餓島がDMSSに入るまでの経緯
あれは儂が小学生の頃のことじゃった。
家の本棚や学校の図書室の本など、目につくものを適当に読んでいた時期の話じゃ。
ズッコケ三人組とかアルセーヌルパンとかいう児童書が面白くて、学校の図書室や市の図書館でよく借りて読んでいたんじゃよ。
たしか小学四年生とか五年生だった頃のことのように思うのう……。
その頃に本の面白さを知ったのが、儂が本好きになったことの原因となっていると思うんじゃ。
小学生時代は基本的に児童書を読んでおったんじゃが、中学生の頃には中原涼のアリスシリーズや、宗田理のぼくらシリーズなんかを好んで読むようになった。あの頃に限らずクイズやパズルなんかが大好きなこどもだったんでの、相性が良かったんじゃろう。
そんな感じで儂は小説が好きになっていたんじゃ。
まあ年相応に漫画やゲームも大好きだったので、本を読む時間はゲームの時間や漫画を読む時間よりは少なかったことは確かじゃが。
どちらかというと中学時代は映画の方がメインじゃったかもしれん。
21時からテレビで洋画を週に三度は放送していたし、休日なんかは昼のロードショーも観ておった。
気に入った映画は録画して何度も観たし、レンタルビデオの店に毎週通ってはよくわからないB級映画もたくさん観た。
昔は情報がなかったんでの、パッケージと説明文だけが全てだったんじゃ。
ジョーズやジョーズ2が面白かったからと、ジョーズ3やジョーズ4をキラキラした期待の目と心で借りて爆死したのもいい思い出じゃよ。
そういうわけでそれなりに読書をする少年だった昔の儂じゃが、一番本を読んでいたのは高校時代ということになるじゃろう。
高校生になって世界が広がり、様々なことに挑戦していた儂にも友人がおっての、その友人が勧める本を中心に毎日のように本を読んでいたんじゃ。
エンタメ、ホラー、SF、冒険小説、恋愛、そしてミステリ。
様々なジャンルの本を読んだのは確かじゃ。
特に、メフィスト賞を受賞した作家の浦賀和宏氏の本を好んで読んでおったように思う。音楽はDIR EN GREYを好んでいたような青年だったものじゃから、カニバ系がハマったんじゃな。若かったのう。ふぉっふぉっふぉっ。
高校時代の読書量が、今の餓島を作っていると言ってもよいの。
高校卒業後は小説はほぼ読まなくなったのう……。
単純に忙しくなったからなんじゃが、代わりに読むようになったのが実用書じゃな。社会人になってからも実用書や資料がメインで、自己啓発本なんかもよく手を出しておった。
さて、こうやって昔語りをしているわけじゃが、じつは餓島は大嘘つきなので、特に書いていることは気にしなくてよろしい。
あとで騙されたなどと言わんで欲しいのじゃよ。
そう、あれは儂が軍人になっていた頃の話じゃ。
その頃の儂は狂ったように戦略論や戦術、軍人の体験談なんかの本を読むようになっておった。
クラウゼヴィッツや孫氏、六韜やマハンを読んだり、山本七平氏の本を漁るようにしていたのはこの時期じゃ。
映画もほとんど戦争映画を好んで観るようになり「ああ江田島」「八甲田山死の彷徨」なんかは何度も観たのう。
海外ドラマの「バンド・オブ・ブラザーズ」は何度も繰り返して観たものじゃった。
落下傘部隊で降下訓練をしてから観ても、面白いと思えるものだったんじゃよ。
そんなこんなで、あまり小説は読んではおらんかったんじゃ。
そう、あれは儂が漁師をしている頃の話じゃ。
船を手に入れて大海原へ繰り出し、魚を釣って稼いでいた頃じゃ。
その頃も特に小説を読むようなことはせず、のんびりと暮らしておったのう。
まあそもそも住んでいた場所が小さな島だったものじゃから、本屋なんてなかっただけなんじゃがな。
それでもたまに本土に行ったときに、魚や植物の図鑑や釣りの資料、天気予報のための天気図の読み方なんて本を入手しては読んではいたんじゃ。
野生のヤギやイノシシと戦ったり、マムシを捕まえて酒に漬けていたのもいい思い出じゃ。
やはりその頃も本は読んでおらんかったんじゃのう。
じゃあいつになったら小説を読むようになったかというと、そう、儂がJAXAで短期のバイトに勤しんでおった頃の二年後くらいから、だんだんと本を読むようになってきたんじゃ。
その頃にはだいぶ時間を取れるようになってきて、生活も落ち着いてきていたんじゃ。
そう、時間に余裕が出てきて、本でも読むかと思ったときに、昔好きだった本を思い出して気づいたんじゃよ。
そうだ、ミステリを読もう。
そしてミステリの情報を得たり、情報交換をしたりするために入ったディスコードサーバーが、DMSSだったんじゃ。
これが、儂がDMSSの門を叩いた経緯じゃ。
陸海空と様々な場所で修行して、儂はいつしか仙術を使えるまでになった。
仙人となった今でも謎は尽きない。わからないこと、謎だらけ。それがミステリ。
幼少期から大好きだったパズルや謎解き、クイズ。そして小説。
全部まとめてミステリで楽しめちゃう!
こんなにも魅力あるミステリを読めるなんて最高やんけ。ミステリ大好き! ひゃっほう!
こんな設定の変人でも受け入れてくれるDMSS、ええやん。
仙術使えるとか嘘言ってごめんーね。
ではさらばだ! がはは!