSJDY3 pic.twitter.com/2KaaSgo8gu— Queen (@QueenWillRock) May 18, 2021

公式にサンプリングなどを明言した記事は見当たらなかったが、この楽曲に影響を多少なりと受けていると考えられる。

Twitterでの反応などからQueenサイドはBTSに対してかなり好意的に対応したように思われる。それはなぜか。その理由は「Another One Bites the Dust」という楽曲自体に隠されていた。

NHK FMで放送中の「ディスカバー・クイーン」では毎週様々な角度からQueenを紹介している。2021年12月5日の放送ではアルバム「The Game」のA面について作編曲家の西脇辰弥氏が解説を行った。(「The Game」のA面には「Another One Bites The Dust」が収録されている)

西脇氏によれば「『Another One Bites The Dust』はChicの『Good Times』に影響を受けており、ジョンディーコン(Queenのベーシスト)がChicのレコーディングスタジオにいたとの噂もある」とのこと。

Queenサイドが「Butter」に温かい反応を示した背景にはQueenの「Another One Bites The Dust」もまたChicの「Good Times」に影響を受けているからなのではないだろうか。

Chicの「Good Times」と言えばそのサウンドがDoja Cat「Say So」にも影響を与えている。(ちなみにこちらはサンプリングが公言されている)「Say So」はアルバム「Hot Pink」に収録されており、2020年にシングルリリースされた。ビルボードのHot100では最高4位を記録した。(ニッキーミナージュとのコラボverでは1位を獲得している)

2020年以降ディスコ音楽への回帰が顕著みられている。先に挙げたBTS、Doja CatはもちろんだがDua Lipaのアルバム「Future Nostalgia」を見逃すことは出来ない。さらにDua LipaはKylie MinogueやElton Johnとも積極的にコラボしており、今後の活躍からも目を離せない。さらに2021年、ABBAが復活。11月5日にはニューアルバム「Voyage」をリリースした。

このようなディスコ音楽への回帰の中で70年代、80年代の音楽を参照しながらより深く音楽を楽しむのはいかがだろうか。

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